人間仁科のブログ・八重山見聞録外伝

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カテゴリ: 島ネタ

過日、島の方々との酒席での一幕。当
夜は個人宅での集まりにてそう多い頭
数ではなかったが、私を含めて中年壮
年の皆様が五名ほど。そこに本土の青
年が遅れて現れた。

二十代後半、頑健な風情のヤマトの
男子であるが、到着してビールで乾杯、
お疲れさんでーす。なんかやった直後
に言うのである。



時刻は夜の11時を少々回ったあたり
である。酒席に呼ばれ、遅れて入って
くるなり「テレビつけていいっスか?」じゃ
こちらのほうが?である。

皆に確認をとったわけじゃないが、そう
尋ねられて私以外の四名の方々それ
ぞれの頭上に?マークがぷかぷかと浮
き上がったのは間違いなく、当家の主
は彼に尋ねたのである。「なんだよオマ
エ、どうしても見たい番組でもあるのか。
スポーツニュースか?」


である。「いいえ、別に」

え?

って私は思ったし、青年のその一言の
あと十秒以上ものあいだ宴席に居座り
続けた決してして短くはない静寂から導

が、え ?と思い、感じた筈である。



話を脱線させると、ここまで読み進めて
くれたブログ読者各位の中には、この
「え?」の意味するところがわからない
方が確実に居ることは想像に難くない。

なんで?どうして?人の家で酒飲んでて
テレビつけることの何が変なの?どこが
おかしいわけ?って具合に。

そんなことに目くじら立てるほうがおか
しいよ。若い世代の感覚がわかんねぇ
んだろアンタ。って具合に。

しかしである。
この本土青年の行動パターンを仮にテ
レビ様式と呼ぶこととするが、テレビ様
式は若い世代に限ったことではなく、特
に老若男女を問わない本土出身の方々
に散見される行動様式なのである。

例えば本土出身のご家庭にお茶に呼ば
れる。例えば五名ほど集まってわいわい
やる。それだけ頭数がいると話題が尽き
たりはなかなかしないし、その集まりにな
んらかのテーマが設定されている場合だっ
てある。つまり、今日はみんなで集まって
こういう事を相談しましょう。とか、こんな
料理を作ってみましょうとか、そんなテー
マである。

でも、そういうご家庭に伺うとテーマの有
無も、頭数の多寡も、老若男女も一切無関
係にリビングルームのテレビにはスイッチ
が入っている。それも大音量で。

特にコマーシャルフィルムってのは無闇
に音がでかい。でかいと注目される。注
目されると話もテーマもそっちのけである。
全部中途半端フェイドアウト尻切れトンボ
って感じですべての話題はテレビ画面が
中心になる。オダギリが映ればオダギリ
に。健康食品が取り上げられれば健康
食品に。メタボやダイエットが論じられて
いればメタボやダイエットにと支離滅裂
な展開をするがそれを一向気に病む者
など本土の方のリビングルームには一人
もいなかったりするのである。

はっきり言うが病気である。これ。
神経症ってやつだ。

目の前で声を発している人の言動なん
かよりもテレビ画面に映っているものに
より強いリアリティを覚えるか。それとも
単純に幼少時より万事その調子だから
能動的な思考方法が訓練されておらず、
画面上で次々と切り変わる信号によっ
てのみ受動的思考方法が可能となる。
テレビを見ている当の本人がまるでテ
レビそのものである。
次々と切り替わる狂躁的番組。
リモコンで意のままになるチャンネル。
イメージのみの拡大とリプレイ。
思考の断片。
そこで語られる全ての言語は単純極まり
ない記号でしかなくなる。



その本土青年も酒席でテレビを観るのか
と思いきや、やはりテレビはつけるだけ
でさほど注視する様子もなかった。話の
合間合間に視線をやり、画面に映るもの
を話題にしようと何度も試みた。

私たちが聞いてようと聞いてまいと関係
なく彼はテレビに映ってるものを言葉に
置き換え続けた。

「これって、すごくないっスか?」

「見てくださいよ。この人。あの事件の犯
人らしいですよ。まじめそうな奴なのに…」

「あ、オレ、これ欲しかったんっスよ。絶対
買おう!絶対買う!死んでも買う」

「オレも最近メタボちょっと気にしてんスよ」

「こいつ最近ブレークしちゃいましたよねぇ」

「ところでさっきの話、決まったんっスか」

そのように無軌道に展開する彼の言動を
横目で見ながら聞きながら、こいつだけは
我が家の敷居を跨がせまいと私が心に期
したのは言うまでもない。

今や日本中にテレビ君、テレビさん、テレ
ビちゃんが溢れかえり、溢れた方々が大
挙して石垣島にやって来る。怖いことであ
る。





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Last updated  2008.02.18 22:40:09
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なんとも…。  
みお さん
こわ~い、こわ~い!
そんな人って、ホントに居るのかしら? って、ずっと思っていたら、この記事を読んで、ホントに居るんだ、しかも、こんなところで~、って、ビックリ…。
よく生きていけるというか…。友達いるのかな…とか、思うけど、友達も同じなのでしょうか…。

幸いか、わたしの友人で、テレビくん、テレビちゃんは居ません…。

テレビくんたちは、おかしい人たち…。 (2008.02.19 13:54:01)

Re:なんとも…。(02/18)  
zooey0707  さん
テレビ君の友達はやっぱりテレビ君やテレビちゃんだったりしますね。だってテレビに支配されてるリビングに居合わせる皆が散漫に喋って、散漫に考え、散漫に楽しんでますよ。団塊の世代が中心になって作った戦後日本全国津々浦々にはテレビ君たちが頑強な塞を築いてしましました。そういう友達が周りに居ないと言うのは、とても幸せなことであると言ってもいいかと存じます。じゃ、周りに結構その手の方々が多い私は友人知人に恵まれなかったって事なんでしょう。辛いなぁ。 (2008.02.19 16:16:10)

辛がらないで…  
みお さん
zooey0707さんも、そういう方の知り合いは少なそうだけれど、つき合いが広いから、色んな人がいるのかもで、辛がらないでください…。わたしの書き方が変ですみません…。
わたしは、友達、多くはないはずだし、独特な人が多いかもなので…。 (2008.02.20 06:43:25)

私のほうこそスイマセン!  
zooey0707  さん
あ、私の書き方なんか投げやりな感じがしますね。今読み返すと。でも、あの、本当は軽いノリなんです。もうちょっと冗談っぽく書かなきゃいけませんね。変な書き方しちゃってごめんなさい。 (2008.02.20 09:06:42)

こういうの、テレビだけでなく。。。  
PON さん
ケータイってのも、あてはまらないですかね。
わざわざ人と会っているのに、急ぎの用でもないのに
ケータイの会話やメールを優先する人。

なんか、似ているような気もするなぁ (2008.03.04 14:22:34)

Re:こういうの、テレビだけでなく。。。(02/18)  
zooey0707  さん
PONさん、コメントありがとうございます。
携帯を驚くべき使い方する人、結構いますね。石垣島は電車や地下鉄がないから車内での使用って自分ちの車ぐらいしかありませんが、屋内での使用に関してはしばしば呆れるおじちゃんオバチャンを見掛けますね。私、時折トレーニングジムを利用したりするんですがそこでエアロバイクなんかをかったるそうに漕ぎながら延々と喋ってるんですよ。それもでかい声で。○○ちゃんがどうしたとか△△さんが腹立つみたいことをずうっと喋っていて、こっちは近くで筋トレやってて重いもの持ち上げたりして気合入れたいのに横でべらべらべらべらやられると集中できなくてこっちが腹立つよ。みたいな状況になるわけです。場所は一応トレーニングジムなんで、談話室じゃないから(笑)。で、そういう手合いは、何故か、たいてい年配の方なんですよね。これが不思議と。
(2008.03.04 15:17:10)

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