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2005年04月13日
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 昨年開かれた米国糖尿病学会(ADA)の年次総会において、2型糖尿病に有効とされる新たなタイプの薬剤「exenatide」の臨床試験成績が発表されていました。この新しい薬剤には、これまでの糖尿病治療薬のような体重増加を伴わずに血糖値をコントロールできる可能性が示唆されています。

 このexenatideは、エキセンディン-4と呼ばれるホルモンを合成したもので、エキセンディン-4は消化管で分泌され、膵臓のベータ細胞に直接作用してインシュリンの産生を促すヒトGLP-1ホルモンに酷似した作用を持つほか、インシュリンや他の経口糖尿病治療薬に見られるような治療後の低血糖を引き起こす心配がないとされます。また、別な作用として食欲を抑制する働きもあるとされ、実現化すれば安全性が高く、有効な新薬として考える事ができます。

 既に一般的な経口糖尿病治療薬メトフォルミンの最大用量でもコントロールできない2型糖尿病患者336名を対象に、30週間にわたりexenatide5mg、10mg、偽薬を投与する3グループに分けて臨床試験が行われました。その結果、両用量のexenatideの投与グループで、血糖値の降下が見られ、体重も1.5~3kg程度の低下が見られ、ベータ細胞の機能指標も改善が確認されています。その間、確認された最も一般的な副作用は、軽度から中度の吐き気のみだったと言われます。

 製造メーカーの臨床問題責任者でもあるデニス・キム博士によると、この新薬の発売は、年内にも予定されているとの事です。現段階では、2型糖尿病による経時的なベータ細胞の消失を抑制する効果については、確認されていないとしていますが、動物実験の段階では、投与時に新たなベータ細胞の産生が報告されているだけに、今後が楽しみな新薬だと思います。この新薬の元となった「エキセンディン-4」、由来は米国南西部に生息する大型の毒トカゲ、ヒーラモンスターの唾液中に含まれていた物と言います。飽く事のない探究心には頭が下がるというか、如何なる発想の下にと不思議さが漂う新薬の開発です。





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最終更新日  2005年04月13日 07時42分32秒
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