広瀬正『マイナス・ゼロ(広瀬正小説全集1)』
~集英社文庫、 1982
年~
タイムマシンに関する著作を数多く発表した広瀬正さん( 1924-1972
本書も、まさにタイムマシンをテーマにしています。
戦時中、隣家の「先生」と啓子さんと交流のあった浜田俊夫さんですが、戦争により、「先生」は亡くなり、同日、啓子さんは行方不明になっていました。そして 18
年後、「先生」との約束で、「先生」たちが住んでいた建物横のドームを訪れると、全く変わっていない啓子さんと再会します。
啓子さんがあの日からここに、タイムマシンでやってきたことが分かった俊夫さんは、あの日に戻ろうとしますが、誤ってさらに過去にさかのぼってしまい…。
なんとかその時代を生き抜く俊夫さんに訪れる「未来」とは。
といった流れですが、俊夫さんが身を寄せるカシラ一家の人柄や、推理小説を中心に本を大切にするレイ子さんなど、過去を生き抜く中で俊夫さんが出会う人々との関係も素敵ですし、なんとかもとに戻ろうとする俊夫さんの奮闘も興味深いです。そして、待ち受ける未来も衝撃的で、印象的な物語でした。
(2022.09.30 読了 )
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