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2009.12.24
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~集英社新書、2009年~

 『臨機応答・変問自在2』に続く、集英社新書として刊行された森博嗣さんの作品です。本書は、そのタイトルのとおり、森博嗣さんが考えられる「自由」の意味を語った著作です。
 本書の構成は次のとおりです。

ーーー
まえがき―「自由」に対する誤解
1章 人生の目的は自由の獲得である
2章 他者からの支配、社会からの支配
3章 身近に忍び寄る支配

5章 やっかいなのは自分による支配
あとがき
ーーー

 本書の主張の大きな点は、次のようにまとめられると思います。
(1)自由とは、自分の思いどおりにすることである。
(2)人間は、いろんなものに支配されており、そこから脱することが自由である。
(3)自由を得るためには、知性・想像力・客観的な視野が必要である。

 そして自由を獲得することこそが、人生の目的であると森さんはいいます。

(1)について。たとえば、子供は自由だ、と言われます。ところが、子供はやりたいことがあっても、肉体的に無理であったり(大人より早く走るなど。できる場合もあるかもしれませんが)、経済的に無理であったり、不自由な部分が大きいといいます。

 また、食事や睡眠についても、たとえば私でいえば一日24時間の読書を何日も続けたいと思ったとしても、睡眠や食事をとらなければ肉体的に参ってしまうでしょう。(2)の内容になりますが、森さんによれば、このような食欲や眠気も、「支配」です。忘年会に参加しろ、といった他人からの支配、その他いろいろな「常識」という支配…。私たちは多くのものに支配されています。もちろん、従わなければ問題となることもありますが、逆にいえば問題となる(=自分にとっての不利益が大きい)からこそ、ある程度は「支配」に従う、という選択を私たちはとることになります。
 そして重要なのは、自分による支配が大きいという指摘です。

 たとえば、いまは読書が好きで、ずっと好きだと思っている。でも、好きではなくなる可能性もあるし、好きでなくなってもいいのでは、というのですね。思い込みで好きだと思っていることを無理に続けるよりは、本当にそのときしたいと思ったことをすれば良いだろう、と。

 そして、知性や想像力が、人を自由にします。人間の体では空を飛ぶことはできませんが、しかし知性が、飛行機などの手段によって、人間が空を飛ぶことを可能にしました。そしてそれは、「人間が空を飛べるはずがない」という思い込みがあっては、決してなしえない業績です。
 また、思い込みの話とも関連するかもしれませんが、自分の今いる位置を客観的に見る眼、あるいは想像力も、自分を(無意識に)しばっているものから解放してくれる大きな力となります。

 自由についての森さんの考え方をまとめた本書を、興味深く読みました。

(2009/12/21読了)





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Last updated  2009.12.24 06:55:01
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