健康コラム

健康コラム

PR

プロフィール

ニンタマ博士

ニンタマ博士

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2014年02月27日
XML
カテゴリ: 食事
 酒としょうゆを合わせた物に少量のごま油、山盛りの生姜を添える...。大好きな池波正太郎の時代小説、「剣客商売」に登場する主人公、秋山小兵衛のお気に入りの豆腐の食べ方として記載されています。

 小兵衛は豆腐が大好物という設定で、月に豆腐代として三両も使ったとされるので、かなりの量を食べていた事が伺えます。一両は一人が食べる主食の米、一年分の価値である事や、そばの値段を元に現在の価値に換算すると13万円に当たるとされる事から、かなり高級な豆腐をたくさん食べたのではとも思えてきます。

 それだけ豆腐が大好きな主人公のお気に入りの食べ方とあっては、真似をしてみなければと試した事もあるのですが、なかなか加減が難しく、ごま油が少しでも多いと香りが強過ぎ、しょうゆや酒のバランスも微妙となってしまいます。

 主人公の妻、お春は料理上手な設定なのですが、そのお春も小兵衛の好みに合わせるにはそれなりの時間が掛かったようなので、一朝一夕にできるものではないのかと思ったりもします。

 日本人と豆腐との関わりは非常に深く、豆腐の食べ方も非常に多くのバリエーションを見る事ができます。最も単純な料理のように思える冷奴でさえも、味付けに使われるタレの調合や薬味などにさまざまな変化が見られ、好みが分かれる事となっています。

 そうした豆腐に関する専門書として最古の物とされているのが、江戸時代に書かれた「豆腐百珍」で、豆腐に関する料理が文字通り100種類登場しています。

 豆腐を使った料理が100種類というだけで大変な事と思えるのですが、豆腐百珍には続編があり、「豆腐百珍続編」と「豆腐百珍余禄」が翌年とその2年後に書かれています。

 版元とされる大阪高麗橋の春星堂藤屋善七なる人物については謎とされていますが、豆腐百珍の100種類に合せ豆腐百珍続編でも100種類、豆腐百珍続編の付録に38種類、豆腐百珍余禄に40種類の豆腐料理が記載されている事から、かなり博識の人物であったと思われます。

 また、登場する豆腐料理は、どこの家庭でも普通に作られている「尋常品」や食通でなければ知らない「通品」、尋常品の中でも優れた料理の「佳品」、意表を突いた驚くような料理の「奇品」、奇品の類でありながら料理としても優れている「妙品」、豆腐の美味しさを活かし切った最高クラスの料理である「絶品」に分けられていて、料理のランク付けとしても見る楽しみがあります。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2014年02月27日 07時48分27秒
コメントを書く
[食事] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

カレンダー

コメント新着

舟橋美江@ Re:外国ライス(3)(06/07) ここで書かれていた「クスノキ屋」は、私…

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: