オマル・ハイヤーム(小川亮作訳)『ルバイヤート』
~岩波文庫、 1979
年第 23
刷改版~
オマル・ハイヤーム (c. 1040-1123)
(152
頁 )
とあります。
さて本書は、「オマルの原作として定評のあるものだけを厳選」した 143
首が収録されています。中には、オマルのものか多少疑いのあるものも含まれます(その点は連番をカッコ書きとすることで明示されています)。
なにぶん四行詩なので紹介しづらいですが、「自分が来て宇宙になんの益があったか?」(第3首より)などのように悲観的な言葉が多いことや、(イスラームに反しますが)酒を称える詩が多いことが印象的です。
詩自体は 100
頁弱で、訳注に続き、約 60
頁に及ぶ詳細な解説が付されています。
解説は、オマル・ハイヤームの経歴について記すのはもちろんですが、同時代の学問の動向を踏まえた上でその中にオマル・ハイヤームを位置付けたり、本書(初版は 1949
年)に先行する邦訳書を紹介したりと、かなり濃密で勉強になります。
(2025.07.20 読了 )
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