にゃんでんかんでん

著者名 や・ら・わ行





闇の底(薬丸岳)
 少女を犠牲とした痛ましい性犯罪が起きるたびに、かつて同様の罪を犯した前歴者が首なし死体死体となって発見される。身勝手な欲望が産む犯行を殺人で抑止しようとする予告殺人。狂気の劇場型犯罪が日本中を巻き込んだ。犯人の正体と真の狙いは何なのか。『 天使のナイフ 』で江戸川乱歩賞を受賞した薬丸岳が描く、欲望の闇の果て。待望の衝撃作。
 面白かった。この人が犯人だろうと目星をつけて読んでいたのですが途中新たな人物が浮上してきて「おや?」と思わされたり、結末もとても意外なものでした。先が気になり一晩で読みきってしまいました。(2006/12/14)



愛の流刑地(上) 愛の流刑地(下)
愛の流刑地 上・下(渡辺淳一)
 生まれて初めて知った狂おしいほどの性の悦び…。エクスタシーの頂点で、女が男に求めた究極の行為とは。最愛の女を殺めた果ての孤独な法廷闘争。故意か過失か、あるいは愛の証しか。懸命に愛した男が最後に受け入れた罪と罰とは。論理では捉えきれぬ情感の妖しさを描き、現代人の感性の解放を謳うルネサンス的文芸大作。男女の性愛を大胆に描写し、日本経済新聞連載中から大反響を巻き起こした衝撃の問題作。
 新聞に連載され、とても話題になっているというので読みましたが上巻はひたすらセックス。逢うたびにセックス・・・。ポルノ小説かと思うような内容でした。下巻ではその行為の中で女の首を絞めて殺してしまい、逮捕され、だらだらと裁判に続いていきます。二人の馴れ初めからして納得がいかず、つまらない話でした。渡辺氏の経験?それとも願望??とにかく外出先では読めないような内容で、よく日経新聞も掲載したものだと思いました。(2006/7/6)



夢を与える(綿矢りさ)
 私は他の女の子たちよりも早く老けるだろう。チャイルドモデルから芸能界へ。幼い頃からTVの中で生きてきた、美しく健やかな少女・夕子。ある出来事をきっかけに、彼女はブレイクするが…。少女の心とからだに流れる18年の時間を描く、芥川賞受賞第1作。
 前半、夕子が誕生するいきさつからの成長過程が描かれているのですが、これがあまりに坦々と経緯だけが書かれていて退屈。夕子がどんな事を感じながら成長していったのか、もっと夕子を描いて欲しかったです。後半、初めて好きな男性ができたあたりからやっと話としても面白くなるし、前半とうって変わって表現力も良くなっているのですが、展開は予想がつくし、『なんて浅はかでバカな子』という印象で夕子に感情移入できませんでした。う~~ん、残念な1冊でした。(2006/4/3)

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: