日記

日記

アンジェスMG


企業調査部 首席研究員
山崎 清一氏
アンジェスM

遺伝子治療薬
臨床最終段階へ
08年12月期黒字転換も

2005年9月20日






◆投資判断◆ 「A(強気)」

 アンジェスMG(4563・マザーズ)は大阪大学の森下竜一教授を中心に設立された遺伝子医薬品開発のバイオベンチャー。メーンのHGF遺伝子治療薬は革新性が高く、臨床試験は最終段階を迎えている。
 人工遺伝子を利用した医薬品NFκBデコイオリゴも開発中。HGF遺伝子治療薬は、日米欧など世界の主要国で独占的に事業化する権利を確保。HGF遺伝子を血管が詰まった部位に投与することで血管を新しく増やし血流を改善するこれまでにない治療薬を目指す。糖尿病などで足の血管が詰まり、足を切断せざるを得ない重症例に対しても効果が期待される。
 HGF遺伝子治療薬の臨床試験は順調に進展。末しょう性血管疾患(足の血管の閉塞<へいそく>)領域では国内でフェーズ3(臨床試験の最終段階)、米国でフェーズ2が進行中。国内は年内に臨床試験のメドを付け、07年の発売を目指す。米国は年明け早々にフェーズ2の評価を終了する予定。虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞〈こうそく〉)領域では米国でフェーズ1を進めており、日本でも臨床試験開始に向け準備中だ。
 今12月期は開発費の増加により15億円程度の連結経常赤字が予想されるが、来期以降はライセンス収入の増加やロイヤルティー収入で損益が改善する見通し。08年12月期には黒字に転じると予想している。
 一般に、革新性の高い臨床試験最終段階の開発品を持つバイオベンチャーは、欧米でも評価が高い。開発品の推定ライセンス価値を基に妥当株価を約90万円と算定、現状株価は割安とみる。
 来年初めにかけ、臨床試験の結果発表など、HGF遺伝子治療薬の発売の可能性を占う重要なイベントが続く予定、注目度が高まる可能性がある。



アンジェスMGの連結業績推移



売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株利益
03.12 2,453 ▼948 ▼953 ▼978 -
04.12 2,696 ▼1,561 ▼1,558 ▼1,541 -
05.12(予) 2,800 ▼1,700 ▼1,480 ▼1,480 -
06.12(予) 4,440 ▼790 ▼790 ▼790 -
07.12(予) 5,890 ▼670 ▼670 ▼670 -
08.12(予) 6,040 550 550 552 5,508.3





※予想はいちよし経済研究所(単位:百万円、円)


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