クレドのにっき

クレドのにっき

零~零~

暮羽神社の後ろ。
流れている風。
「ここを通れば…出られる。この村から…」
何処かで声がした、

「何があっても、澪のこと、
 ゆるすから…」

地下への階段に足を踏み入れる、瞬間/反転する風景/ネガのような白黒の光景/落ちていく…

 ひとり。
彼女はひとりでかえってきた。
誰に何を訊かれても、ただ首を横に振るばかり。
鳥居も何も、道すら、なかった。



は、
またおねえちゃんをおきざりにした…。

暗い屋上。
ひとりで眺めるそら。
おねえちゃんは…



両手を広げて、彼女は五階の屋上から飛び降りた。

右足は切断の憂き目をみた。
義足は痛かったけれど、今でも巫女として祭られつづけているであろう姉の苦しみに比べたら、造作もなかった。
ひとつだけになった、お守りは今日もうつろに光る。
「…ごめんなさい」
病室で、謝る声が反響した。
「ごめんなさい…ごめんなさいごめんなさい」
ごめんなさい、おねえちゃん。
もう2度とおいていかないって約束したのに、私はおねえちゃんの言葉に甘えて、おきざりにした。
その償いは、もう償えない。
おねえちゃんは何処にいるのかすら、わからない。射影機は動かない。
私にできることはただ、謝りつづけるだけ。

ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…。



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