クレドのにっき

クレドのにっき

巴、宣告す


(しかし話長いなー、ホントにトドメさす気あるのか?)
と、何やら情報を提供するからとハスタがルカを指名した。
槍が閃く、その瞬間、別の光が割って入り、どさ、と何かが倒れる音がする。
「話が長すぎちゃって疲れて手が滑っちゃった。まあいいよねコレ。どうせヤる気だったんでしょコレ。」
ルカを庇うように立ち、巴は仰向けに倒れたハスタに爪先で蹴りを入れた。
その額には、ミスリルアローが突き刺さっている。
「しかあし!死なないんだポン」
起き上がったハスタに、
「じゃあ全弾くれてやる」
さらりと言い捨て、同時に三本、放つ。
「あたらないーまーたねー」
「あー、こら待て」
やる気の無い口調で既に弓矢を仕舞い、ルカに向きなおる。
「ダメだよ、ルカ君。もう少しであいつの大逆転だったじゃないか」
リカルドは情報とやらが聞けなかったと嘆いたが、巴は肩をすくめた。
「武器を持った相手が?情報なら全員に聞かせればいい。なぜ一人だけ呼ぶ必要があるの?」
「あ…」
「リカルド、詰め甘いよねー、そんなんでホントに敏腕傭兵なの?それともこの世界の基準が甘いのか。甘いか。パンピーの僕が弓道で入って行ける世界だもの」
因みに、巴の弓の腕は世界ジュニア優勝。
大人を相手にしても、全く遜色無く、優勝者を負かした事も多々、ある。
「…ゴメン。僕がもっと気をつけてれば…」
ルカが憔悴しているのは、暑さだけではないだろう。
「ううん、いいよ。ルカ、これからは簡単に武器をしまっちゃダメだ。きみの大剣は抜くのに時間かかるんだから」
しかし、と巴が首をひねった。
「矢先に特製の毒を塗っといたのに…」
「どんな?」
尋ねたルカに、巴はにっこり。
「アスラも五分で殺せるやつ」

王都レグヌムにて。
リカルドの裏切りにより、一行は捕らえらえる。
(でも、リカルドもあんなどう見たってグリゴリってわかるの話してんじゃ甘ちゃんだなー)
「リカルド、てめえ!」
スパーダが食ってかかるが、それを巴がたしなめた。
「なんで止めんだ巴!こいつはオレ達を裏切ったんだぜ?!」
すう、と濃紺の瞳がすがめられる。
「…ーーオトナの事情、だよね。リカルド。」
たかが16のガキなのに、一瞬瞳に射抜かれた。
「バイバイ、リカルド。何をどうしても二度と僕はあなたを信用しない」
傭兵の代わりなんて幾らでも居るんだよ。
そう、静かに宣告されて、リカルドは船中で息をついた。
「じゃあ、どうすれば…?」



余り長いので切ります。
火山不思議。なんであんなダベってんの?
BGM/akeboshi:WIND

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