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サンガンピュールの物語(コーチング)7話



 試合終了!3-2でジャガーズの大逆転勝利である。後半に入って一気にゲームの流れが変わった。結局はイラッチ仮面に傷を負わされた2人の選手の怪我の功名だったのだが、それを忘れさせてしまうほど補欠の坂口拓也少年の活躍が光った試合だった。サンガンピュールも彼の活躍に見とれてしまっていた。森山監督としても、いかに宝の持ち腐れになっていたかを反省した。拓也はフォワード向きだ。失点が多いジャガーズであるが故、森山監督は守備重視のことしか考えていなかったのかもしれない。誰かが言っただろう、攻撃とは最大の防御だと。
試合が終わったあと、拓也はサンガンピュールに声を掛けた。
 「サンガンピュール、勝ったよ!」
 「すごいじゃん!かっこよかったよ!」
 しかしここで拓也はあることに気付いた。
 「あれ、ゆうこ姉ちゃんは?」
 「ゆうこなら、『大事な用を思い出した』とかあたしに言ってきて、先に帰っちゃったんだ。ごめん、こっちからゆうこに怒っとくから」
 「そうなんだ、約束だよ!」
 このやり取りを終えた後、サンガンピュールは胸をなでおろした。コーチとしての役割を果たしたからではない。サンガンピュールと塩崎ゆうこは同一人物であることがばれずに済んだからである。

 その試合が終わった後のことだった。ジャガーズの選手がハイタッチで盛り上がっている中、ある女性見物客おもむろに立ち上がり、自分の車に戻った。そして携帯電話で連絡を取った。
 「同志マルーンの勇者へ、イラッチ仮面が負けた上に、洗脳が解けてしまったわ」
 「くそっ、作戦失敗な上に最悪の終わり方か!・・・だが我々の計画はこれで終わったわけではない。彼女を利用するためにあらゆる手段を考えるぞ」
 「分かったわ、同志」
 果たして電話の声の主は?
 だが後になって判明するのだが、イラッチ仮面を始めとするニュートリノの戦士はまだまだ多数いるとのこと。そして彼女らのミッションの裏には、恐ろしい陰謀が潜んでいた。

 サンガンピュールの物語(コーチング編)・完

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