ねこっぽ雑記

ねこっぽ雑記

2005年03月25日
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三月大歌舞伎



 最初の演目は「猿若江戸の初櫓」。中村座の創始者である初世中村(猿若)勘三郎を主人公とした舞踊で、猿若が勘太郎さん。出雲の阿国が福助さん。
 この演目の勘太郎さんがいいという前評判をずいぶん耳にしたので楽しみにしていたのですが、確かに好印象を受けました。今回の三月大歌舞伎で去年の八月以来実に七ヶ月ぶり(!)に勘太郎さんの舞台を拝見したのですが、以前拝見したときより立派な役者さんになっていて驚きました。すごく頼もしくなったなぁ、と。素直さとか純粋さといった良いところを残したまま大きくなったように感じました。
 そして踊りも表情もはっきりしているのが心地よかったです。朝一番からの全身運動で大変だろうなぁと思ったんですが、勘太郎さんの浮き気味なほどのテンションが舞台と客席を引っ張っていました。実際客席も1幕目にしてはテンションが高めだったように感じました。私がいたのが幕見席だったということもあるかもしれませんが。
 阿国は福助さん。本当は七之助さんが勤められるはずだったところを配役変更となったわけですが、やはり福助さんだけあっていい意味で派手めな阿国でした。多分七之助さんが阿国だったら、素直で素朴な分どこか華やかさには欠けたのではないかなと思うのです。もちろん七之助さんの阿国も観たかったなという気持ちもあります。
 それにしてもこの演目で面白かったのは衣装。色使いやデザイン、柄の位置が面白い衣装がわんさか登場しました。衣装を観ているだけでも十分楽しめる一幕でした。
 二幕目は「俊寛」。鬼界が島に流されていた俊寛・成経・康頼の3人が赦免されることになるが、成経の恋人千鳥の乗船を上使の一人である瀬尾太郎が拒絶したことから、俊寛は瀬尾を殺し、自分の代わりに千鳥を船へ乗せて一人島に残る、という物語。
 俊寛は幸四郎さん。なんていうか…とにかく幸四郎さんらしい俊寛でした。幸四郎さんのお芝居って気のなさそうな表情をするか思いっきり感情を昂ぶらせるかのどちらかだと思うんですが、この俊寛もまさにそんな感じ。さっきまで気のなさそうな表情をしていたのが急に「なにぃ~!?」という感じで興奮したりして観ていてびっくりしてしまうというか。
 どうしても自分の好みで比べてしまうんですが、私は今まで観た中では猿之助さんの俊寛が一番好きです。特に最後に一人取り残されてしまったときの表情が好き。あとは猿之助さんの俊寛はある精神状態に至ったということをその都度しっかり示してくれるのでメリハリがあるしわかりやすい。できることならもう一度観たいなぁ…と思います。

 段四郎さんの瀬尾は声が好き。声と台詞まわしで瀬尾の憎々しさが倍増しているようにも思います。でも瀬尾って確かに無慈悲は無慈悲ですけどあくまでも役目には忠実ですよね。ちょっと瀬尾がかわいそうに思えてしまいました。
 あとは今回の舞台の感想ではないのですが、先日原作の「平家女護島」を読んだんです。清盛の「あつち死に」と千鳥・あずまやの物語がつながっているかなり凄い内容でひぇ~と思ったんですが。で、「俊寛」の場面も読んだんですが、今さらながら歌舞伎の脚本は近松の原作に比べて随分歌いやすくなっているんだなということを感じました。
 三幕目は十八代目中村勘三郎襲名披露口上。なんだか今回の口上は短い人はそれなりに短いし長い人はひたすら長い、という印象が。あと私は田之助さんの口上をいつも楽しみにしているのですが、今回は田之助さんが一座に加わっておられないので聞くことができずちょっと残念。
 いちばん印象的だったのは…福助さんかな。勘三郎さんに対しても客席に対しても妙にフレンドリーな口上で観ていて面白かったです。あとびっくりしたのは扇雀さん。扇雀さんの地声ってめちゃくちゃさわやかなんですね!ノックアウトされてしまいました。もしあんな声の人から電話がかかってきたら一目惚れならぬ一聞惚れをしちゃいますよ、絶対。
 最後は「一条大蔵譚」。平家全盛の時代、平家にも源氏にも目をつけられないように作り阿呆を装う一条大蔵卿が、源氏に心を寄せる本心を明かすという物語です。
 一条大蔵卿役は勘三郎さん(ちなみに大河ドラマの「義経」では蛭子能収さん)。実は今回の勘三郎さんの大蔵卿役に関しては「良くない」という評をいくつか耳にしていまして、実際はどうなんだろうと思いつつ拝見したのです。といっても私は「一条大蔵譚」を観るのは今回が初めてなので、いいも悪いもわからないというのが正直なところ。ただ、夜の部の「近江源氏先陣館」の盛綱や「鰯売戀曳網」の猿源氏に比べて魅力の点では落ちるかなぁ…と思いました。大蔵卿を演じる勘三郎さん(特に後半)からはとても謙虚な印象を受けるのですが、その点どこか元気がないように見えるんです。私は今月の襲名披露演目の中では「盛綱陣屋」がピカイチだと思います。
 話は「一条大蔵譚」に戻って、襲名披露演目だけあって周りの配役も豪華。常盤御前は雀右衛門さん、吉岡鬼次郎は仁左衛門さん、鬼次郎の妻お京は玉三郎さん。雀右衛門さんの常盤はちょっとお疲れ気味に見えました。心配。仁左衛門さんの鬼次郎は目が効いていて格好いい。玉三郎さんのお京に関しては踊りが見られるのがすごくおいしいところ。「一条大蔵譚」の本筋を忘れてしばし玉三郎さんの踊りを楽しませていただきました。
 というわけで感想は以上。良かった~。昼夜とも観られたわ~。





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最終更新日  2005年03月25日 22時02分34秒
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Re:十八代目中村勘三郎襲名披露三月大歌舞伎昼の部(03/25)  
ねこの散歩  さん
お久しぶりです。
久々に歌舞伎が見たい気分になりました・・・
ところで、この写真うまく取れてますね。ご自分で撮ったのかしら?写真を見ただけで行きたくなる・・・ (2005年03月27日 04時39分40秒)

Re[1]:十八代目中村勘三郎襲名披露三月大歌舞伎昼の部(03/25)  
ねこっぽ  さん
ねこの散歩さん、こんにちは。うわぁ、お久しぶりです。お元気ですか?カキコ、どうもありがとうございます。
3~5月は勘三郎襲名披露公演ということで演目、配役ともになかなか豪華。連日盛り上がっているようです。海老蔵さんみたいに勘三郎襲名パリ公演、なんてやったら面白いと思うんですけど…実現しないかなぁ。
ところで↑の写真、撮影者はねこっぽです。携帯のカメラで撮りました。実は自分でも密かに気に入っている一枚です。 (2005年03月27日 12時49分42秒)

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