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2003年11月09日
歌舞伎座吉例顔見世大歌舞伎(昼の部)
(3)
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今日は歌舞伎座の昼の部に行ってきました。日曜日なのでいつにも増して熱気が感じられ、特に幕見席は大勢の立見が出るほどの客入りでした。やはり富十郎さんの一世一代の「船弁慶」が一番混雑していたようです。
さて一番はじめの演目は「梶原平三誉石切」(かじわらへいぞうほまれのいしきり)。梶原平三役の仁左衛門さん、六郎太夫役の坂東吉弥さん、梢役の芝雀さん…と私の好きな役者さんがずらりと揃った舞台で、舞台上に一人二人と役者さんが揃っていくごとに心の中で喜んでいました。仁左衛門さんは爽やかな梶原で、衣装もとてもお似合いでした。刀の目利きをする場面での冴え渡った眼が特に印象に残っています。六郎太夫の吉弥さんはなんだか見ていたら和んでしまいました。吉弥さんの持ち味がすごく生きていたと思います。梢役の芝雀さんはとにかく頑張っていました。いくら父親の命乞いをしているとはいえ女形さんがあそこまで必死な演技を見せるのは珍しいような気がします。父親の命が助かったことが分かった時の笑顔が晴れがましく、そして可愛かったです。
次は中村富十郎一世一代の「船弁慶」。これは配役が眩しいくらいでした。義経が鴈治郎さん、弁慶が吉右衛門さん、船頭が仁左衛門さん・左團次さん・東蔵さん。もう誰か出てくるたびに大向こうの嵐といった状態でした。
富十郎さんの見せ場は後半の知盛だと思うのですが、やはりエネルギーの面では今まで見てきた勘太郎さんや松緑さんといった若い人のほうが勝っています。でも富十郎さんの知盛は雄々しくもどこか色っぽさがあって魅力を感じました。静は……なんだかとても小さく見えました。もともと富十郎さんは背が高い方ではないのですが、静を演じているときは本当に小さく感じました。ところが知盛の時は身体と比較して多少長刀が大きく見えた程度で、あとはさほど小さいとは感じない。衣装や動きの違いで同じ人でも随分違って見えるものなんですね。
最後は「松竹梅湯島掛額」。これは文楽で「伊達娘恋緋鹿子」として八百屋お七の火の見櫓の段を見たことはあったのですが歌舞伎では初めてです。それにしても火の見櫓の段に至るまでがあそこまでギャグだとは思わなかった……。スーツ姿の秀調さんや歌舞伎座のお姉さんまで舞台に上げてたし。とにかく前半は紅長役の菊五郎さんが大活躍でした。
一方お七はすぐに機嫌が悪くなるは泣き出すはでかなり扱いの大変なお嬢さんでした。でも菊之助さんが演じるととても可愛いかったです。菊之助さんの娘役はいつ見ても惚れ惚れします。時蔵さん演じる吉三郎も美男で、二人が並ぶと本当に眼福眼福といった感じでした(ちなみに吉三郎は時蔵さんのことを「あいつは大嘘つきだ」と言っていました)。
そしてラストは火の見櫓の段。人形振りで演じられたのですが、菊之助さんは強い意志を持った人形のように思われました。真っ白な舞台の中、お七の鹿の子の衣装が映えて美しかったです。
というわけで長くなりましたがこの辺で。はぁ…明日は月曜日か……。頑張ろう。
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最終更新日 2003年11月09日 21時20分46秒
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Re:歌舞伎座吉例顔見世大歌舞伎(昼の部)(
春蝶亭多門
さん
お久しぶりです。新しい壁紙、あったかそうですね。
歌舞伎座昼の部、見ごたえがありましたね。ねこっぽさんのことを思い出して、あらためて坂東吉弥さんに注目してみましたが、ほんとに良い役者さんだと思いました。親としての人情と目利きの誇り、両方を感じました。
私は澤村宗十郎さんの、本当に最後の舞台を見ました。あの年の十二月最終日、夜の部を。宗十郎さんが時々ふらついているような気がして、少しはらはらしましたが、役者の執念が放つ輝きのようなものを持っていて、目がはなせませんでした。八十助さんの三津五郎襲名の紹介をして、舞台にきちんとすわって頭を下げた端正な姿が、舞台での最後の宗十郎さんの姿でした。何だかしみじみと思い出してしまいました。本当に良い役者さんでした。
それではまた遊びに来ますね。 (2003年11月15日 14時13分43秒)
返事を書く
Re:Re:歌舞伎座吉例顔見世大歌舞伎(昼の部)(
ねこっぽ
さん
春蝶亭多門さん、こんばんは。お久しぶりです。
昼の部を観に行かれたんですね。私のことを思い出して坂東吉弥さんに注目されたとは嬉しいような恥ずかしいような…(笑)。
それにしても昼の部、本当に見ごたえがありました。吉弥さんの六郎太夫は、梢の父親としての側面から見れば非常にあったかかったなぁ…と。このあったかさは吉弥さんにしか出せないのではないかと思いました。そして梶原と対する六郎太夫はお父さんではなく男になっている。あたたかさと鋭さという矛盾した要素が同居しているような印象を受けました。
今回の石切梶原は仁左衛門さん、吉弥さん、芝雀さんと役者が揃っていたので非常に面白かったです。吉弥さん・芝雀さん親子に胸が熱くなった後仁左衛門さんがスパッと切って、見終わったとき充実感と爽快感に溢れていました。
そして澤村宗十郎さんについて。12月の千穐楽……本当に最後の最後をご覧になったんですね。私は歌右衛門さんが亡くなられた直後辺りから本格的に歌舞伎を観だしたので残念ながら宗十郎さんの生の舞台を拝見することはできなかったのですが、テレビで見て以来大好きな役者さんの一人になりました。
最後の「蘭蝶」は演劇界で舞台写真を見たのですが、最初見たときはとても宗十郎さんだとは思えなくて…。宗十郎さんというと明るくふくよかなイメージしかなかったのでかなりショックを受けました。でもそんな風になってまで舞台を勤め上げたというのは、まさに「役者の執念」なんでしょうね。最後の舞台が家の芸、しかも三津五郎襲名の紹介をされて亡くなったというのも、いつ聞いても凄いことだなと思わずにはいられません。
猿之助さんが「幽霊って怖いけど宗十郎さんの幽霊なら出てきてほしい」とおっしゃっていましたが、私もたとえ幽霊でもいいから生の(?)宗十郎さんの舞台を拝見したいなぁと思ってしまいます。ましてや最後の舞台をご覧になったなんて本当に羨ましいです。
今回… (2003年11月16日 10時06分00秒)
返事を書く
Re:Re:歌舞伎座吉例顔見世大歌舞伎(昼の部)(
ねこっぽ
さん
(字数オーバーしてしまいました。下の続きです。)
今回は思いがけず宗十郎さんについてのお話が聞けてとても嬉しかったです。ぜひまた遊びに来てくださいね。 (2003年11月16日 10時08分41秒)
返事を書く
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