プロローグ



 遠い銀河系のはるか彼方からやってきた侵略者。
 セリュ―ジョンと呼ばれる異星人の組織。
 彼らは永い時を越え、永住の地を求める植民であり、地球を自分達のものにしようとする侵略者だった。

―そして、物語は彼らが現れた1ヶ月後に始まる。
 ある日、異常な流れ星の散乱が沖縄の小さな天体観測所で観測された。
 流れ星の一つがまるで意思をもったように山梨の山々の一つに静かに落ちていった。

ヒュウウウウ―・・・。

「今日は妙な天気ですね、晴れたり曇ったり」
「そうだねえ・・・。おや、スバル、もう寝るのかい?」
 長い廊下を歩いていた風呂上りの少年に老女が優しく声をかける。
「うん。起きててもやることないし」
 にっこり。
子供らしさを含んだ穏やかな笑顔だ。
「CDでも聞いて寝るかな」
 そう言いながら、金色の髪をたなびかせ、父親と祖母の前をすたすたと歩いていく。
 その時だった。

キィン・・・!

 突如、スバルの脳裏にある音が響いた。
「・・・!これは・・」
 何かに反応するようにスバルが振り返り、そして、呟く。
「・・行かなきゃ・・」
 スバルの深く蒼い瞳がふっと輝く。
 呼んでる・・・、懐かしい何かが・・・。
 僕を・・・。

ガラっ

「あれ、今何か音しなかった?」
老女が小さな物音に気付き、音をした方に顔を向けた。
「さあ。また、スバルが星でも眺めに行ったんじゃないか。なんでかあいつ空眺めるの好きだし」
父親が軽く笑いながらおつまみを口に含んだ。
 ハァハァ・・。
 森の中を金色の髪の少年が駆け抜けていく。
「!」
 スバルの前に青白い巨大な光が現れ、「ウォーン・・」と静かに唸った。
「・・・」
 スバルは立ち止まり、それをみつめやがて優しく微笑んだ。
「―君は?僕は皇 スバル」

<ミュウ・・ミュウ・・>
可愛い声を発しながらすっと出てきたのは、猫に似た形態のペットロボットだった。つぶらな目が光っている。
「テラ、テーラ、何処行ってたの~?」
ハッチが開き、その愛らしい声の主が長いスカートの裾をなびかせ、ゆっくりとした歩きで「ミュウ」と鳴くペットロボットに向かってきた。
ふんわりとしたピンクの長い髪、赤いメッシュ、ほっそりとした真っ白な肌。優しく愛らしい顔には穏やかな笑みが浮かんでいる。
「もう、探したんだから」
<ミュ・・>
テラが彼女に反応するように彼女の手に自分の身体を飛び乗った。
「うふふ~」
―もうすぐ、地球ですのね。
12才になるセリュ―ジョンの彼女は自分の視界一杯に広がるガラス越しの宇宙をやさしい瞳で見つめた。

ハッとなって、暗闇に包まれた部屋の中、ある11歳くらいの少年が目を覚ました。
「――・・あれ?」
気のせいかな、今頭の中ですごい流れ星が落ちて行く映像が広がったんだけど・・。それに、ガラス越しで辺り一面星の海を見てる誰かがいたような・・。
「・・・・」
でも、まあ・・夢だよな。
少年はカーテンを開き、流れ星が夜空に溶け込んで行くを目撃した。
「・・・すげ」



© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: