澪は追ってきてくれた。
…八重がきたの?
そうね?あなたにとっては八重、ね
…八重がきた…。八重がきたんだ
そうよ。嬉しい?紗重。
嬉しいよ。だってずっと待ってたんだもん。
声は喜色を帯びた。
よかった、やっぱり八重はあたしのことを見捨てないでいてくれたんだ
そうね…じゃあいこうか、紗重
八重、可愛い格好してるね。
声は不思議そうに云った。
あたしもだけど…これは、なに?
そうね、普通の格好よ。
それより、早く実行に移しましょう。
うん、そうだね。
『あたし』も、足、痛いの?
あたしもね、身体弱くて走ったり、あんまりできなかったんだよ そう。…似てるのね。あたしたちは。
そうだね。
そうだよ。
今までいろんなひとがきたけど、八重はいなかった。
大体があたしに影響されてしんでるわ
そこは逢坂家だよ。
何か用あるの? さっきのハンドバッグの主がいるかなと思って。
ふうん…。
ねぇ澪。
ねぇ八重。
私たち双子だけど
ひとつひとつ別の心をもってる。
あたしは澪といずれ別れなきゃいけない。
『あたし』は、八重とひとつになりたい。
これは、『あたし』とあたしの共同の願い、唯一にして
至上の願いよ。
はなしたくない。
はなれたくない。
ねぇ澪。
ねぇ八重。
『ずっと一緒だよね
約束だよ、ね?』


