19.ドキドキ(エースと誠の場合)


今までは、太陽といつも一緒だったのが僕、エリアス炎だったけど、あいつが着てからは太陽といつも一緒で、いつも隣にいるのは僕じゃなくてジェイになった。
つまり、あいつの中の一番近くにいる友達は、今ジェイが占めているんだろう。
妬いてるとかじゃなくて、ただ少し寂しかった。
それを表に出す事は無かったけど・・。
「―最近、お前太陽といないな」
食堂でふいに誠に声をかけられた。
「まあな、でも、まあいいじゃないの。仲いい事は美しきかな」って言うし」
エースは軽く笑いながら、誠の肩をたたいた。
「・・・」
誠はじっとエースを見ると、少し微笑んで、
「・・無理するなよ」
と優しげにいって、自分の分の料理を取りにいった。
ドキン・・ッ。
「・・あれ?」
何か、今、心臓が一瞬高鳴ったような・・。
「・・気のせいか?」

その事からしばらくして、辞書を借りようと部屋を抜け出して、誠の部屋に行った。
「誠、起きてるか~?」
入ってみると、誠は電気をつけたまま、寝入っていた。
「・・って、寝ちゃてるか」
誠は子供らしい寝顔を浮かべながら寝息を立てていた。
「こうしてると、誠もただの子供だよな・・」
――・・可愛い。
エースはいつのまにか、ぼーっと誠の寝顔に見惚れていた。
ハッ。
「・・って、違うだろ!!自分。男に見惚れてどうするんだよ」
「――あきさん・・」
誠はそう寝言を呟く様に言うと、エースの手を取って、静かに涙をこぼした。
「誠?」
その姿を見た瞬間、エースの心臓が騒ぎ始めた。
はっきり、頬が赤いのがわかった。

・・何か、これって、まるで恋してる時の症状みたいだな、胸はドキドキしてるし、顔は赤くなるし、きゅうんってなったり、ぎゅうって苦しくなるし・・。
「・・え?恋?」
エースはその時初めて言葉に出して今の自分の事態に気付いた。
「・・・・・・・うそ」
この僕が、このエース様が・・・、よりによって、・・・男に・・誠に?
「・・嘘だろ」
エースはどんどん真っ青になっていき、身体から力が抜けた様にその場に座りこんだ。


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