Chapter.1  序曲

宇宙暦106年・・・
地球が死の星と化してから早50年。
地球人類は以前より交流が深かったレイオン人(火星人)の助けを借り、
第二の地球「惑星アキリオン」を製造した。
人々はそこで豊かな生活を送っていた・・・。
だがそんな平和な日々も長くは続かなかった・・・それが人と言うも
のである。

ある日、惑星探査船が旧地球から生命反応を感知した。
以前から旧地球の研究を続けてきたアーレイン=ラデク博士はいち早く
この情報を聞きつけ、旧地球の調査を開始した・・。

「ガガガガガガッ」
調査隊東京支部整備室からは相変わらず大音量の整備音が聞こえている。
「班長!ちょっと来て下さい!」
整備班の一人が整備班長を呼んだ。
「どうした!!」
東京支部整備班の大半は惑星アキリオンでも指折りの整備士で構成されている。
整備班長「風魅 良助」もその一人だった。
「研究室の電力バルブがまたパンクしてます」
整備士は今日これと同じ言葉をもう4回も言っている。
「またか!?まったく研究員の連中は一体何をしてるんだ」
風魅 良介
最近になって研究室の電力使用量が極端に上がってきている。
その理由は整備班に伝わってはいなかった。
良助も今日4回目の電力バルブ整備に少しイラだちを感じていた。
「ビービービー」
1日1回の休み時間を知らせるブザーが整備室に鳴り響いた。
今の整備班にとってはこの休み時間が唯一の楽しみであった。
「やっと休み時間か・・・班長!食料の配給来てますよ!」
「おうっ!」
整備士と良介は食堂へと走っていった。
良介たちが食堂に着いた時にはすでに整備班の全員が食料を前に席
に座っていた。
いつ見てもむさ苦しいほど男ばかりの食堂だ。
「風璃(ふうり)ちゃん今日のメニューは何?」
この風璃と呼ばれた女性はいつも食料を整備室まで運んできてくれ
る人である、そのため整備班の皆と人1倍仲が良いのだ。
「はいっ今日のメニューは皆さんお待ちかねのビーフシチューですよ!」
「やったー!!」
整備室に歓喜の声が響き渡った。

・・・To Be Continued


「Chapter.2  混乱」の連載は3月(受験終了後)になります。
お楽しみに!
尚、ご意見ご感想等ありましたら掲示板の方へお願いします。



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