鍋・フライパンあれこれ美味
100万ポイント山分け!1日5回検索で1ポイントもらえる
>>
人気記事ランキング
ブログを作成
楽天市場
136669
ホーム
|
日記
|
プロフィール
【フォローする】
【ログイン】
クレドのにっき
神様のヒマ潰し(ヒルデ・デュオ)
神様のヒマ潰し
ぼうっと何処かを見つめている、コバルトブルーの瞳。
どこをみているの?
目の前で手を振ると、緩慢に目線を上げる。
「…あ、ヒルデ」
相変わらず、魂の抜けたような顔で笑った。
そんなことしても、あたしわかってる。
孤独な戦いを続けているあなたのこと。
…本当に?
食事の後、彼が口に放りこむカプセル。
青と白のそれは、なに?
「んー…これ?」
オレの神様、と云って笑った。
シートに書かれた名前。
ごめんね、知りたい。
インターネットで調べて見た。
「…向精神薬…?!」
またひとつ、あたしは彼の秘密を知る。
それが、…彼にとっても、あたしにとっても、破綻を早めるとしても。
全てを知らせてくれないひとだから。
苦しくて、せつなくて、この恋に夢中。
月の下で、首から下げた銀色の十字架を握り締めて、呟く弔いの言葉。
裏腹に、浮かべる薄笑い。
誰を、何を、弔うの?
その、死神の笑みで。
ガラクタ山の上で、零した涙。
「あー…なっさけねえ…」
掠れた声でつぶやいて、両手で目を覆う。
膝を抱えた肩は、震えていた。
孤独な戦いを続ける彼に、あたしが出来ること。
なんだろう…?
慰めること?
一緒に戦うこと?
わかんない…。
一緒に街へ出た。
帽子を目深にかぶると、ハッキリ云ってアヤシさ抜群なので、いっそ清々しく素顔さらしたら?と云ったら、
「……そーだねー」
なんて云って、普通の格好に着替えた。
ハイネックの白いセーターは、編みこみの模様。ちょっと長めのジーパンは深い青。瞳と同じいろ。
こうして見ると、デュオは容姿も結構いい。
…なんか、あたしなんかが横を歩いていいのかって思うくらい。
なんて悩んでいると、デュオはあたしの顔を覗きこんで、
「…スカートもいいねぇv」
なんてに、と笑った。
勿論、びんたをお見舞いした。
外へ出ると、もうコロニーは冬の初めで、膝丈のブーツを履いてきて良かったと心底思った。スカートはおしゃれの奮発。膝上10センチなんて、随分久しぶりに穿いた!寒い~とは思っても、おしゃれはやせ我慢!自分との戦い!
…であるからして、あたしは淡いオレンジのセーターと白いカーディガンに全てを託していた。
デュオは紺色のジャンパーを羽織っている。…あったかそうでいいなあ。
こうなると、おさげさえもあったか要素に思えてくる。
市場へ行くと、デュオは巧みな話術と笑顔で、どんどん値切って行く。あたしもまけじと頑張って、値切る。
「あらら~ヒルデさんもなかなかやりますことね!」
「そうね~デュオさんもなかなかやりますことね!」
こうしてあたしたちは市場を制覇し、カフェテラスで一服する。
オレンジペコと、シナモンティーを注文。
つと、風が吹いた、あたしはくしゃみをした。
肩に、暖かい感触。
デュオのジャンパー。
「寒いんでしょ?よく頑張りました☆」
頬に、柔らかい感触。
…ああ、やっぱりあたし、デュオが好き。
デュオは向いの席に座る。
あたしの微熱だけが上がっていく。
笑っていたデュオの瞳がそらされた。
先は、あたしの後ろ。
「伏せろっ!」
だぁん…
デュオが撃った。
なにが起こったのかわからない。でも、敵がいる。
デュオはテーブルをひっくり返し、盾にするけど、こんな安物、そうはもたない。
「…さん、し、ご…shit!こんな所で仕掛けてくるなんてそーとー安い奴らだぜ」
そうよ、一般人が沢山…
あたしの横で撃たれた女性が倒れた。
「あ…」
関係無いのに!
「fuck!ヘタクソ!…ヒルデ、ここにいろよ!」
云って、止めるひまもなく、デュオはテーブルから左でローリングした。
「おら!オレはここだ、よぉく狙え!」
でも、相手の弾はひとっつも彼に当たらない。右へ、左へ、ローリングして、避けながら、五秒でカタがついた。
銃をベルトに挟みこんで、店の奥で震えている店員に、怒鳴る。
「救急車!よんで!」
あたしの方へ走ってきて、「ヒルデ!…よかった、」
「デュオ!」
それから、倒れた女性を見る。彼女は意識は無さそうだが、うめいている。
「まだ助かる!救急車が来るまで…頑張れ!」
撃たれたのは右胸。肺…弾は貫通しているよう。デュオはセーターを脱いで、下に着ていたタンクトップの裾を破った。
とりあえず、止血する。
それから、女性の頬を軽く叩く。
「おねえさん!わかる?名前は?」
「……じゅ…ん…」
「ジュンさん!大丈夫、助かるからね、救急車来るまでもーちょっと頑張って!」
サイレンが聞こえてきて、あわただしく救護隊。
「このひと、名前は?!」
「ジュンだって!」
デュオは答えて、…そして彼女はストレッチャーに乗せられて行った。
ここも潮時なんだろうか――
デュオは天井をみながら考えていた。
何処に雇われたかはしんないけど、居場所が割れてる。
このままじゃあ…今回みたいに、知らないひとに被害が出る。
…ヒルデも狙われる。
ベッドにごろりと横になる。
「…」
目だけで見たのは、睡眠薬。
あたしは、彼の何をしっているというのだろう?
オフィスに、pi、と音。
デュオのパソコン…
席から静かに立ちあがり、画面を見た。
「メール…」
これを…見たら、彼の、何かが、また、ひとつ…知れる。
あたしの指は震えながら、エンターキーへとのびていく。
心臓が、ドキン、ドキン、ドキン、て鳴ってる。
デュオは寝てる筈…あたしひとり…
後ろから不意に腕が伸びてきて、パソコンの電源をおとした。
「だめだよ。ヒルデ…勝手にヒトのパソコンいじっちゃあ」
振り向けなかった。
「知らない方が、絶対に得。…ってことも、世の中たくさんある。ね?」
踏み込めない、踏み込ませない領域。
「でもっ…あたしは、」
振り返ると、瞳が間近。穏やかで、疲れた瞳だった。
「ごめんね。それでも、…オレはきみに知らせない。知られたくない。」
何を――
キスでふさがれた言葉。
ごめんと謝る彼。
部屋へと去って行く後姿が、…妙に淋しそうで。淋しそうで…。
なんで、あたしが泣くんだろう。そんな資格、きっと無いのに。
薬飲んで、自分誤魔化して、独りで泣いて、それでも戦うあなたが、…。
ぼうっとしている瞳。
何をかんがえているのか謎だらけ。
わからない…。
ホントは、余り笑わない、それだけが今あたしの知っている、彼の真実。
「ね、ヒルデは家族、いるの?」
唐突に発された言葉に、ちょっとびっくり。
だいぶ早い速度でキーを打ちながら、雑談?
「…いたらここにいると思う?」
キーを打つ音が止まった。
「…そーだね。ごめん。」
「戦争で死んだわ。このコロニーの内乱で」
「…そうなんだ。」
キーを打つ音が再開した。
あたしも画面を見ながらキーを打つ。
せめて、あたしのことくらいは知って。
「施設に居た時は最悪だった。あそこはハッキリ云って地獄ね。」
「あはは。何処の施設もそんなもんなんだ。オレのいた施設も地獄」
「それからしばらくしてコロニーの軍学校に入ったかな。」
「ふぅん…」
ちょっと気の無い返事。
キーを打つ音だけが室内に響いた。
「ヒルデは、ひと、殺したことある?」
「…ある」
「へぇ」
ちょっと驚いたような声。
「施設であたしをレイプしようとした職員をね。それで脱走しちゃった」
「せいとーぼーえーってやつね、うん。それは殺しても仕方ないなあ」
ちょっと、暗い笑い声だった。
…デュオも容姿がいいから、…あるのだろう、か。そういう、こと。
「オレはスラムにいたからねー。とりあえず、捨てた親には姿形には感謝したねえ」
デュオの少年時代(今でも十分少年だけど)…。
さぞ、可愛かっただろう。
「ヒルデー、目がイっちゃってるよー」
「えっ?!あらやだそんなことないわよ!」
目線がゆっくりと何かを追っている。
「なに、見てるの?」
ゆっくりと指差した。
「蝶々」
いつのまに迷い込んだのか、揚羽蝶がひらひらと室内を舞っていた。
「迷い込んで、出口わかんなくて、…すぐそこにあるのに。外は見えるのに…出られない。何かに似てる。」
先刻、食事をしたばかり。
…デュオは、薬を飲んだのだろうか。
「…逃がして、あげない、の?」
暗く笑った。
「きれいだから、…もう少しみてようかな」
椅子の背に顎を凭れさせて、目を閉じた。
「疲労ですね。…精神的なものでしょう。彼は、何か精神薬を飲んでいますか?」
若い医者は、眠ったままのデュオを診察してから、そう云った。
「…多分、飲んでます」
「そうでしょうね。…ここのところ、飲んでいないみたいだ。かかりつけの医者…とか、わかりますか?」
あたしは、…
「…わかりません。何処で薬を貰ってたのかも…」
ベッドの上で眠るデュオは、少し遅い呼吸を繰り返している。
医者は、
「とりあえず、鎮静剤を打ちましたから、二、三時間後くらいには目が覚めると思います。その時、薬のこと聞いてみてください。…ちょっと難しいかも知れませんが」
「え――?」
聴診器を外して、かばんに仕舞いながら、
「かなり、普通の精神状態では無いと思いますので」
結局、医者に頼み込んで、いてもらうことになった。
「これは…」
だいぶん前に調べた時のシートを取っておいて良かった。医者に見せると、彼は眉間にしわを寄せた。
「…重病患者が飲む薬ですよ、これは。よくこんなのを飲んで生活してられたものですね」
「そんなに、強い薬なんですか」
医者は紅茶を飲んで、
「あ、紅茶美味しいですね。…ええ、入院患者に出される薬です。主に強い躁鬱状態を抑える薬ですね。…彼の場合は鬱に効くように処方されているのかも知れません。」
「…ウツ…」
時折、見せる暗い表情。
「眠ってしまう、というのはですね、現実からの逃避なんです。ナルコレプシーというのを知っていますか?」
「いいえ…」
あたしは、空になった二つのカップに紅茶を注ぎながら答える。
「過眠症とも云いまして…不眠症の逆ですね。現実が辛いから、眠ることでそれから逃げようとする。」
「あ…」
強いひとだと思ってた。
そんなわけ、ない。
彼はまだ、15歳なのだ。
自分を死神と呼び、ひとを殺すことに躊躇しない。
その、現実――
がたん、とデュオの部屋で音がした。
「いたた…」
見ると、ベッドから落ちたらしい彼が、頭をさすっていた。
「デュオ、目が覚めたの?」
「……あ、そうか。オレ、またやっちゃったのか。」
ベッドにはいあがる彼は、ふらふらしている。
「ごめん。びっくりしたでしょ。センセー、鎮静剤打ってくれたの?」
「デュオくん、きみは精神薬を飲んでいるね?何処で処方してもらったんだい?」
デュオはあたしの方を見て、ため息をついた。
「なんかオレ、すっげえ悪いことしたみたい。…調剤師の免許持ってるから、自分で。かかりつけは、無い。最近すっかり忘れてて、処方するの忘れてました、ごめんなさい」
医者も、あたしも、唖然とした。
自分で処方?調剤師の免許?
謎だらけ…。
「とりあえず――」
すらすらと薬の名前を云うデュオに、呆れかえるあたし。医者はそれをメモして、電話をとった。
枕元に行くと、
「…やべ。またねむくなってきた…ヒルデ、ごめん…ちょっ…」
気絶するみたいに、眠る。
滲んできた涙を、ぬぐった。
でも、涙は止まらなかった。
なんで、あたしが泣いてるの。
わかんない…。
オフィスに行くと、窓際に何かが落ちていた。
「あ」
揚羽蝶…。
ぴくりとも動かない。
そっと拾い上げる。
「死神の目線で死んじゃったのかしら…」
そんなことを呟いてみる。
盛り上がった小さな土の山に、木の枝で作った十字架。
「しんじゃった?揚羽蝶」
振り返ると、デュオがいた。
パジャマに、素足。
「オレがみてると、しんじゃうよ。…ヒルデも?」
最後の言葉は、誰かへの呟き。揚羽蝶の墓の前にしゃがみこんで、少年は呟いた。
「やだな。」
その髪に、肩に、舞い落ちる、透明な塊。
「やだな。しんじゃ…やだなあ」
「死なない。」
後ろから抱きしめる。
「死なないよ…あたしは、死なない。」
「…」
声もあげずに、ただ涙だけが蝶々の墓を濡らして行く。
「あたしは、死なないから…」
雪の中、蝶々の墓の前で泣く少年。
それがホントの、デュオの姿――。
「また、独りで戦ってるのかしら」
あれから、何年か経った。
戦争は終わった。
だけど、あの雪の日、泣いていたデュオの顔が離れない。
自分の心を殺してまで、何かを守るために戦っていた彼。
まだ、好き。
苦しくて、切なくて、まだ、この恋に明け暮れてる。
彼があの朝、託してくれた銀の十字架。
待ってるから――あたしは、死なないから――だから、
ここへ、帰ってきていいんだよ。
ジャンル別一覧
出産・子育て
ファッション
美容・コスメ
健康・ダイエット
生活・インテリア
料理・食べ物
ドリンク・お酒
ペット
趣味・ゲーム
映画・TV
音楽
読書・コミック
旅行・海外情報
園芸
スポーツ
アウトドア・釣り
車・バイク
パソコン・家電
そのほか
すべてのジャンル
人気のクチコミテーマ
アニメ・コミック・ゲームにまつわる…
『To LOVEる―とらぶる― 短編集 Parad…
(2026-10-05 00:29:02)
GUNの世界
M586【 Power Custom 】ExHW 木グリ …
(2026-10-04 15:56:33)
美術館・展覧会・ギャラリー
六甲ミーツ・アート2026 六甲高…
(2026-10-04 19:37:33)
© Rakuten Group, Inc.
X
共有
Facebook
Twitter
Google +
LinkedIn
Email
Design
a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧
|
PC版を閲覧
人気ブログランキングへ
無料自動相互リンク
にほんブログ村 女磨き
LOHAS風なアイテム・グッズ
みんなが注目のトレンド情報とは・・・?
So-netトレンドブログ
Livedoor Blog a
Livedoor Blog b
Livedoor Blog c
楽天ブログ
JUGEMブログ
Excitブログ
Seesaaブログ
Seesaaブログ
Googleブログ
なにこれオシャレ?トレンドアイテム情報
みんなの通販市場
無料のオファーでコツコツ稼ぐ方法
無料オファーのアフィリエイトで稼げるASP
ホーム
Hsc
人気ブログランキングへ
その他
Share by: