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2014年08月01日
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カテゴリ: 食事
 デンプンはぶどう糖がたくさん連なった形で構成されている事から、αアミラーゼという分解酵素を加えて加水分解すると、デンプンからぶどう糖を得る事ができます。液化と呼ばれる工程で得られたぶどう糖は、グルコアミラーゼという酵素によって糖化の工程が行われてさらに細かい状態になり、グルコースイソメラーゼによって異性化が行われて果糖へと分解されていきます。

 そうして得られる異性化糖のうち果糖の比率が高い物が果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖の比率が高い物がぶどう糖果糖液糖と呼ばれています。同じ液糖の中に共存している事や素は同じデンプンである事などから、似たような物と思えてくるのですが、体内での動きをみていると両者は全く別の経路を辿る事が判ります。

 ぶどう糖は体内に入ると小腸から吸収されて血液中に入り、全身を巡りながら細胞へ運ばれてエネルギーとして利用され、使われなかったぶどう糖は中性脂肪として蓄積されて行きます。

 それに対し果糖はほとんどが肝臓に運ばれて代謝される事から、ぶどう糖と比べて血糖値を上げる事がなく、肝臓で中性脂肪に変換されて蓄積されていきます。果糖の血糖値を上げにくいという性質は、摂取後の満腹感にも影響していて、血糖値が上がらない事で満腹感を感じさせて食欲を抑える物質の分泌に繋がらず、過食に繋がるともいわれています。

 果糖は果物や野菜など自然の物に含まれ、古くから人は果糖に接してきています。しかし、果物や野菜には食物繊維が多く含まれていて、果糖の吸収を緩やかにしていた事や、果糖を代謝するためのビタミンやミネラルも多く含まれています。

 コーンシロップとして摂取する事で果物や野菜に含まれる天然の果糖よりも遥かに多い量の果糖を摂取し、吸収を緩やかにする成分や代謝を助ける栄養素の不在も果糖の弊害を大きくする事が考えられ、本来、無害であった果糖を有害なものに変えてしまったようにも思えます。

 アメリカではコーンシロップの摂取が肥満や生活習慣病を引き起こすとして、コーンシロップの使用に規制を求める動きも見られています。同じような事はトランス脂肪酸の際も見られていて、アメリカではトランス脂肪酸の使用に規制が設けられ、日本ではそれほど摂取していないとして規制は設けられていません。コーンシロップも同じような状態なのですが、どのような事になるのか注意深く観察したいと思っています。





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最終更新日  2014年08月01日 08時04分04秒
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