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奏山シリーズ2[H学園の七不思議]
名探偵奏山シリーズ2[H学園の七不思議]
夜9時。部活をしていた生徒ももうとっくに帰り、教師もほとんど帰っていた。
そんな中、本館1階の水井体育館の前に、彼はいた。飲み込めれそうになる闇の中で、彼は青白く光っていた。
そして、音も無く階段を登っていくと、暗闇の中へと消えていった――――
「おはよぉございます!」
今日も生徒会長である奏山は集会で声を張り上げる。今日は、ただの生徒集会ではない。奏山と同じ学年の生徒が昨日、交通事故で亡くなったのだ。
その生徒の名は、染井。生前は、特別有名な生徒でもなく、同じ組・部活の生徒は知っている、その他の生徒は名前だけ知っている、というごく普通の生徒だった。
染井のために、皆1分間の黙とうを捧げた。
生徒集会の後、奏山は染井のいたI組に向かった。彼の机の上には花瓶が置いてある。薄汚い教室の中で、それはあまりにも静かだった。
教室内は皆、突然の訃報に悲しみで溢れていた。奏山は染井の机に手を合わすと、I組を後にした。染井の机には花瓶が置いてあった。
そして1週間が過ぎた。奏山は、同じ学年で生徒会員の相山と共に花壇の水やりという生徒会の地味な仕事をこなしていた。
「なぁ、奏山。“H学園の七不思議”って知ってるか?」相山が言った。
「H学園の七不思議?そんなものあるのか?」奏山は聞き返した。
「それがあるんだってさ。俺も聞いた話だからよくわかんないけど、これ、マジらしいぜ。」
「そんな話信じられねーよ。どんな不思議なんだよ?」奏山は言った。
相山はその七つの不思議について詳しく述べた。
一、生物室で怪物がうめき声を上げながら彷徨っている。
二、印刷室で白くゆらめく生徒の霊が出る。
三、部室棟の裏で殺人鬼が暴れている。
四、誰もいないはずの図書室からラップ音が聞こえる。
五、G組の教室にH校の生徒に振られ自殺した女子生徒の霊が出る。
六、2階のトイレの個室から血の飛び散る音がする。
七、I組で染井の霊が誰かを呼んでいる声がする。
「まさか。染井君が亡くなったからそれに便乗した悪質な噂だろ。」奏山は言った。
「なら、いいんだけどね・・・」相山の表情は、どこか不安げだった。
「しかし、生徒会として真偽を確かめる必要があるな。」奏山は言った。
「悪質な噂は、ただ生徒を脅かすだけで終わるものではない。生徒会長・奏山が地獄の火の中に投げ込むものである!」と、相山が意味不明なことを言った。
「よし、生徒会として真偽を確かめに今夜、学校に忍び込むぞ!!」
その時、2人の前に『エースピッチャー』でお馴染みの芋澤が現れた。芋澤は真剣な表情で語った。
「俺は、染井と友達だった。もし・・・もしその噂が本当ならば、・・・・俺は染井に言いたいことがあるんだ。染井を鎮めさせることができるのは俺しかいない。だから、俺も参加させてはくれないか。頼む、この通りだ!」芋澤は深く頭を下げた。
「でも、これは生徒会の皮をかぶった肝試しだから一般生徒は参kdへg」相山に奏山がパンチをかました。
奏山は、芋澤は本気だと悟っていた。Realize!
「・・・よし、いいだろう。もし遊び気分ならソッコー帰す、いや、ふかして潰してハッシュド・ポテトにするからな。わかったか?」
芋澤は深く頷いた。
*
夜9時。校舎内には殆ど誰も残っていない。夜の学校というのは、ハンパなく怖い。あーやだやだ。
「おい、マジ怖えーんだけど。それに何?線香の匂いすんじゃん。ちょっとやめてよマジで。」
相山はビクビクである。
「線香は仕方ない。近くに墓地があるんだからな。」奏山が言った。
「ひょへええっ!!」相山はその巨体を3分の2に縮めている。
芋澤は終始無言である。
「まずは『生物室でうめき声をあげる怪物』だな。解剖された動物の霊が集まっているそうだ。」奏山が言った。
3人は校舎内に忍び込んだ。
「大体よぉ、こんな時間に幽霊出るわけねーじゃん。幽霊が出るのは戌の刻だ。いや、酉だったかな。鶏か?まぁいいや。」
奏山がそう言った時、何かが聞こえた。
・・・・ウウァ・・・ゴモ・・・ララライ、ララライ・・・ウグハァ・・・・ズモォン・・エウアログ・・・・・・
「ひ・・・あ・・・」相山は凍りついた。
「マジで聞こえたぞ・・・・」奏山も流石にビビッている。
「ってか、粉雪入ってねぇか?」芋澤は常に冷静である。
それは、低く、地の底まで響くような声だった。
「・・・行くか」奏山が言った。
「うへぇ!」相山はビビりまくっている。
「・・・お前は生徒会員だろ。そのことを忘れるなよ。」
奏山の一言に、相山はこくっ、と頷いた。
・・・・ゴモォ・・ォオシャ・・ン・・・・・ゴ・・ベラ・・ナナントォォン・・・ボォォンン・・・・ヘデブレイズゥゥン・・ヒャ・・・ネェヨォン・・・
3人は生物室の前に来た。確かに、声はこの中から聞こえる。
「やめようよ・・・・怖いよ・・・」
相山が言ったが、奏山は
「真相を確かめずに帰れるものか」と言った。
奏山は、目で合図した。
5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・のせ・・・
バァァァァン!!!
扉が勢い良く開く。そこには――――
モッチーこと、望棚(もちだな)がいた。唖然とする3人。
「ムムンハ・・・モティドゥキ、ノノン・・・モォ・・・フデバコォ、ナイナァ・・・」
望棚は、3人を見つけると、
「ンアァ、ナにやってんダ?」と聞いてきた。
いや、こっちが聞きてーよ!!!
3人は思ったが、言葉が出ない。
「モ、モッチー、・・・・な、なにやってんの?」奏山が、やっと聞いた。
「ンァァ、先週の理科Aでナ、オレのフデバコここに置いてッちマッタンダ。で、探してんだけド、無いなァー」
呻き声の正体がモッチーの独り言だと分かると、3人はさっさと出て行った。
*
3人は、出鼻をくじかれたので、なんとも微妙な気分になった。
まぁ望棚のフランケンシュタインみたいな面はそれなりにホラーではあったのだが。(これは本人には絶対禁句、である)
ともあれ、まだ謎は6つある。相山はやはり怯えている。
「さて、次は『印刷室に出る生徒の亡霊』だな。昔ここで生徒が首吊り自殺したそうだ。」奏山が言う。
「やだよォ・・・今度は視覚が伴ってんじゃん。ごまかせないだろ・・・」相山は怯(以下略)
3人は印刷室の前に来た。
「なんか空気違うな」芋澤が言った。
「ああ。他の所より明らかに空気が悪い」奏山が言った。
「・・・何か出そうだよ・・・・」相山が言う。そして、奏山が声をかける。
「いくぞ」
3、2、1、のせ!
キィィィ・・・
今度は扉をゆっくりと開けた。
そして3人は見た。見てしまった!
そこには、確かに白く揺らめく物体が浮かんでいた。
「・・・・!!!」相山は声が出ない。
「まじでか・・・」流石の芋澤も声が震えている。
その時、奏山は気付いた。
「・・・誰かいる!」
3人は目を凝らした。
そこにいたのは・・・
ブラックこと串山(くしやま)先生だ。よく見ると手には・・・?
タバコじゃねーかァァァァ!!!!
煙かよ!!!!
どうりで空気悪いワケだ!!!!
3人はメチャクチャ突っ込みたかったが、こんな時間に学校にいるのが先生にバレたらマズいので、思い止まった。
串山先生は超絶ヘビースモーカーで、帰ろうにも途中でタバコが吸いたくなる。
しかし、H学園のあるT区は歩きタバコは条例で罰せられるので、帰ろうにも帰れない、というわけだ。
「串山先生ぜってー長生きできねぇぞ・・・」
芋澤が吐き捨てるように言い、3人は印刷室を後にした。
*
「次は『部室棟の裏で暴れる殺人鬼』だな。昔、ある生徒が気に食わない奴をあの場所に呼び出しては殴り殺していたそうだ。」奏山が言ったが、
「どうせまた変なオチじゃねぇの?」芋澤が言う。そんなこと言うな。著者が悲しむ。
「・・・でも、安心はできねぇだろ」
3人は部室棟に向かった。そして、そっと裏を覗き込んだ。
「なんかいるぜ・・・」
月光に照らされる黒い影は、謎の動きをしている。その動きは、まるで人を殴っているような動きであった。
「はっ、はっ」と荒い息使いが聞こえる。
しかし、よく見るとそれは、野球部のブルペンでネットを相手に激しいトレーニングをしている迅藤先生だった。人を殴るように見えたのはピッチングフォームの確認を行っていたのだった。「野球部の顧問たるもの、自らが鍛えなくては…。顧問が今の大倉先生のままだと野球部のお先は真っ暗だ。はっ、はっ。次は素振り千回だ。」迅藤は何かぶつぶつつぶやいていた。
怖くもなかったし、大したことないオチだったので、3人は無言で立ち去った。
「家でやれよ」という台詞を残して。
彼は、闇の中をさ迷っていた。この場所は、ついこの間まで自分が友達とともに生活した場所だ。
しかし、今は自分1人である。彼は寂しそうに呟いた。
「・・・ぃ・・・・ゎ」
*
「次は『誰もいないはずの図書室からラップ音が聞こえる』だな」
さっきの迅藤先生を見て、皆緊張がほぐれているらしく、相山も今は震えていなかった。
3人は図書室に来た。そして、静かに扉を開ける。キィ、と扉は不気味な音を鳴らした。
図書室というのは一般的に幽霊の出やすい場所として有名である。暗い図書室は、3人の恐怖心を一気に煽った。
「音だけっていうのもやだよね・・・なんか、突然出てきそうでさ」相山はまた震え始めた。
その時、
カタ、カタカタ、キュッという音が図書室に響いた。
3人はいっきに凍りついた。
なんか、こう、ある意味期待を裏切るような展開でも、闇に包まれる学校というのはやはり恐ろしい。
音は準備室の方から聞こえる。
奏山を先頭にして、3人は準備室の窓を覗き込んだ。音の主は―――
カタ、キュッ、キュッ、と黙々とモップをかけるコンディーこと近田先生だった。近田先生は潔癖で有名なのである。
「誰もいない『はず』ってだけでいるじゃん!!」
「ラップ音っていうかモップ音だし!!!」
こうして、4つ目の謎は暴かれたのだった。
一部の読者は予想できているだろう。次の『G組の教室にH校の生徒に振られ自殺した女子生徒の霊が出る』というのは学園祭で女装して目覚めてしまった絃一が夜中にこっそり、というわけである。
で、筆者はこのことについて色々書こうとしたが、だんだん書いてて惨めになってきたので、省略する次第である。(絃一のモデルが筆者なんです。)
*
「はぁ・・・はぁ・・・今のやつはやばかったな。」奏山が言った。
「ああ・・・いろんな意味で最恐だったな・・・はぁ・・・はぁ・・・」芋澤の表情は引きつっていた。
「次は『2階のトイレの個室から血の飛び散る音がする』だね・・・」相山が言った。
「いや、なんかもうどうでもよくなってきた。帰ろうぜ。」と奏山。
「だめだ。まだ染井が残っている。」と芋澤。
「じゃあ、さっさと6つ目探そうぜ。」
2階のトイレに3人は来た。
「どうせまた・・・」奏山が言いかけたとき、確かに聞こえた。
ブシャッ、ドシャア!!!ブシャッ、ブシャッ!!!
グロテスクな音がトイレの中に響いている。三人は背筋が凍った。
「・・・・これは・・・マジな音じゃね?」相山が震えた声で言った。
「・・・・・」
奏山は無言で音のする方へ近づく。1番奥の個室からである。
ドブシャア、ブスッ!!ドシャッ!!!
無言の時間が過ぎていく。
その時、聞き覚えのある音楽が聞こえてきた。
「♪~~~~♪♪~」
(これは・・・・・)
「上手に焼けましたぁ~♪」
「モンスターハンターじゃねえかァァァァァァ!!!!!」
奏山はそう叫ぶと同時に扉を蹴破った。
中にいたのは太景と池上である。
「なンだよ、いいとこだったのに」太景が言う。
「オメェら、こんな時間までモンスターハンター・ポータブルやってんじゃねぇーよ!!!」
流石の芋澤もキレたようだ。
3人は容赦なく太景だけにパンチをかました。
「ちょ、なんでオレだけ?痛ってぇ!!ちょ・・・待っ・・・ああー!!PSPが便器にィィィ!!!!」
泣き崩れる太景をほっといて、3人は便所を後にした。
彼は、教室を見渡した。そこはかつてみんなと共に笑い、学んだ場所。しかし、今は自分しかいない。
「・・・ぃ・・・ゎ・・・」
彼は寂しげに呟いた。
「・・・芋澤」
「さあ、ついにここまで来たな」
「ああ。」
3人はI組の教室の前に来ていた。
「今度のは、今までとは違う。マジだ」芋澤が言った。
「いくぞ」
3人は静かに扉を開けた。当然だが、教室は真っ暗だ。
「・・・おい、あれ」
相山が震えながら指差した先には、染井の机があり、上には花が置いてある。さすがにこれは素で不気味である。
「・・・電気つけようぜ」
「・・・そうだな」
奏山がスイッチを押した。
「・・・!?」
「ちょっと、早くつけてよ」
「・・・つかねぇ」
「え!!?」
カチ、カチと何度も押すが、やはりつかない。
「うそ・・・ちょ、マジやめて」
「芋澤」
「何だ?」
「・・・?」
「おい、奏山、何だよ?」
「え、俺呼んでねぇぞ」
「じゃあ相山か?」
「いや、俺でもないよ」
「えっ・・・じゃあ・・・誰なんだよ?」
「芋澤」
3人は顔を見合わせた。血の気が引いていくのがわかった。
「・・・・逃げッ・・・」
相山が駆け出そうとした時、彼は現れた。
「芋澤」
3人は目の前の光景が信じられなかった。
3人の前に立っている、いや、浮いているのは、紛れもなく染井だったのだ────
「―――――ッ!!!」
3人は言葉を失った。マジだ。染井の霊が、マジでいる。
「・・・・芋澤ぁ・・・」染井が言った。
「・・・・フッ、染井が見えるたァ、俺らにもお迎えがきたってことか」芋澤が答えた。
「し、死にたくないぉ」と相山。
「そうじゃないよ。芋澤、あの時のこと、覚えてるか?俺との最後の会話を」染井が言った。
「・・・覚えてるよ」
「・・・何だ?何があったんだ?」奏山が尋ねた。
「喧嘩したんだよ」芋澤が語り出した。
「この前、マックで飯食ってたら、染井の奴、俺の彼女を馬鹿にしやがったんだ。イモの彼女なんざ所詮めしべだろってな。
まぁなんでもねぇ口喧嘩だったんだが、それがエスカレートしちまってな」
「お前、彼女いたのかよ」奏山が言った。
「たりめーだろ。ま、お前にはいないだろうがな」芋澤が言うと、奏山は声のトーンを上げて
「バッカヤロ、いるよ!!安部あいっつー可愛い娘が」と言った。そして、はっと我に返り、
「・・・で、喧嘩してどーなったんだ?」と聞いた。
「俺が・・・逆ギレしたんだ。コイツ、冗談通じねえ、ってね。で、別れ際、俺は芋澤に『死ね』って言ったんだ」
「そしたら、言った本人が駅前の信号で跳ねられて逝っちまったんだ」
芋澤は吐き捨てるように言った。
「・・・・・で、何なんだ、染井。化けモンになんかなりやがって。ひょっとして、俺を呪い殺そうってのか」
「違ッ・・・そんなんじゃない・・・・ただ・・・謝りたいんだ・・・!!俺は、お前に一言謝ろうと地縛霊にッ・・・!!」
「ハァ?そんなくだらねー理由で化けて、沢山の人ビビらせてたってのか。ハッ、とんだ迷惑だな」
「ちょっ、芋澤それは言いすぎじゃ・・・」奏山が口を挟んだが、芋澤は続けた。
「思えば、染井とは長ぇ付き合いだよな。同じ中学入って、公立だったから適度にはじけて、一緒に励まし合いながら受験勉強して、
この高校に入ったんだ。楽しかったぜ、あん時はよぉ・・・中坊だったから、殴り合いの喧嘩もしたよなァ。・・・だからよ、
俺は、そんな滅茶苦茶だけど楽しかったテメーとの思い出が気に入ってんだ。たとえ最後は綺麗に飾り付けられなかったとしても、
それまでテメェは十分綺麗に生きてきたじゃねえか。今更未練ったらしく現れるんじゃねえよ。とっとと消えろ」
沈黙の時間が流れた。そして、染井はうつむいた顔を上げ、言った。
「・・・・・わーったよ・・・そんなに言うなら消えてやる・・・」
染井の姿は徐々に薄くなっていった。
「・・・でもなあ、15年しか無かったけどこの人生・・・・お前に会えて良かったぞ、馬鈴薯野郎ッ!!!」
「・・・俺もだよ、クソヤロー・・・・・」
芋澤が答えた瞬間、教室が光った。あまりの眩しさに三人は気を失ってしまった。
「・・・・・!」
芋澤は眼を覚ました。奏山と相山はまだ気絶している。
「おいっ、お前ら、起きろ」
「うぅ・・・あれ、何で俺らここにいるんだ・・・?」奏山は眼を覚まし、言った。
「それは、お前染井の・・・」あれ、と芋澤は思った。
「染井の・・・・何?」
奏山はさっきの出来事を覚えていないようだ。そういえば、芋澤自身も、さっきの出来事は、寝起きにうっすらと覚えている夢のようで、
詳しくは思い出せなかった。
「夢・・・・?」芋澤は思った。
いや、そんなはずはない・・・しかし、その間にもさっきの出来事の記憶は更に薄くなってきていた。朝、見た夢が思い出せないように。
そうか、このままこの記憶は消えていくんだな、と芋澤は思った。
「おーい相山、起きろ!」奏山が相山を起こす。
「ん、・・・あれ、こんにきわ」相山は寝ぼけているようだ。奏山は腕時計を見た。
「ておーい!!夜中の2時じゃねーかァァ!!何やってたんだ俺たちはァ!!??」
「まずいな・・・警備員に見つかる前に帰らないと」芋澤が言った。
3人は廊下に出た。そしたら、とたんに警備員の川原に見つかった。奈良の引越しおばさんそっくりの警備員である。
「おぉーぉん!!? 空き巣!!!」川原は怒鳴った。
「ちっ、違いますよ!僕らは生徒会であの・・・」
「しゃしゃり出てきた!!!ばれんかったら!!!コソ泥!!盗撮!!っで夜な夜な見てんのか!!!」
「いや、だから・・・」
「亭主が逃げ隠れせんでもいいの!!!告発!!!あなたの裁判や!!!!」
「これ、通報するぞってことか・・・?」奏山が聞いた。
「たぶんそうだろ・・・」芋澤が言った。
「抗議しまーす!!!法的手段を取る!しっかり何回も聞くのよ!!聞いてなかったとは言わせないよ!!!」
「だから僕らは・・・」
「またしゃしゃり出てくるま~た!!!しばくぞ!!請求じゃねーよこのタコ!!裁判のことッ!!!」
「逃げるぞ」
3人は一気に駆け出した。
「逃げんじゃねーよこのタコ!!お天道様も!神様も!!仏様も見とるんやでー!!だぅーんわいば!!!」
川原警備員は布団叩き、もとい警棒を持って追いかけてきた。
3人は必死で逃げた。
・
・
・
「はぁっ、はぁっ・・・・・」
3人はなんとか川原警備員を振り切り、巣鳥駅前まで来た。
「じゃあ・・・はぁ・・・はぁ・・・また・・・明日・・・」奏山が言った。
「はッ、はッ・・・じゃあな・・・ってアレ?」芋澤が言った。
巣鳥駅の入り口には、シャッターが下りていた。
「終電――――――!!!!」シャイな芋澤らしくない悲鳴をあげた。
「ちょっ、どーするよコレ!!!」
「どうするって・・・・」奏山と相山は顔を見合わせた。
「俺ら、チャリ通だし・・・・・」
固まる芋澤。
「ッてめェーらだけ帰してたまるかァァァァァ!!!!」
芋澤の怒鳴り声が、深夜の巣鳥駅前に響き渡った。
<完>
注意:これは
自作小説
です。名探偵奏山シリーズは副社長BΘBとSonaが交互に書いていきます。スタートは副社長BΘBでございます。
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