第1話―運命の戦使様!?


空では福ちゃん太陽が輝くような笑顔を浮かべながらニコニコと笑っている。
人々の憩いの場所でもあり、遊ぶ場所であるパラダイス☆スター・ゾーンにあるトマトマ公園内の中央広場の噴水に自分の顔を映しているピンクの髪の天使の女のこ―桜華天女シエルの姿があった。
「・・ああ、何で神様はこんな可愛い天使をこの世に生み出す事が出来たのかしら」
うっとりとした眼差しで水に映し出された自分の顔を見た。
しかも、今日は♪
「ついに待っていた私の戦使様に会えるのね・・」
きゃっ、と頬を赤くしてシエルは自分の両頬に手を添えた。
そんな自分を周りの人々が何だ、あのこといった感じで見てるとも気付かずに・・。
「―何か、変な女のこね」
と、そこへ片手にアイスを持ったおしゃれな服装を着こんだ天助ポーチの姿があった。
「待ってくれよ~、ポーチ」
「うるさいわね、もうわかれたんだからついてこないでよ」
跳ねつけるような眼差しで後についてくる悪魔の青年を睨んだ。
「ポーチ先生♪」
星騎使タケルの息子、聖魔悪魔デミアンがいきなり天空から現れ、ポーチに抱きついた。容姿の方はどちらかというと母親の方に似たらしい。
「デ、デミアン!?何で、ここに?」
「―アイスはいかがっすか――」
澄んだ声をその広場一杯に放つ、目深い帽子を被った金髪の少年の姿があった。
「いやー、君がいると本当助かるわ―」
巡回からちょうど帰ってきたバニーラがアイスボックスを首に下げている少年ー昂天使スバルに軽く声をかけた。
「あ、どうも」
スバルが照れくさそうに帽子を外してそのオッドアイの瞳をバニーラに向けた。
「花見の季節ってよく売れるのよね~」
スバルがピンク色の桜の花びらが風でなびいてる風景を顔を上げてフッとした瞳で見た。
「そうですね~」
「―お前、休日だってのによくバイトする気になるよな~」
「タカト」
手にいっぱいの売り物の食べ物を持ったカンジ―の息子、炎天大司タカトが軽く笑いながらスバルの元に歩み寄ってきた。
「・・そんなに食うのか?腹、壊すぞ」
「大丈夫、大丈夫。オレ、鉄の肝臓だから」
「タカト、それは違うと思うよ。そういえば、今日はカンジ―さんに内緒で1人で来たか?」
スバルがタカトの耳に近づき、ごしょごしょとひそひそ話をするように小さく呟いた。
「それはもう・・」
タカトがにやりと笑った。
なにやら、企みがありそうだ。

―パラダイス☆スター・ゾーンの崖付近にある第14歴史博物館―。
周りには森があるのであまり人がこない場所に立ってるため、この博物館の客は獄少数だった。
もうすぐ、壊される予定の小さい博物館なのである。
そこへ、夕方近くになってタカトやスバルは来るつもりらしい。
なぜ、そんな寂れた所に来るかというと、この博物館の2階の奥の部屋にある、あるものを見るためだ。

ゴゴゴゴゴ・・・・・・。
「あれ?」
煌天使フシールがその愛らしい顔を急に窓越しに向け、窓をガラッと開けた。
「どうしたの、フシール?」
クラスメイトの友達の1人がフシールの僅かな変化に気付いた。
「気のせいかしら、今、太陽と月が重なりそうになった風に見えたんだけど」
「まっさかー、そんな事あるわけないじゃん」
友達はフシールのその言動を軽く受けとめ、あははっと笑った。
ダダダダッ
気持ちのよい風に揺れる野原の前にいるスバルの前に急いで走ってくるタカトの姿があった。
「ごめんな、スバル、待ったか!?」
「何で、バイトのない暇なお前の方が遅くなるわけ?」
「いやー、兄さんとばったり遭遇しちゃてさー、あはは・・。さっ、行こうぜ!」
タカトはごまかすように笑い、スバルの背中を思いっきり叩いた。
「・・ったく」
―――ん?
スバルの目にふと赤く染まる福ちゃん太陽の輝きの影に青い月の姿がうっすらと映り、そして傷ついたユニコーンが猫らしき生き物を連れて空を駆けていった。
ユニコーンの姿はすぐ見えなくなったが・・。
「―何してるんだよ、スバル、置いてくぞ」
スバルが空から視線を逸らすと、タカトはもう随分先を歩いていた。
「あっ、待てよ!タカト!」
スバルは知らなかった。
その幻みたいなものが、無限フィールドの歴史の闇に消えた、封印された妖魔王「ダークレディ」が出現するほんの前兆であることを・・。

――ゴォォォォォォォォォォォォォン!!
突如、聖魔和合界の次元を折り曲げ、パラダイス☆スターゾーンを中心に何人もの悪魔が散らばりながらまるで隕石のように降下し始めた!
けたたましい笑い声をあげて・・・・・・・・!
そして、タカトの前にはシャボン玉みたいな結界に包まれ、身を抱え眠っている「少女」がゆっくりとタカトに向かって落下してきた!
『!?』
タカト、スバル、デミアン、ポーチなどその場にいた人々は我が目を疑った。
長く燃えるような赤の髪、真っ白な肌、整った顔立ち。額には、花びらのような痣みたいなものがつけられている。
服装はというと、タカトとかがあまり見たことのないものだった。
「―――見つけた・・」
少女はぼんやりとしたか細い声で言い、結界が地に到着してわれ、中からゆっくりと出てきた。
「見つけた・・・・彼らを受け継ぐ者、私が探してた戦使を」
「・・は、はあ?」
何だ、この子・・??
タカトの頭のなかは完全に?状態だった。
ふらりとした足つきで少女―聖天天如リ―ノアが蒼い瞳をタカトに向けた。
 「――見つけた、この世界を救う伝説を受け継ぐ者を・・」
リーノアはか細くそう呟くと、身体の力が抜けたようにそのまま気を失い、タカトによりかかるように倒れた。
タカトもリーノアが寄りかかった反動でその場に座り込んでしまった。
「お、おい・・!?」
タカトがリーノアを抱きかかえると、スバルがタカトの肩を軽く叩いた。
「――1度、里に戻った方がいいかもよ」
「え、な、何で!?」
スバルがくいっと人差し指を空に向けると、魔守・ゴールキーパーが何かをかぎまわるように辺りこちらに天使に襲いかかっていた。
彼の目には自分の意志はなく誰かにあやつられているのがよく見えていた。
「・・でも、オレ達だけ逃げるなんて・・」
「武器もないのにどうやって戦うんだよ。それに、タカト、まだ実体験ないでしょ、戦闘の」
図星だったらしくタカトが口をつまらせた。
「・・・・・う」
「そんなのにいられても役立たずなだけだろ。帰るぞ」
「・・・チェ・・ッ」
スバルが思いだろと言って、タカトと力を合わせてリーノアを抱え込んだ。
そこへ、「坊ちゃま~」といって、空に投げ飛ばされたデミアンを追いかけるセバスチャンの姿があった。
「・・・・・・・あいつ、こっちに向かってきてないか・・。気のせいかな。気を失ってるようだけど」
「・・・・・・あ、ああ」
タカトとスバルが呆然と魔守・樹令魔に渾身の力で投げ飛ばされ、宙に舞い、遠くからこっちに向かってくるデミアンの姿を見つめていた。
「きゃははははは~」
景気のいい笑いを浮かべる樹令魔の声までだんだん近づいてくる。
「――やばくない?」
と、タカトがぽつりと呟いた。
――――で、
ヒュウウウウウウウウウウウウウウウ――!!
ズッドドーン!
ドカ!
デミアンが空からスバルを覆い被れるようにスバルとぶつかった!
お互い、頭をぶつけ合い、同時に気を失った。
「坊ちゃま~!!」
「・・ス、スバル・・・大丈夫か?」
スバルの頭にタンコブみたいなものがプックリできた。
「おー、餌が3匹も増えたぞ―」
樹令魔が機嫌よさそうに舌を鳴らした。
「・・・・・・気持ち悪い・・」
「・・・戦使様・・」
リーノアが何時の間にか意識を取り戻し、スッと立ちあがり、タカトの前に凛とした瞳を浮かべながら立った。
「――貴方のなかの力と聖獣のスピリットを合わせます。私に手を合わせて」
「え、あ、はい」
タカトはリーノアに言われるまま、リーノアの手に自分の手を合わせた。
「神聖なるヴァディア神よ、この者の熱く輝く心の力に答えセイバーフェニックスを呼び覚ませ、召還する我の名は聖天天如リーノアなり」
リーノアがその呪文を唱えた瞬間、タカトとリーノアの頭上に魔法陣が現れ、その魔法陣から赤い火の矢が何本も降り注いだ!
その中から、真紅の羽毛に厳格な意志を思わせる鋭い瞳がタカトを射抜き、煌びやかな光を放つ翼を広げ、セイバーフェニックスが身を拘束していた鎖を振り解き、
タカトの元に降り立った。
そして、セイバーフェニックスが身体を武器に変え、柄は金、鞘も金の装飾がほどこされた「天星剣」となった!
ドクン・・・!
その瞬間、タカトに熱い何かが通り過ぎていった。
「それは貴方だけの剣です。お使いなさい」
「オレだけの剣・・?」
「何してる、貴様ら~!!オレを無視するな~!」
樹令魔が身体に巻きつけられた数珠を巨大化させ、タカトとリーノアに向かって豪快に振り下ろした!!
その瞬間、タカトとリーノアが交互に跳躍し、それを避けた。
「なっ・・!?」
――出来る!
タカトが、樹令魔の頭上に一気に跳躍し、炎を発する天星剣を上に上げ、
「烈火双破斬!!」
と、頭に入ってくる技の名前を言いながら樹令魔の身体を真っ二つにした。
樹令魔の身体がコードに包まれ、突如現れた時空に繋がる鏡のなかに吸い込まれていった!
「あっさりすぎ~」という樹令魔のこだました声だけが響き残った。

「―あれは・・」
その場面を呆然と眺めるシエルの姿がぽつりと浮かんだ。

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