ねこっぽ雑記

ねこっぽ雑記

2004年06月18日
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 やっと教育実習の3週間が終了した。長かったんだか短かったんだか…とにかくすごく濃い3週間だった。大学ではこんな時間を味わうことはできないと思う。
 今週は結構波乱含みの1週間だった。今週というよりは最後の2日間が凄まじかった。というのは、今までせっかくとんとん拍子で運んでいた授業を、研究授業の前日(17日)の授業で台無しにしてしまったのである。原因は私の計画ミス。研究授業では群読(グループで役割分担をしたり声をそろえたりして作品を読む)の発表会をするつもりだったのだが、このままではとてもじゃないけどまともな発表会が開けない、という事態になった。指導教官からも「今までの授業で一番悪かった。せっかくのチャンスを逃した。」との評価をもらってへこみまくる私。でも落ち込んではいられない。何しろ時間がないのだ。軌道を外れた計画を何とかもとの軌道に乗せなおさなければならない。結局生徒に翌日の道徳の時間をもらえるようお願いした。「生徒から嫌だといわれたらどうしよう…」と不安だったが、私の気持ちを汲んでくれたのかイエスの答えが返ってきた。ほっとするというのを通り越して、ありがたさのあまり泣き出しそうだった。
 そして翌日(18日)、道徳の時間をもらっていちかばちかの軌道修正に取り掛かった。群読の発表会は作品を暗記した状態で行うことにしていたのだが、昨日の時点では暗記している生徒はわずかだった。しかし18日の朝に恐る恐る「暗記してきた人は手を挙げて」と聞いてみると……パーフェクト!!もう生徒を拝みたい気分だった。前日に「必ず暗記してきてね!」と念を押したものの、それだけでパーフェクトになるとは思えない。多分指導教官が私のいないところで生徒に暗記してくるようさらに念を押してくれたのだろう。でも最終的にはやはり生徒の意思である。きちんと覚えてきてくれて本当にありがたかった。そしてずれた軌道もなんとか修正した。これなら研究授業を成功させることができる、と思った。
 そしていよいよ研究授業。先生方が10人以上もいた中で、生徒たちはよく頑張ってくれた。昨日の段階からよくここまでできるようになったなとこちらが驚かされた。群読発表会を行なうにあたり、テーマがあった。「みんなを楽しませる(感動させる)群読をやってみよう」というものである。これを実現するのは簡単なようで難しい。現に他のクラスで行なった群読発表会は盛り上がる方向がずれていたり、盛り上がりに欠けたりした。しかし私が今回研究授業をした1年1組では本当にみんなを楽しませることができたと思う。生徒たちはもちろんのこと、私も研究授業だということを忘れて素直に楽しかったし、見に来てくださった先生方からも笑顔がこぼれていた。
 こうして研究授業無事終了。最後は全員で拍手で締めた。研究授業が終わって、やっと「今日で教育実習が終わるんだな。」という実感がわいてきて、少しづつ寂しくなってきた。
 掃除の時間、生徒がやってきて手紙を差し出した。「今すぐ見てください」と言う。何だろうと思ったらお別れ会の招待状だった。あとから聞いた話だが、実は生徒たちは道徳の時間にお別れ会を計画していたのだそうだ。しかし私が前日に授業を失敗させてしまったため、道徳の時間がつぶれる羽目になってしまった。そこで生徒たちは放課後にお別れ会をすることに決めたのだ。本当は行かなければならない部活を全員で休んで、である。その気持ちだけで十分すぎるくらいだった。とりあえず生徒には「本当にありがとう」とお礼を言った。そのときの私の思いはこんな言葉で伝えきれるものではなかったが、言葉が見つからなかった。
 そして放課後に生徒たちがお別れ会を開いてくれた。「私の知らないところでこんなに用意してくれていたんだ」と驚かされた。ゲームにプレゼント、教室のセッティング……きっと随分時間がかかったと思う。生徒たちはテスト前で忙しかっただろうに…。
 ちなみにプレゼントもわんさかもらえた。色紙を2枚、クラスで撮った写真と写真立て、タオル、手紙などなど。生徒がサービスしてくれて、ゲームの景品までくれた。でも優しくしてもらえばもらうほど、お別れするのが怖くなってきた。
 やがてプログラムは私からの挨拶に。私はまずお礼を言ってから、生徒一人一人にメッセージカードを配った。メッセージカードを受け取った生徒の中には泣き出す子も出てきた。別にメッセージカードに感動的な言葉を書いたわけでもなければ生徒泣かせな文句を書いたわけでもない。私が泣くならともかく生徒が泣くとは思わなかったのでまずそれに驚いた。そして生徒の泣き声を聞いていると、こちらまで泣きそうになった。

涙を拭いた私はなんとか花びらに込めた意味を説明した。泣き出す生徒が増えてしまった。
 最後は全員で写真を撮り、学級歌(「空に歌えば」)を円陣を組んで歌った。肩を組んでいるので、涙が拭けなくて困った。とにかく上を向いて歌っていた。
 こうしてお別れ会終了。生徒たちは元気よくクラスを出て行った。握手をしたり、お礼を言ったりして生徒を見送った。
しかし中にはクラスに残る生徒もいた。こんなに私のことを思ってくれることが信じられないくらいに嬉しかった。時間の許す限り話をしたり、握手したりして、名残を惜しみながら職員室に戻った。中には最後の最後のお別れといって、泣きながら職員室まで来てくれる子までいた。「生徒たちがそこまでしてくれるほど私は彼らに何かをしてあげることはできなかったのに…」とありがたいながらも不思議で申し訳ない気分だった。
 その後、やっと落ち着いて指導教官と話をした。今日の研究授業について「私がやって欲しかった授業をやってくれた。」と言ってもらった。その言葉だけで十分だった。中には婉曲的に否定的な意見を述べる先生もいらしたが、指導教官からその言葉をもらえたことで、嫌なことや辛かったことも吹き飛んだ。
 こうして3週間が終わった。大変なことや辛いことがこれほど多い3週間というのも珍しいが、それ以上にこんなに嬉しいことや楽しいことが多い3週間というのも珍しいと思う。実習を始める前は「実り多い3週間になるといいな」と思っていたが、終わってみると「実り多い」という言葉が安っぽく聞こえるほど、本当にたくさんのものを得ることができた。すべて私にとっては宝物である。
お別れ会の時にもらった生徒からの寄せ書きに「一生忘れません」という言葉をいくつも見つけた。私もこの3週間を一生忘れない。本当に素晴らしい3週間だった。





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最終更新日  2004年06月19日 20時49分38秒
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