第12話ー・・こいつ!


身体全体に纏わりつくこれは何なんだ・・。
意識が朦朧としてきた――・・。
スバルのうっすらと微かに開いた瞳に一列になって泳ぐ魚達の姿があった。
・・そっか、オレ海に落ちたんだっけ――・・
そこへ、一つの影がスバルの方へと近づいてきた。
――誰・・・?
淡いピンクの縦ロールで結われた髪が水の抵抗でほぐれ、優しい月色の瞳をした瞳をした少女が人魚の象徴であるピンクのひれを動かし、沈んでいくスバルを急いで抱き上げ、キッと地上へと目指した。
何で、こうなったんだっけ~・・?

「Dラックゲートオープン!!!」
そう叫んだ瞬間、その場に居たタカト達全員が光に包まれ、別の空間へと転送された。次の瞬間、皆が目を開けてみた景色は、辺り一面にあるアクアDXゾーンの透き通るような蒼い海だった。
「・・うわぁ、すごい」
フシールはその壮大さに思わず見惚れた。
「これ、海って奴ですよね!?スバル様」
「何、クロノ、海初めてなの?」
「はっ、はい!」
クロノはニッコリと微笑んだ。
「じゃ、楽しまなきゃな」
「デミアン、見ろよ、あんな所に出店が出てるぜ」
「本当だ。ちょっと、行ってみるか。あ、フシールも行こうぜ」
「ええ」
デミアンは、フシールの手を掴むと、タカトの後を追った。
シエルはふと視線を感じたので、その光景を林の中から羨ましそうに見ている一人の少女がいた。何やら、熱い眼差しでスバルを見ていた。
「・・・・」
シエルはそれが何となく気に入らなかった。
「どうかしたんですか?シエル様」
「べっ、別に。それより、スバルあんた泳ぐ事出来るの?」
「え、まあ、普通の人並には・・」
シエルはスバルの腕に自分の手を差し入れると、「じゃ、あたしと海で泳がない?」と笑顔で言った。
「いいけど・・。シエル、何かあったのか?」
「何にも無いわよ、行きましょ」
その時、小さな竜巻が突如現れ、もう一つの竜巻とぶつかり合いながら、スバルとクロノに向かって暴走しながら走ってきた。
「・・へ?」
「な、何!?あ、2人とも早く逃げて!」
シエルがそう叫んだ時は遅かった。
スバルとクロノは、見事その竜巻にクリーンヒットした!
そのまま、2人とも大きく飛ばされ、まッ逆さまに海の中にダイブした!

―そして、現在に至ったというわけか・・。
キーキーとどこからか頭上で鳥の鳴き声が響いていた。潮のにおいが鼻についてくる。
「―・・ここは」
スバルはそこでゆっくりと目を覚ました。


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