オチテイク…おちていく…
どんどん昏い場所へ。
おちていく…暗くて狭くて寒い場所へ…
生有る者よ、割目して見よ、あれが『うつろ』、何も亡き場所。
生有る者よ、怯えよ、たたえよ、敬え。そうあれが、天へも地へも
続く道。
生有る者よ、この地で暮らしていくならば捧げよ。
ひとつの魂をふたつの肉体に別けた者を捧げ、そしてこの『うつろ』を
満たすのだ。
悲しみと、哀しみと、後悔と、畏怖とで。
「厭です!あの子達を贄にするなんて!」
「聞き分けてくれ、紗矢。村の為なのだ。…頼む」
「厭です!!そんなことになるくらいなら――」
そんなことに、なるくらいなら。
幼い二人の赤子が眠っている。揺り篭は静かに彼女らをあやす。
そっと小刀を取り上げた。
これで心臓をひとつきするのだ。少しでも、くるしくないように。
「ご免ね…双子なんかじゃなければ。双子なんかじゃなければ!」


