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今回は猫の話題。実際に猫と生活していると、猫の様々な病気が気になります。そんな中で特に怖いとされるのが、猫白血病ウィルス、猫伝染性腹膜炎ウィルス、そして猫免疫不全ウィルスという、3大ウィルスと呼ばれるものです。 中でも致死性の高い猫伝染性腹膜炎ウィルスなどは、かなり怖い存在ではあります。その3大ウィルスにおいて、実は猫免疫不全ウィルスだけは、それほど怖ろしい存在ではないという事は、あまり知られている事ではありません。免疫不全ウィルスという事で、猫エイズという言い方もされるこのウィルスは、伝染力も低く、致死性もかなり低いと言われます。人間のエイズと混同される事が、正確な理解を妨げているようです。 猫免疫不全ウィルスは、1987年カリフォルニア大学のペデルセン教授によって初めて報告されました。非対称型と言われるRNAウィルスで、人間には感染しません。感染力はそれほど強くなく、猫同士の喧嘩などによる傷口への唾液の侵入で感染します。感染すると体内でウィルスが増殖し、キャリアとなるのですが、その段階で発症するとは限りません。症状にはステージ1からステージ4までの4段階があり、末期のステージ4になって初めて猫エイズと呼ばれる状態になります。 それぞれのステージ間は、ゆっくりと移行するので、発症する事なく天寿を全うする事も珍しくはありません。人間のエイズと大きく異なる特徴として、猫免疫不全ウィルスは、既に何らかの抗体を得ていると、それが多いほどステージ間の移行がゆっくりと進むという傾向があります。気を付けなければいけない事は、ヘルペスウィルスなどの一部のウィルスへの感染によって、ステージ間の移行が早まる事と、過剰な医療へのアレルギーによって、ステージ間移行を急速に加速してしまう事です。猫は本来、強力な免疫力を持ち、アレルギーも起こしやすい性質を持っています。ウィルスへの感染が判ってから、治療と称して不必要な薬剤の投与やワクチンの摂取が行われ、それによるアレルギーも少なくはありません。病気を正しく理解して、騒がず落ち着いて対処する事が大切です。
2005年01月31日
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アップルパイ好きの私は、リンゴが旬を迎え店頭に並び始めると、何となく嬉しくなってしまいます。面倒なのでアップルパイは作りませんが、色合いや形、艶や重さを見て、気に入った物を購入します。くるくると回転させて皮を剥くのが苦手なので、切り分けてから皮を剥くのですが、まず半分に切った際に中心部に「蜜」が入っているのを見つけると、特に美味しい物に出会ったようで得した気分になれます。 リンゴの種がある中心付近に、回りとは明らかに違う透明な果肉が蜜と呼ばれる物です。蜂蜜のような色合いゆえにリンゴの蜜と呼ばれるのですが、その部分だけを切り出して味をみても、別段甘味は強くありません。この蜜とは、いったい何なのでしょうか? 正体は糖分の一種ソルビトールです。リンゴは葉に受けた日光によって光合成を行います。光合成によって作られたデンプンは、さまざまな糖に変化し、果実に運ばれて蓄えられます。完熟期が近付いたリンゴの果実では、運び込まれた糖が飽和状態となり、余分な糖が水や養分を運ぶ維管束から溢れ、細胞と細胞の隙間に溜って、独特な透明感を出してくれます。これが蜜と呼ばれるものです。 蜜自体にはそれほど甘味はありませんので、味に直接の影響はありませんが、溢れるほどの糖分が素になっているだけに、蜜が入っているリンゴは美味しい可能性が高いと言う事ができます。品種によっても入りやすいものがあり、「ふじ」は比較的蜜が入っている可能性が高い品種です。また、袋を被せず日光に良く当てた方が蜜ができやすいので、色が鮮やかなリンゴはその可能性が高く、養分が溢れるほど注ぎ込まれている事も重要なので、重量もずっしりとしている方が良いようです。収穫後1~2ヶ月で消えてしまうので、あまり長く保存しない事も大切になっています。
2005年01月30日
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食べ物の甘味を素材本来の味以上にしたい場合、砂糖をはじめとする甘味料が用いられます。中には砂糖と比べ、数十倍や中には数百倍という物まで存在しています。素材としての単価が砂糖と同じであれば、使用量が少なくて済む事から、コストを大幅に下げる事ができたり、微量で済む事からカロリーを抑えたりという使い方ができます。 戦後まもなく、南方からの輸入が途絶えていた事から、砂糖の値段が高騰し、工業原料としては、ほとんど使えない状態になった事があります。そんな時代背景の中、代替甘味料はシェアを伸ばし、一般的に見られるようになりました。当時使われていたものとしては、サッカリンやチクロ(サイクラミン酸ナトリウム)がよく知られています。 サッカリンは、世界初の人工甘味料であり、現在も使用されています。何よりコストが低いのが魅力で、砂糖が入手困難な頃は、貴重な甘味を付ける添加物という一面もありましたが、ほとんどは製造原価を下げる目的で使用されていました。砂糖の300~400倍という甘さだけでも、大幅なコスト削減が望めそうな感じがします。一時、発ガン性が指摘され、使用禁止になった事もありますが、その後使用が認められ、現在も用途を限定する形で使用されています。 一方、チクロは、人工の甘味料の中では、最も砂糖に近い味という事で、原料として優れた一面は持っていたのですが、やはり毒性が指摘され、現在も使用が禁止されています。価格はサッカリンよりも高価で、甘味自体も砂糖の40倍程度ですが、後味がさっぱりしていて、いまだに当時の味を覚えていて、懐かしむ人も多いと言われています。このチクロ、最近になって話題に上る事が増えてきました。国内では使用が禁止されていますが、いまだに使用できる国はたくさんあり、製造を国外に委託した際、原料として指定していたアスパルテームが高価である事から、現場の判断でチクロに変更され、国内へ入ってくる事があります。チクロ自体の毒性は、それほど大きくはないとする説もあります。突然回収という話題で出てきますが、食べてしまっていたからといって、それほど不安になる必要はなさそうです。
2005年01月27日
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寄生虫、非常に嫌な響きだと思うのですが、それでもファンやマニアが多いという事に、価値観というものの多様性を感じてしまいます。寄生虫とは、文字通り寄生して生存活動を行うものですが、似たような生活形態に共生というものもあります。 寄生とは、生物同士が一方の利益のみしか利益を受けないのに、密接な関係をもって生活するもので、典型的な例としてはギョウチュウやサナダムシではないでしょうか。しかし、最近判ってきた事では、腸内に寄生虫がいる事で、免疫の異常が抑えられ、アレルギーの症状が緩和される事が示唆されてきています。腸内に生息して、一方的に栄養を奪っていると考えられていた寄生虫は、腸内で免疫を整えるという利益をもたらしていたとも考えられます。 それに対し共生とは、生物同士が密接な関係を持ち、どちらも損害を受けないものと定義され、アリとアブラムシの例がよく引用されます。この長らく共生の典型例とされてきたアリとアブラムシですが、実は考えられてきたような関係ではなく、アリがアブラムシのお尻を仲間の頭と勘違いし、挨拶として触角で軽く叩き、それを攻撃と思ったアブラムシが反撃のために蹴飛ばそうとして出す後足を、アリは挨拶を返してくれたと勘違いして攻撃を行わないという事が判ってきました。さらにアブラムシが攻撃を免れるために体液を出し、それをアリが挨拶の一環と考える事が、いかにも共生しているように見られていたようです。 小さな生物の世界は、解っているようで正確な理解が行われていない事が多く、新たに解明される情報に驚かされる事も多々あります。特にさまざまな生物が種を超えて共に生息する環境には、見た目による思い込みも多い事と思います。小さな生物たちからもたらされる大きな驚きに、これからも期待したいと考えています。
2005年01月26日
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