第3話―Dラックゲートオープン!


スバルが、泰子博士が作り出された何処の次元にでもマガタマを探しに行ける移動手段ーDラックゲートの前で大きくため息をついた。
「どうしたんです?スバル様」
太鼓のような形の飾りを頭につけた結い上げた薄赤の髪の女性が、天使独特のリングをつけて壁に寄りかかるスバルに声をかけた。
「――何で、オレがこんな目に・・」
いくら、お師匠様の頼みだからって。
「今さらだろ!スバル!世界中の乙女のために戦うなんてすばらしい事じゃないか!」と、デミアンがスバルの背中を思いっきり叩いた。
「・・いてっ!そ、それはお前の都合だろうが・・」
スバルが日が入ってくる窓によりかかるタカトの方に視線を向けると、タカトは没頭中だった。
「・・・」
スバルは呆れ顔みたくなった。
「―父さん、母さん、フォーレ兄ちゃん、ミラーナ・・、オレ頑張るからな」
瞳をキラキラと輝かせて、これからの冒険に大変期待を寄せているようだ。
よかった・・オババ無事で・・。ん?
「―タカトって、いつもああなの?」と、シエルがフシールを背にスバルに聞いてきた。
「・・大体」

『――かってのヘッド達により封印された妖魔王ルシフェルの復活を目論むデダスターによって、聖魔和合界と幻想界は今侵略されようとしているのです』
スバル達の目の前にいるリーノアと名乗った少女が見据えた、しっかりとした瞳でスバル達を見ながら静かに言った。
「デダスター?」
『はい。彼らの正体はこの私も知りませんが、彼らは通常の悪魔や天使とは違うものという事はわかってます。私は巫女として時空の狭間にあるプルートの塔にある戦使達のスピリットを守っていました。しかし、奴らに突如襲われ・・・』
そこで、リーノアは黙ってしまった。
「――え」
『・・・・マガタマは、あらゆる力も与え、その者の望みをかなえる伝説の「天空晶」の欠片で・・デダスターもそれを狙ってます』
「・・でも、だったら父さんに頼んだほうが」
『――それはだめなんです。戦使達のスピリットに選ばれた新しい者にしかこの大いなる使命を果たす事はできないんですから』
「まさか、それがオレ達だと?」
「スバル」
『――それはわかりません。でも・・』
「でも?」
『あなた達には戦使達のスピリットに近いものがあります・・もしかしたら、タカト様のように聖獣に選ばれるかもしれません』
――どういう意味だったんだろ・・。
「どうしましたの?デミアン」
「!・・いやっ、何でもない、フシール」
「そう?」
「では、5人のうち3人に選んでDラックゲートを開くDXヴァイスを身体に装着してください」
泰子博士が赤、蒼、翠のヴァイスを5人の前に差し出した。
「DXヴァイスねぇ・・ここはやはりリーダーになるオレが使うべきかな」と、デミアンが楽しげに蒼のヴァイスをとって腕に装着した。
「いつからお前がリーダーになったんだよ、デミアン・・」
「―じゃあ、赤はオレだな。オレ、赤がイメージだし♪」
タカトは右手に装着させた。
「オレは翠か」
「似合いますわよ、スバル様v」
フシールがニッコリと微笑んでそういった。
スバル様?
「あ、ありがとう・・」
「じゃあ、3人そろって・・あ、フシールとシエルは3人のうち誰かと一緒に」
「は、はいっ」
シエルはタカトに、フシールはスバルについた。

「ではっ、Dラックゲートオープン!!!」

その瞬間、5人はそれぞれ目がくらむほどの聖光(オーラ)に包まれ、その場から姿を消していった!!

―ワシキゾーン・キリガクレの森―
鳥のさえずりが聞こえ、木の間を小リス達が元気につたっていく。
そんなのどかな光景をお祭り太鼓モンスター・のっぺ乱坊が大好きな燃料を飲みながら木に背をかけ1人の時間を楽しんでいた。
「・・いつもながら、ここは静かでウィ~」
のっぺ乱坊が気分良さげに空を掲げると、突然Dラックゲートが現れ、小さな魔法陣の中からタカトとシエル、デミアンがまっすぐに地上へと落ちてきた。
「「!!うわあああああああ!!」」
タカトとデミアンが地上へと突きつけられそうになって悲鳴を上げた。
「ちょっと、何やってるのよ!?」
――が、すぐさま2人の身体はシエルのポシェットから出されたシャボン玉ポットによって動きを止め助かった。
「!?」
「これは?」
「私が持ってる魔法セットの一つ、シャボン玉ポットよ。・・ったく」
「そ、そう、ビックリした~ぁ・・。あれ?タカト、スバルとフシールは?」
デミアンにそう言われて辺りを見てみると、2人の姿がなかった。
「・・何なんだ、お前達・・」
のっぺ乱坊は呆然となっていた。
           ・・・
「マガタマ?何だ、そりゃ」
のっぺ乱坊が赤い顔しながら隣にいるタカト達にぼ~っとした口調で踊りながらそう言った。
「なんか、こーゆうのなんだって」
シエルがのっぺ乱坊に紙の上に書いたマガタマの姿を見せた。流れる雲のような形の宝石だった。
「!あー、これと似たやつなら昨日おらの村に来たクロノっていう猫のガキが持ってたぞ~」
「!!本当ですか?」
「ああ」
のっぺ乱坊が機嫌良さげにタカト達に言った。
「あら、のっぺ乱坊、どうしたの?」
女の人の声にデミアンがバッと振り向いた。
額に赤い星型のタツゥーをつけた藍色のおだんご頭をつけた悪魔の少女・毒覇師ランフェンと頬に蒼い星型のタツゥーをつけた薄紫のロングヘアのランフェンの妹・浄珂師エリフェアが現れた。
ゾクッ
「?」
「どした?デミアン」
「いや・・何でもない」
――何だろ、今の感じ・・何かとてつもないものに出会ったような・・。

ヒュウウウ――・・・
強くぶつかってくるような風がスバルの身体を通りすぎていった。
「・・いてっ」
スバルの耳元でかすかに声高く鳴く鳥の声が響いた。
スバルは、フシールと一緒に何処かのゾーンに飛ばされてきたらしい。そして、今荒々しく削り取られた岩山の一角の頂上にスバル達はいるようだ。
「―何か、辺鄙なところに出ましたわね」
「うん・・」

『――飛天雷覇!!』

「フシール、避けて!」
「・・えっ?」
スバルがいきなりフシールの身体を突き飛ばし、スバルに向かって話された地面を引き裂き雷の波が意思があるかのようにスバルに襲いかかってきた!
スバルは素早く反応し、それを上手く避けた。
バチ・・バチ・・・
「あいっかわらず、すばっこしいな・・」
スバルとフシールの前に、マントを翻し、テレポートしてきた少年が降り立った。
その少年は自分達よりは年上に見え、背も高かった。鋭い眼光を放っているが何処か風格が感じられた。
「やっぱり、お前か」
スバルがしょうがなさそうにその少年に向かって一息つきながら言った。
「誰?スバル様のお知り合いなの?」
「雷駕大司リュート。オレの命を狙ってる奴だよ。あーあ、また面倒くさい奴と会っちゃたよ・・あんまり会いたくないんだよな」
「!!?」
命を狙う!?



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