ここらでちょっと途中下車

ここらでちょっと途中下車

2007.03.06
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カテゴリ: 懐かしい昔のこと
今日は、朝からマンションの大家が空き巣をしていたニュースが流れていた。

「朝ズバッ!」では、みのさんが「大家が空き巣なんて考えられない!」と大きな声で叫んでいるが、実は私も同じような経験がある。

息子が生後6か月の夏、それまで住んでいた2Kのアパートから、2LDKの賃貸マンションに替わった。横に6軒ぐらい並んだ3階建ての1階部分。隣には、息子と数ヶ月違いの男の子がいる管理人さん夫婦が住んでいた。大家さんは、別のところに大きな邸宅を持つ市会議員で、保育所や老人ホームも経営していて、管理人はその弟一家だった。管理人の奥さんは、同じくらいの子どもがいることもあって、よく話しかけてくれた。でも、口先ばかり愛想よく、親切にしているが、目は笑っていない。本心は違うみたいで、あまり気持ちの感じられない人だなあと思っていた。

最初変だなと思ったのは、冷蔵庫の中のものから。
昨日買ったと思ったハムがない。ダンナに「食べた?」と聞いたら、食べてないという。どこへ行ったんだろう、確かに冷蔵庫へ入れたのになぁ。???という感じ。
数日したら、この間買った缶詰は?あれ?りんごもないよ、という具合。ダンナと二人で、「食べたん違うん」とか「買ってないんやろ」とか、言い合ったり。
そのうち、タンスの中の物もなくなっていることに気がついた。
まだ結婚してから2年くらいしかたっていなかったので、私のタンスの中にはまだ新品の下着も入れていたが、数枚なくなっている気がする。息子が生まれた時お祝いにもらった、ベビー服やよだれかけもなくなった物がある。

留守の間に誰かが入っているのかなと、ドアに小さな紙をはさんで、帰ってきたら落ちているのを見て、やっぱり誰かが入っているんだと確信して、その頃まだ元気だった父に、留守の家で見張ってもらったりしたが、誰が入っているのかわからなかった。

ある日、洗濯物を干していて、隣の管理人さんの洗濯物を見てびっくりした。外から見えにくい内側の方に、見覚えのある女性物の下着がある。ええっ!と思って、その日から、隣の洗濯物をチェックすると、お祝いにもらったよだれかけや、ベビー服も内側の方に干しているのを見つけた。ゴミ出しの日に、隣のゴミをチェックしたら、冷蔵庫からなくなった缶詰の空き缶なども見つけた。

お隣の奥さんだし、警察に言った方がいいのかどうかわからず、なくなった物を書いて、ダンナと二人、大家さんに現状を話しに行った。数日後、大家さんと管理人の旦那さんの両親、老夫婦が二人で謝りに来て、「嫁は、離縁しました」と言って、20万円分の商品券を置いていった。

「鍵を持ってる管理人が空き巣なんてひどすぎる。そんな少しの商品券もらったくらいですまさんと、もっと文句言って、家の頭金になるくらいの慰謝料を請求して、そのマンション出たら良かったのに」と言う人もいたが、私たちが言ったために、小さな子どもを置いて奥さんは追い出されたんだと思うと、なんかこちらが悪いことをしたような気になって、そこの子どももかわいそうに思った。

それから後は、何事もなく・・・

でも半年もたたないうちに、管理人さんには新しい奥さんが来て、マンションの横に大きな家をどーんと建ててそちらに移った。{ダンナさんが浮気していたから、奥さんがよその下着なんか盗んだのかな)と、すまないと思ったことを馬鹿らしく思った。

それから数年、こつこつ貯金して頭金を貯め、私たちもやっと小さなマイホームを手に入れた頃、それまで何度か行ったことがあるのに気付かなかったが、ある飲食店で、あの管理人の奥さんを見た。注文をとったり、テーブルを拭いたり、下働きみたいだったが、顔を見られてはまずいと、食べずにすぐ外へ出た。

それから、約二十数年後、
今から5年ほど前に、その飲食店にたまたま入った。
いつの間にか、その人、店の主人の奥さんになっていた。
そのお店はもともと夫婦でやっていたのに、もとの奥さんを追い出したのかな。






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最終更新日  2007.03.07 00:52:52
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