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2005年11月08日
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カテゴリ: 長寿
 早期定年を迎え、家族と悠々自適、趣味に没頭する時間を過ごし、余生を楽しむ。長寿のためには理想的な生活スタイルではないでしょうか。それまでが仕事に追われ、ストレスに囲まれて生きてきたので、早めにそんな環境から抜け出す。確かに精神衛生上もその方がよく、確実に長生きに繋がりそうな気がします。ところが必ずしもそうではない事が明らかになってきています。仕事や職場から受けるストレスが極度のものでなければ、仕事を続けた方がその後のリスクを下げられるというのです。

 英国の医学誌、ブリティッシュメディカルジャーナル10月号に掲載された研究レポートによると、55歳で退職すると、その後10年間に死亡するリスクが65歳で退職した人に比べ、有意に高い事が明らかにされています。報告者であるシェルオイル社の健康サービス部門のツァイ氏によると、1973~2003年までに同社を退職した元従業員3500名を対象に評価したところ、60歳、もしくは65歳で退職した人の死亡率は高くない事が判ったそうです。一般的に考えられてきた退職がもたらす肉体的、精神的有益性からは逆の結論となります。

 この結果に対し、早期退職者は退職を早期に切り上げるに至る健康上の理由を抱えている人が多い、という見解も出されています。米国の国立加齢研究所疫学、人口統計学、生物統計学部長のグラルニック博士もこの見解に同意し、早期退職者のようなグループには、健康上の理由により退職する人が相当いる点を考慮すべきと述べています。確かに55歳という年齢は、まだまだ現役という色合いも濃く、退職に至るにはそれなりの理由があるのかもしれません。

 それに対しツァイ氏は、そのような健康上の影響を取り除かなくても、65歳時退職者は55歳時退職者に比べ、生存率が有意に高かったとしています。また、カナダの「活力ある高齢化に関する国際評議会」の最高責任者であるミルナー氏によると、健康上の問題が生存期間に及ぼす影響は避ける事ができないとした上で、退職時に仕事の重要性を過小評価している人が多い点を指摘し、退職後に新たに何かを始める人は生活を楽しみ、健康も維持できる事から、退職後の生活を活気あるものにする事が大切としています。長寿で知られた沖縄、南西諸島のお年寄りを見ていると、高齢にも関わらず家族の中でしっかりと役割と責任を持って、生涯現役というライフスタイルに気付かされます。やはり人生の質を高める事、適度なプレッシャーを持つ事は長寿の秘訣なのでしょうか。





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最終更新日  2005年11月08日 07時44分12秒
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