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2014年02月24日
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カテゴリ: 食事
 自生していた小麦の粒を地面に蒔いておくと、次の年も同じように小麦が得られる事に気付いて以降、人類は小麦の栽培を行うようになり、自然な交雑や品種の淘汰によって、より栽培や収穫、食用に適した小麦が作られるようになり、栽培地域の拡大や農法の発達によって人類にとって最も重要な穀物の一つとなり、多くの地域で食文化の中心的存在となっています。

 長い栽培の歴史を持ち、その間に膨大な量が食べられてきながら生活習慣病を引き起こした事例は見られず、小麦が多くの生活習慣病の原因となり得るという説には違和感を覚えずにはいられません。しかし、人類と共に過ごした長い歴史を持つと思っていた小麦には、近年になってある変化が加えられており、その変化が小麦を有害な物へと変えてしまったと否定派の人たちは主張しています。

 小麦が変化する源流は、今から200年ほど前のある経済学者の一言から始まったという事ができます。イギリスの経済学者トマス・ロバート・マルサスは、世界の人口が食料の栽培能力を追い越してしまう日がそう遠くない事を予測しています。

 それに対しアメリカの能楽博士、ノーマン・ボーローグは高い収量を持つ品種を開発し、農業技術の改善を行って穀物の大幅な増産を行い、「緑の革命」と呼ばれた農業改革によってメキシコでは3倍の生産量を達成するなど大きな成果を上げています。

 小麦などの穀物は収量を増やそうとすると穂の重量が増してしまい、倒れてしまって収穫できなくなるリスクを持っています。ボーローグ博士は小麦農林10号を親にする事で背が低く、茎が丈夫な小麦を作る事に成功し、数億人もの人を食料危機から救ったとされます。ボーローグ博士の小麦は「奇跡の麦」と呼ばれ、同じような手法を用いた米などの奇跡の品種の開発が相次ぎ、世界規模での緑の革命が起こっています。その功績によってボーローグ博士は、1970年にノーベル平和賞を受賞しています。

 否定派によると奇跡の小麦は突然変異によって生まれたとも、遺伝子操作によって作り出されたともいわれ、そのために小麦に取って重要な成分であるグルテンに変化が起きており、特にグルテンの元となるグリアジンがそれまで人類が接してきた小麦のものとは大きく変化してしまっているとされます。

 変化したグリアジンは血糖値を急激に上昇させる働きを持ち、それが小麦を食べた後のインシュリンの分泌や血糖値を下げるための糖分の行く先である脂肪細胞の成長といった弊害に繋がり、生活習慣病を助長していると考えられています。

 また、奇跡の小麦は多量の肥料を与えても小麦の丈が高くならず、倒れないという特徴がある事から、収量を少しでも多くするために肥料を与え過ぎてしまう事も問題視されており、生産量が飛躍的に向上した事で価格が下がり、より多くの小麦が消費されるようになった事も問題を深刻化したと考える事もできます。

 糖質を制限するダイエットが流行し、昔のような主食を多く、おかずを少なくといった食事が評価されなくなってきている中に出てきた小麦有害論。納得させられるものを感じつつも、小麦を食べないという食生活は実現不可能と思えるほど困難なものとなるのではと思えてきます。





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最終更新日  2014年02月24日 08時03分28秒
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