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2005年09月21日
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 室内で空気清浄機やエアコンなどを使っていると、いつの間にかインフルエンザウィルスが無効化されて、風邪の予防ができているとしたら、これからインフルエンザが流行する時期に近付いていき、怖い新型インフルエンザの流行も懸念されている中では、なんともありがたい話です。そんな夢のような事が実現化されようとしています。県立広島大学生命環境学部の宇田泰三教授(生物工学)をはじめとする研究チームによって、世界で初めて人工的に作り出された「抗体酵素」を用いれば、将来的にウィルスを撃退する家電製品の開発が可能となります。

 インフルエンザウィルスは、「HA(ヘマグルチニン)」というウィルスの表面にあるタンパク質を使って人の細胞に結合します。増殖には「NA(ノイラミンダーゼ)」という別のタンパク質を用い、1日で100万倍もの数に増殖しています。HAタンパク質はタンパク質の性質を決める塩基配列を頻繁に変更するために、毎年新しいタイプのインフルエンザが生まれ、流行しています。

 宇田教授らは、多くの犠牲者を出し、大流行したスペイン風邪などのウィルスが、頻繁に変化させるHAの中に変化しないアミノ酸配列を持つ事を発見し、その配列を狙って破壊すればウィルスそのものを無力化できると考えました。マウスに変化しないアミノ酸配列を持つ化学物質を注射し、できた6種類の抗体からタンパク質を分解する働きmの兼ねた2種類の抗体酵素を発見しました。

 今回作り出した抗体酵素は、過去に流行したスペイン風邪にソ連A型、アジア風邪を無効化する事が確認され、50万分の1gの抗体酵素を1ccのインフルエンザウィルスに混ぜたところ、10時間で数億個のウィルスHAを無力化し、結合機能を失わせたそうです。これまでのインフルエンザ治療薬は、感染の拡大は防げましたが感染そのものは防げませんでした。今回の抗体酵素の研究が進めば、感染・拡大の双方に対し有効な治療薬となりえます。今後の研究に期待したいと思っています。





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最終更新日  2005年09月24日 08時09分22秒
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