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2019年09月24日
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カテゴリ: 食事
 ダイエットの敵が脂肪分やカロリーから糖質の摂取による血糖値の急激な上昇に移ってから久しい感じがするのですが、相変わらず脂肪分とカロリーは敵対視されていて、そこへ新たな敵である糖質の摂取が加わったような印象があります。

 最近になって脂肪の摂取と肥満を結び付ける誤解は、米国の製糖業界と名門ハーバード大学を巻き込んだ陰謀であった事がいわれるようになってきたのですが、あまり認知は広がっていないのか脂肪は変わらず悪者のままのように思えます。

 高タンパク、低脂肪が健康的な食材の条件のようにいわれている事から、肉類に含まれている脂肪分は可能な限り取り除いた方が良いと考えられているのですが、脂身は積極的に摂った方が良いという意見もあります。

 米国で心臓病やその原因となる肥満が問題視されるようになってきていた1960年代、製糖業界はハーバード大学の研究者へ資金を提供し、「砂糖と脂肪の心臓病への影響」についての調査を依頼しています。その際、意図的にデータを操作し、脂肪だけが肥満の原因のように結論を導き出したといいます。

 以降、60年にもわたって脂肪は肥満、ひいては心臓病の原因と考えられてきたのですが、脂肪を摂れば脂肪が増えるという単純明快さも脂肪のイメージを悪くしていたと思えます。そうした悪いイメージのために脂肪の必要性に関する認知は広まっておらず、思わぬ脂肪不足も引き起こしているともいわれます。

 脂肪は体内ではリンと結合し、リン脂質として細胞膜の材料となります。約37兆個ともいわれる体細胞のすべてでリン脂質が使われ、絶えず作り替えられている事から体内では常に脂肪が必要とされています。

 また、各種のホルモンやプロスタグランジンなどの情報伝達物質も脂肪から作られていて、細胞やホルモンの材料として使用するには日本人の平均的摂取量である男性の74g、女性の56g程度では充分にか賄いきれないともいわれ、余剰となって体に溜まるなどありえないともいわれます。

 脂肪と並んで三大栄養素とされる炭水化物やタンパク質は、体内に取り込まれるとブドウ糖やアミノ酸に分解されてほぼ100%が吸収される事に対し、脂肪は水に溶けにくい事から腸から吸収する事が難しく、多くの脂肪が取り込み損なって体外へ排出されています。

 脂肪の中でも健康に悪いイメージが強い飽和脂肪酸は特に吸収効率が悪いとされ、大量に摂取しても体内に過剰に取り込む事は難しいとされます。最近になって食事による摂取と血中濃度の関連が低いといわれるようになってきたコレステロールも吸収効率が悪く、取り込みにくい栄養素となっていて、肝臓で作り出す事によって不足から免れています。

 脂肪は、体内では脂肪酸とグリセリンに分解されて利用されます。グリセリンはエネルギーの素となり、脂肪酸はアミノ酸と同じように体内でビタミンのような働きをする事も知られるようになってきています。体脂肪を増やしているのは脂肪ではなく、脂肪細胞内に取り込まれる糖である事を意識し、もう少し脂肪との関りを考えてみなければと思います。





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最終更新日  2019年09月24日 08時04分20秒
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