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2024年09月26日

退職勧奨（肩たたき）をプライドを捨てて乗り越えた夫

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テーマ： ★つ・ぶ・や・き★(548078)

カテゴリ：家族

 

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夫は40年間同じ会社に勤務して
60歳で定年を迎えました。

この頃就職した人は、よほどのことがない限り
定年になるまで雇用関係は継続するのが普通でした。

労働者を社員としていったん採用したら、
企業は雇用が継続出来るように努力しました。

「終身雇用制度」などと呼ばれているものの、
法律でルール化をしている訳ではなく、
日本特有の雇用習慣なんですね。

それが、バブルがはじけてどこの企業でも
余剰社員を抱えて経営が難しくなった時に
一代ブームが来たのが「退職勧奨（肩たたき）です。

しかし、労使関係は契約ですから使用者が
退職をもちかけることは合法です。

世の中に不況の風が吹きまくりリストラ旋風の
中に夫も巻き込まれました。

毎日上司から呼び出されて辞めて欲しいと
説得されたそうです。

世間体を気にするプライドの高い夫でしたので
「辞めてやるよ〜」ぐらいの啖呵を切って
辞めるのでは無いかと心配はしていました。

ところが、意に反して夫の決意は堅かったようです
「絶対に辞めない！」
「どんな事を言われても、どんな令遇を受けても辞めない！」

そう決めた夫は意外と明るく毎日報告してくれました。
・パソコンの能力の低さ
・英語力の弱さ
等々欠点を並べられたそうです。
（夫の名誉の為にこれ以上は書きませんが…）

「そんな能力が無いからこの会社に就職したんだよ！」
と言ってやったぜ～

「それにしても、肩を叩く方が辛いよな」
「昨日まで、仲良く働いていた仲間の肩を叩くんだぜ～」

叩かれる方は辞めません！
と馬鹿の一つ覚えを言ってりゃ良いんだからさ～」

リストラ旋風は治り、世の中の景気も上がり
夫は仕事の出来るベテラン社員として大事に
扱われるようになちゃったのよ。

定年後は「子会社をお任せしたい」となったんですよ。
リストラで辞めていった人達は、給料も減り
新しい会社で苦労してるらしい…と風の噂で聞きます。

これからは一つの会社、仕事にとらわれずに
ステップアップしていく時代ですね。

実力を評価して欲しいと叫び増す。
でも実力のある人間ばかりじゃないですからね
それでも生きていかなければなりますん。

子会社で勤務していた時に食道ガンの末期
と診断されて病気休暇に入りました。

3年間しか在籍してなかったけれど
勤めていた親会社からの移籍で給料は
下がったものの…

年金との調整額なので手取りの収入は
変わらず、休職中も満額のボーナスが
出て、亡くなった時も社葬同等の扱いで
社員総出で葬儀を取り仕切って頂きました。
最後まで恵まれていたと思いますが…

そして夫は毎週土曜日にはゴルフ場に行き
綺麗なママの居る馴染のスナックで
カラオケ三昧と楽しみました。

70歳で退職したら清掃会社で清掃の仕事を
して、死ぬまで働くよ。
そう言っていたのに63歳で力尽きてしまいました。

私が不安なく生活出来ているのは、
夫が真面目に働いてくれたお蔭です。

結婚生活では4人の子共に恵まれて
残念ながら乳幼児のうちにお空に昇った
子供もいましたが。

この子が夫婦の絆を強くしてくれていた
と感謝しているんです。