猫庭

猫庭

ネコの気持ち 1

<あ・うんの呼吸>


今、同居しているネコとは、早11年の付き合いだ。
夏毛に変わるこの時期は、家中にふわふわの毛が漂っている。

毎夜丁寧にブラッシングしても、おおっ~と繰り返される驚嘆の声。
毛が抜けるに連れて夏用のボディなのか、
毎年(こんなに細くなって大丈夫なのぉ)と心配するくらいのスリムな体が出来上がる。
ブラシでこれだけ抜けるのだから、毛づくろいの度に胃に入ってしまうのは仕方ない。

しかし、気をつけないと逆流物を踏みかねないので、注意が必要だ。
時にはあちこち点在してるし、留守中のことなら、乾いてる事もある。
最初の頃はつい怒ってしまっていたが、ネコに罪は無いから黙々と片付けにかかる。


昔から実家にはネコがいた。
夕方、私の帰る時間になると外に出て待っていたらしい。

そんなある日、母に注意された事があった。
「遅くなるなら、ちゃんとネコに言っておきなさい。いつまでも外で待っていたんだからね」と。
素直な?私は、以来ず~っと母の教えを守っている。
旅行に行く時は勿論、帰りが遅くなりそうな時に、ひと言伝えるだけでネコには通じるのだった。

そのネコは年を取ると共に、母とは「あ・うん」の呼吸で過ごした。
たまに、ニャと短く小さい声で鳴く事もあったが、ほとんどアイコンタクトと静かな行動で、母はネコの気持ちを理解していたようだった。


今、我が家のネコとはそういう関係になってきたような気がする。
いまだに私を驚かせる事もするが、元気ならもうそれで充分なのである。


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