やっぱり本が好き♪

やっぱり本が好き♪

短編集 紹介

短編復活(小説すばる) 集英社文庫編
●回送電車  赤川次郎
タバコも酒もやらず疲れも知らない。そんな彼は深夜の電車で次々と懐かしく忘れられない人たちと偶然にも乗り合わせてゆく。その幸せを確かめるために目を閉じてみた彼。その次に彼は…。予想をくつがえす納得の赤川作品。
●角筈にて(浅田次郎)
自分を親戚に預けて姿を消した父。彼は父を忘れることができず迎えに来ると神事一途に勉強し大学も行き父のなりたかったというサラリーマンになる。そして部下には惜しまれつつも左遷されようとしている主人公。その出発の日白い背広にパナマ帽の懐かしい姿を見かける…。後半一つまた一つと明らかになる過去と心にしみる愛情物語。
●特別料理(綾辻行人)
文学部哲学科で研究室の助手をする僕は実はゲテモノ喰い。ひょんなことから「特別料理店」を紹介される。そんな趣味をお得意の言葉で芸術化し、妻も引き込んでゆく。そしてお得意様となった彼らはスペシャルメニューを紹介される。そのメニューとは…。ブラックもブラック。想像するだけ出ても震える作品。
●蛍ぶくろ(伊集院静)
令嬢からホームレスへと身を落とした兼子。そんな彼女の波乱の人生を振り返りつつ、今もいつまでも女である心の強さと、小さな幸せを思う悲しくも奔放な短編。
●岩(北方謙三)
オーナーの弱みを握り店を好き放題にして居座るバーテン。そんな彼を追い出すように依頼を受けた私立探偵の私。女をかけて泳ぎで勝負をつけようとするバーテンに私は…。短編に凝縮された北方流ハードボイルド。
●猫舐祭(椎名誠)
見世物小屋の立ち並ぶ猫舐祭。しかしその見世物は奇想天外最新的科学で作り出されたものばかり。おどろおどろしい物語。
●38階黄泉の国(篠田節子)
思い出の部屋で死して再会をする二人に待っていたのは、望んだはずの二人だけの無限の時、だったはずなのに…。一度は夢に描く再会を篠田さん流に書き上げた一編。
●プレーオフ(志水辰夫)
運動神経抜群の彼が金と女のために選んだ職業はプロゴルファー。ついた師匠に素質がないからと紹介された美女をとるか、夢のためにプロテストをとるか、悩みぬいた彼は…。最後にニヤリとしたくなる味な作品。
●苦労半官大変記(清水義範)
京の五条の橋の上、義経と弁慶は入れ替わっていた!新たな説でつづられる歴史短編小説。チンギスハーン説に次ぐ私の中でのヒット説かも。
●梅試合(高橋克彦)
梅を見ながら一句読みその句が勝ち抜くと賞金がもらえるという梅試合。この催しを考えた完四郎は七百石からの旗本の出。今は竹光を腰にさし、人のうわさで飯を食うという古本屋のいそうろう。そんな梅試合の中甘酒の樽に違和感を感じ…時代物小説。短い中にも魅力あふれる一作
●盛夏の毒(坂東眞砂子)
周囲の反対を押し切りスナックで働く魅力的な女性を妻にした農家の青年。農作業の仕事中に妻が蝮にかまれる。妻を助けようと走った先で聞いたのは妻の浮気。そして夫の取った行動は…
●超たぬき論(東野圭吾)
都会育ちの少年が田舎の蔵のなかで見たものは空飛ぶたぬき!?それについての研究を生涯の仕事とした彼…。すんごいゴーインなたぬき論。
●さよならキリハラさん(宮部みゆき)
さまざまな音に囲まれている現代。そんな音が自分の家の中のある時間だけ聞こえなくなったら…。一つ屋根の下のバラバラな家族、階差y、仕事。心に響く宮部さんならではの短編
●キャンパスの掟(群ようこ)
頭は悪いけどカッコいい付属上がり、頭はいいけどダサい受験組み。そんな二派に分かれている一流大学でのルールとは…
●いるか療法(山本文緒)
精神的なことから難聴になってしまった私。仕事もなく時々水族館へと足を運び出会ったものは…
●青の使者(唯川恵)
どうしようもない男とそんな男と離れられないどうしようもない女。男の好きな鯉を三匹飼っていた女はある日、青く美しい鯉を買って同じ水槽に放す。しかしその鯉はすぐに死んでしまい、残りの三匹も次々に浮かんでゆく…。

罪深きものに罰を  日本推理作家協会編 ミステリー傑作選42  日記2003-03-30掲載

乱歩賞作家 赤の謎  日記2004-05-11掲載


あなたと、どこかへ。  日記2005-07-15掲載

クリスマスストーリーズ  日記2005-12-27掲載

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