鍋・フライパンあれこれ美味
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クレドのにっき
そらと賛美歌。
そらと賛美歌
――あいつは、もう逃げたかな。
最初の集合地点に雑魚どもが溢れているだろう事はわかっていた。だけど、五飛はそちらへ向かった。
デューが逃げられるように。
鍛鉄の青龍刀は十何発か受けた所で脆くも崩れ去った。後は男たちが数に任せてやってきた。最初のうちは応戦も効いた。けれど、闇雲に撃たれた銃弾がわき腹にHIT。
「なあ、こいつどうする」
出血が酷い…
「東洋人て結構お綺麗な顔してんだよな。」
「なんだよ。じゃ、マワすか」
ひとりが、五飛の右肘を、瓦礫に乗せた。
「抵抗されるとムカつくし」
軍靴が、生理的に嫌悪する音を立てた。だらん、と右腕は垂れて、白い骨が肘からはみ出していた。
「ニンゲンて脆いよなー。お前みたいな餓鬼なら尚更だ」
「おいおい、ちょっとエグくねえ?」
「イイんだよ!どーせ遊んで殺るんだから」
もう一方。左肘も瓦礫に乗せられる。また折られる。反射的に五飛の身体はそれを避けようとした。
「この餓鬼!」
違う男が、五飛のタンクトップを破った。それから、ズボン…
「痛ェ思いしないとわかんねぇみたいだな!」
「おいおい何気に一番最初かよー」
――…い…フェイ、
「五飛!」
目の前にデューの顔があった。
きょとんとした顔。眠ってしまっていたらしい。
「うーちゃんは何がすき?オレはさーまー。育ち悪いから、何でもいいんだけど。今日はどうするよ?」
昨日、初めて抱いた。
身体は痛くないか、と恐る恐る聞くと、赤面した。
「…そりゃ、ちょっとは…でも、うーちゃんの所為じゃないから」
はにかむような。
それは、初めて見る微笑。今までは、違った。これは、デューが五飛の為だけに見せてくれている笑顔だ。…俺だけの笑顔、だ。
テントの外を指差して、
「火だけ起こして、スープは作ってあるよ。残り物の野菜だから、余り美味くはないかも。具は…うん、あんまり無い」
二人で外に出る。向かい合って座って、デューがスープを茶碗にすくってくれる。
それをすすりながら、…話題が…無い。
昨日、初夜でした。
今日はその朝です。
なんて気まずい…。
五飛が思っていると、つとデューが目を上げた。
斜め左の茂み。ひゅッ、と何かが空気を切った。同時、きゅっ!と悲鳴。
にやりと舌なめずりをしたデューの、その仕草にぞくりと背筋に官能が走った。
デューはさっと立ちあがり、茂みへ入った。戻ってきた時には、野ウサギの獲物。
「今日の昼メシはこれだね!」
ウサギの丁度延髄に、約10センチあるかないかという小ぶりのダガーが刺さっていた。それを抜くと、血しぶきがぶっ飛ぶ。それすらダガーで捌く。綺麗に分かたれた血の噴水は、地面に黒い染みを作った。手早く捌き、腸を取りだし、木の枝に刺して、火で炙る。
ウサギの丸焼きの出来あがり。
デューはダガーを腰の小さな鞘に仕舞った。黒いから、服の色と同調して全く気づかない。
――「おいっ、どうなんだよ、ええ?!」
揺すぶられて、右手がブラブラ。滑稽で笑いがこみ上げる。
「なに笑ってんだよ餓鬼!…ああ、でも、お前の中は結構イイぜ。コールガールよりゃマシだ」
身体がぼろぼろで、感覚がイカれてる。男が何かかけた。腹の上に濁った液体。
き た な い
「おい、口あけろよ。噛んだりすんなよな」
何かを突っ込まれて、息ができな…
「奥まで当たると、結構なもんだな」
吐き気がこみ上げた。吐き出そうとすると、胸の上に軍靴。
生理的に、厭な音。
ああ、あばらが肺に刺さったな…。
何かが喉の奥に向かって吐き出された。
「げほっ、げふ、…」
吐き出したら、地面に濁った液体と涎が零れた。
ばらけてしまった髪を捕まれて、頬を打たれた。
「何、餓鬼の分際で吐き出してやがる!のめよ!この!」
熱い、ものがこみ上げてきた。
「こいつ、血い吐いてやがる!もーやべぇんじゃねえの」
「いいじゃん。どうせアソビなんだし。」
男のひとりが、五飛の肩を撃った。衝撃で五飛は地面に叩きつけられる。
「…っ!」
痛みに、声も出ない。
「ほらな、死なない」
左肘の下に瓦礫を敷かれた。その上に、軍靴を乗せられて――生理的に厭な音。白い骨が飛び出して、可笑しな方向に腕が曲がった。
あはははははははははははははははははははははははははははは
下卑た笑い声、頭の中回って。
もう一方の肩。両の手のひら。右膝。左膝。
その繰り返し。
そして、嬲られる。
身体にかけられる精液。無理やり咥えさせられる男のもの。飲みこめる筈など無い。息もできないのに。吐けば叩かれる。撃たれる。こづかれる。
「お前ら!何してるっ」
五飛にはもう認識できなかったが、彼らの上官らしき若い士官が走ってきた。男たちは口々にやべっ、と云って悪餓鬼のように散った。
「…なんて…ことを。」
助かる筈も無かった。若い士官は顔をゆがめ、暫く逡巡した後、腰のホルスターから銃を取り出した。
「すまない。…でも、こうすることしか…僕にはできない。」
――ああ、どうせ殺されるならあの小さな小さなダガーが良かったよデュー。
あれで、俺の延髄をついて。
「…ん…」
探る手の中に、温もりより高い温度。
「ウーフェ…んん、」
上着を脱いだ彼のハイネックをめくり上げると、乳首が色づいていた。
そこを、口に含む。こういうやり方はあまり知らないけれど、少しでもデューが気持ち良くなってくれれば、と一生懸命だった。
「うん…そこ、きもち…いい」
素直に感想を述べてくれるから、気を遣ってくれているんじゃないかとも思う。
「ね…キスして」
唇を合わせ、離し、合わせる。舌を絡ませ、唾液を飲みこむ。唇を舌でなぞってくるデューは、やはり色事に慣れているように思えた。
と、彼の手がすっと下へ下がった。
「?」
「オレばっか、気持ち良くしてもらってるから。」
上目遣いに、ぺろりと舌を出してくるデュー。それだけで、もう何が出来るって云うんだ!
帯が解かれ、ズボンを脱がされる、下着の中から少し勃っているものを出される。
「…これ、はいるんだ」
ぽつりと呟いた言葉!お前、自分がどんなこと云っているのかわかっているのか!
デューの右手がそれにそうっと触れた。まるで、大切なものを扱うように。
線を人指し指でそっとなぞって。下から上へ。
「ねえ…五飛はひとりでやるとき、何を思ってやるの」
――――――――――――!!!!!!!????????
艶やかに眇められた夜の色の双眸が見ている。
「女のこと?戦のこと?それとも…オレのこと?」
ゆっくりと赤い舌が、自身の唇を舐める。
そして、亀頭の先端を舌の先で触った。
「――!!」
電撃が走ったような衝撃、否、快感?にい、と笑うデューの顔すら、その快感に拍車をかける、一度舌を口の中へ仕舞うと、今度は唾液を絡ませて、亀頭全部を含んだ。
ゆっくり、丹念に、舌の先で鈴口。舌の横で亀頭の横。舌の表面で裏筋。亀頭から流れる唾液は外気に触れて冷たくなる、それが睾丸の方へ流れて行く。デューはそれを目で追いながら、一度唇を離した。
「…きもちいい?」
いつのまにか息を詰めていたらしい。気づくとはあっ、と大きく息を吐いていた。
にっ、とデューは舌なめずり。
「――よね?五飛…」
名前を呼ぶ声だけが、甘かった。
それにまた、呼び起こされる感覚。デューは下へと舌を伸ばした。冷たくなっていた唾液に暖かいぬめりが加えられる。
「う…!」
性器自身をデューの右手でそっと握られる、中指の腹で鈴口を抉られるように触られた。
デューは左手で五飛の左足を持ち上げ、自分の左肩にかけた。
「お、おい」
五飛の声に、デューは笑みだけで答える。
内腿を這う、暖かな舌が、段々と茂みへと迫る。ゆっくり、睾丸の表面を舐め、それから、舌でゆっくり舐めまわし、唾液を絡ませて、睾丸を吸い込むようにする。
「~んん…うう、」
くすり、とデューが笑う。
「声、出てるよ、五飛?」
それに、気づいて、口を抑えようとしたけれど、強く性器をしごかれて、それは徒労に終わる。
「だめだめっ。オレだけ、声聞かせてるなんてズルいじゃん!ねえ、五飛の声もきかせて?」
甘い声で云われて、…ああもう、抑えられない。
内腿の茂みから、アナルを舌の先で触られる。
「…うん…、そ、そういうこと、いう、か?」
舌の先が割り込んできた。きもちいい、よりかは、わけのわからないものが入ってきた、その異物感に云いようの無い気持ち悪さを憶える。
「あ…ああ、」
まずい。なんか変な声を出してしまった。
デューの挑戦的な目が、ランタンの灯りの下で猫のように光る。
性器を扱く手は、緩急織り交ぜて、巧みに快感を煽って行く。
――ああ、もうだめだ、我慢できない。
白い液体は、デューの手のひらの中ではじけた。
はあはあ、と息をついているとデューがしなやかに五飛の身体の上へ覆い被さってきて、腹の上にかかった五飛の精液に舌を丹念に這わせた。
「お、おいっ何やって…」
赤面した五飛に、胸の上から掬い取った精液を指に絡めて、口をわざと大きくあけて舌で指の合間まで舐める。
「モッタイナイじゃん。…オレは男だから、五飛の子供を産むことは出来ない。この白い液体も、全部無駄になっちゃうんだ、」
だから、せめて舐めてやるのだと。
そう、彼は云った――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
パァン!
かばんの中に仕舞われていた封書を見つけた時、開けるか否か迷った。
少し逡巡して、開けることに決めた。
…表情を歪めて見せた少年。
うりふたつ。
Duo・Maxwell
ひとりでふたり
笑顔と無表情
冷酷さ
あれはデュオじゃない
あれはきっとそうじゃない
もうひとりのデュオだ。
いつものデュオが兄とすれば、あれはきっと弟。
俺が惹かれたのは弟の何処までも破綻的思考。
ナイフを出した時。
ひとを撃つ時。
いつも笑みを浮かべているのをやつは知っているのか?
兄はそんな笑みはしない。
何処かこわれた笑みだ。
死神でもない、なんでもない、ただの、いかれた殺人人形だ。
そんな所が、俺は果てしなく好きなんだ。
どこに行っても、どうなっても、俺はお前のことを、
「もうひとりのデュオ」を好きだから…。
涙が、こぼれていた。
もう何年も、出ていなかったのに。
ドウシテコボレテイルノ?
五飛、五飛、五飛…。
知っていたの。
オレが「デュー」だと云うこと。
知っていて、愛してくれたの?
お前は、オレを愛してくれたんだね。
「デュオ・マックスウェル」でなくて、「デュー」を。
こぎれいに畳まれたデューの上着。
大切にされていたのだろう。…返す気は…どうだったんだろうか。
否、返せなかったのだろうか。
あげるよ。あげる。
何でもあげる…だから
ああ、どうせ殺されるなら、あの小さな小さな
ダガーがよかったよ、デュオ。
「…デューは?」
薄暗い病院の廊下。
トールは暗い顔で、目を伏せた。「…仮死状態になってる。多分デュオ、きみなら…反応するかも知れない」
デュオは何も云わずに、病室に入っていった。
双眸は虚空。
半開きの唇は何もつむがない。
オレたちの間には、何にも代えがたい、絆がある。
意を決して、右手を彼の頬に触れる。
ああ、五飛、せめて、せめて、
オレがあの時、やさしくあやめてあげれば、
やさしくあやめてあげれば…
よかったのに。
TO,be...?
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