出産





それは予定日4日前の定期健診の時から始まりました。




いつものように内診台にあがると、先生はいきなり指を入れたかと思うとグリグリと中をかき回し始めたのです。
あまりの痛さに両手を宙に上げ、無言でもだえながら振り回す私。
もし誰かがこの姿を見ていたらかなり間抜けだったかも。




「もうそろそろ産まないとね」

シャーっとカーテンを開け、そういいながらニヤリと笑う先生。
内診台の上には血がべっとりとついていました。
もういつ産んでも良い人にはこうして子宮口を刺激するんだとか・・・
最初に言ってよー!!びっくりするじゃんか!





その日の検診は土曜日だったため、待合室で旦那が待っていました。
内診でお腹がズキズキと痛み始めていたのですが、きっとこれが最後の二人きりの週末になるということで六本木ヒルズで最後の二人きりのデートを楽しむことにしました。





行き先は私の大好きな小龍包のお店。
妊娠中、なぜかここの蟹味噌入り小龍包にハマり何度もこの店に通っていましたが、多分この日を最後にしばらくの間来られなくなる。
心残りの無いようにせいろ5つも小龍包を頼んでしまいました。





小龍包を思いっきり食べ、もう思い残す事も無いと満足してベッドに入った私。
しかし、夜中の3時に鈍い下腹部の痛みと共に目を覚ましました。
4時頃には10分間隔になったので、お風呂に入り入院の支度を始めました。
これから長くなるから5分間隔になるまで寝ていていいよと旦那に言ったのですが、彼もドキドキして眠れない様子。
それから結局5分間隔になったのは9時近くになってからでした。






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