今日も良いネタ入ってるよ!

実話調査編第八話





貯水タンクの上から僕が目にしたものは、あやさんの部屋に直接繋がるエアコンのパイプだった。エアコンとは通常、室内機と室外機に別かれており、それは冷媒管で繋がれている。内機と外機を繋ぐこの冷媒間は、エアコン使用時に出る水を家の外に出す為のドレンパイプと併せ、ビニール製のテープで巻かれて壁に空けられたこぶし大の穴から部屋の外へと渡されている。そのこぶし大の穴は、エアコンの取り付け工事を請け負った業者にもよるが、大体はパテの様な粘土質のもので塞がれている事が多い。機材を使う知識がある者ならば、もしかしたらこの穴を利用するかもしれないと瞬時に思った。

カツヤは壁の間に入り、パイプの付け根に目を向ける。僕は貯水タンクの上からカツヤが見易いように懐中電灯で照らしてやった。


「 ヒットです ! 」


カツヤは振り向き様に僕に降りてくるよう手で合図をしてきた。

まさかとは思ったが、大分手が込んでるな ・ ・ ・

僕はこの手の調査の経験があるのでエアコンの穴に気がつく事ができたが、一般人ではまず思いつきもしない手口である。ましてやこの穴を使うという事はそれなりの機材や、それに伴う知識を必要とし、しかもこれは列記とした犯罪でだ。


いったいどんな奴なんだろう ・ ・ ・

貯水タンクを降りながら妙な好奇心が沸いてしまった ・ ・ ・


壁の間は人が二人入るには少しきついスペースな為にカツヤと入れ替わり状態を確認する。

そこで僕が目にした物は、

まさにプロの仕事であるかのごとく、アンテナと思われる配線を僅かに出しただけで、あとは目にしてもそれが何なのか解らないほど巧妙に取り付けられていた無線カメラだった。

驚くのは壁に埋まっているパテの一部を取り除き、どうやったかパテの中をCCDカメラが通るよう細い穴を開け、家の中側に向けてカメラを設置し、電波を飛ばす発信機とカメラをうまい具合にパテに埋め込み、外側にはアンテナとなる一本の電線のみが出るように取り付けられていた。しかもエアコンから電源を供給するという、半永久的な無線カメラがそこには存在したのだ。

機材無しでこれを見つけたのは運が良かったのか悪かったのか ・ ・ ・

一番見つけたく無いものを見つけてしまい、非常に複雑な気持ちになった。

この場所はマンションの裏手となり人の目につかない場所である。しかしこのカメラを設置するにはどんなに手際が良くても数時間はかかるはずだ。しかもこの設置具合からして相手はかなりの経験者であると考えられる。新たな疑問が僕の中で浮かんだ。

本当にただのストーカーなのだろうか ・ ・ ・

ついていた機材を手早く外し、「後は明日にしよう」とカツヤに言い、今日は引き上げる事にした。僕は隣の駐車場へ出る事がどのくらい簡単な事かを確かめたく、もう一度金網を登ろうとした、っがフッとある3つの事に気がついた。それはこの無線カメラの電波を受信するのに最適な場所は裏手にある駐車場だと思われる事。そしてこれだけの機材を使い、家の中を監視できる状態にある輩が、何故わざわざ彼女の寝室の窓を叩き大きな声を上げて彼女を驚かせるようなことをしたのか?という事。そしてこのマンションの正面玄関から入ったエントランス内にある防犯カメラは本当にこのマンションの物なのか?っという事だ。

カツヤを呼び止め、車を正面玄関側の通りに回すよう指示を出し、僕は金網を登るのを止め、正面玄関のエントランス内にあった防犯カメラをもう一度見に行くことにした。

まさかとは思うがあの防犯カメラまで ・ ・ ・

そんな不安を抱きながら足早に駐輪場脇の入り口へと向かっていた。

つづく

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