猫まっし!なクロノス記

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ぼやき -4-

ぼやき -4-
どうやら、このところ姉貴はある場所に入り浸っていたらしい。
それは、街の一角にある、冒険者なら誰もが知ってる有名な店だった。
そこでは、各地から冒険者が自分の集めた戦利品を持ち寄り、互いに売り買いしている。
日によって売ってる物も違えば、相場も違う。
自分の目利きが試される、冒険者ならではの店だ。
ちょっと大きな声じゃ言えないけど、街の武器屋で売ってる物よりずっと良い物が揃ってるんだ。

すぐにわかった。
姉貴はここでハンマーを買ったんだ。



「でも、それが一体なんだってんだ?」

今度は桧が教えてくれた。
さすがは、武器コレクターの桧と言うべきか。
姉貴がハンマーを買ってきてすぐに、見せて貰ったらしい。
聞くとハンマーの補正は、たしかに良品であるもののわずかに攻撃力が足りなかった。

おかしい。
俺も足繁くあの店には通ってるから、わかる。
あのときあの店には、姉貴が手に入れた補正以上のハンマーが売ってたはずだ。
なぜ、わざわざ劣るハンマーにしたのだろうか?


疑問を口にすると、桧が値段を教えてくれた。
それでようやくわかった。
べらぼうに高い物ではなかった、むしろ買おうと思えば十分に手の届く値段だった。

でも、そのハンマーを買えば、本格的に俺が狩りに出れなくなる。
いや、出ること自体は可能だが、思う存分の狩りというのは不可能だろう。
そんな金額だったんだ。
そう、姉貴は俺のことを考えて、少し補正は劣るが値段的に安い今のハンマーを選んだんだ。


あとで、知り合いのバルキリーに聞いた話だと、バルキリーという職業は相当お金が溜まらないらしい。
聞く人聞く人、貧乏だと苦笑する。
どうやら、他の職業より、ずっと多くマナポーションを消費しないと敵を倒せないのだそうだ。

そんな姉貴に稼がせて、俺ってば・・・。
弟だからって、甘えすぎてたんだな。





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