クレドのにっき

クレドのにっき

紅茶を入れて楽しみましょう?1

最愛のひとが出来たら、
あなた どうする?
私はね ずっと一緒にいたいと思うわ。
私はね 死すらも二人をわかてないよう
長い長い 紅い縄で二人の小指を縛るのよ。

「ヒトミ博士」
私は振り返る。振り返ればそこには、私の最愛のひとがいる。
「リア」
短い金髪の幼い顔立ちが破顔する。大学を飛び級して、今年卒業し、彼はここに入社した。バイオテクノロジーの先端をゆく、この アンブレラ社 に。
「…ヒトミ、でいいわ。…誰もいないんだし」
私はそっと自分と同じくらいの彼の背に顔を埋めた。
「でも…」
いいかけて、リアはやめたようだった。かわりに、そっと手が背に回される。
「…ひとみ」
耳元で呟かれた声は、低く、そして切なかった。

 私は汎田 氷弔(はんだ ひとみ) 。小さい頃、父の仕事――彼も優秀な科学者だと聞いた。ただし、私はその時色々あって…今は昔とは違う名前で、違う姿でいるけれど――でずっとアメリカにいた。
レトルトをレンジに放り込んで生きる私の孤独な生活は、町とともに消えた。
そう。
ラクーンシティ。聞いたことがあるだろうか?
私はその…否、それはまだ伏せておこう。
私は父と母の研究を継ぐような形で、このアンブレラに入り、リアと出逢った。
今ならわかる。
紅茶の香ばしい香りがする。
私はベッドから目をあげた。
「はい。ひとみの好きなアールグレイ」
リアが紅茶を入れてくれる。
それを受け取る私は自然に笑顔になる。
今なら解るのよ。母さん。あなたの気持ち。
「ねぇリア…」
抱きつくと、シーツがとけて白い肢体が露になる。
「…?ひとみ?」
ねぇ、
リア。
私たち、いつまでこうしていられるかな。
結婚の約束したわね。
でも、でも、私こんなシルバーの指輪ひとつじゃ何も信じられない。
あなたが幾ら私を愛してるって、あなたが幾ら私を気絶するまで愛してくれても、
それでも、
いつまでもこんな風に愛し合えないと思うのよ。


あなたが眠って。
私はその少し幼い寝顔を見ている、
そっと、引き出しを開けた。
開錠のナンバーを四桁。
音もせずに、冷凍庫は開く。
綺麗な紫色の液体が、カプセルの中でたゆたっていた。
私は、そのカプセルを眺めていた。
あなたの寝顔を眺めて、決める。

愛しているわ、リア。

だから、私、
あなたに…
このGウィルスを注入して、
永遠にあなたを愛するわ。
どんな姿になっても…。

最愛のひとが出来たら、
あなた どうする?
私はね ずっと一緒にいたいと思うわ。
私はね 死すらも二人をわかてないよう
長い長い 紅い縄で二人の小指を縛るのよ。


TO BE COUNTINUED→2


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