おはなし  その7 





 その7 啓介×恭子  啓介の悲劇編


ある晴れた日曜日。
久しぶりに、恭子と会う啓介。
いい天気だから、ドライブでも。
啓介は、上機嫌だったが・・・・
出かけに兄・涼介に「今日、おとめ座は、運が悪いんだってさ~。
事故らないように気をつけろよ」と言われた。
何が星占いだ。「大丈夫だよ」と返事をした啓介。

しかし、車に乗ろうとしたら、ケンタから電話が入った。

 ケンタ「もしもし、啓介さん? 助けて下さいよー」

泣きつくケンタの声がした。

 啓介「どうした?」

 ケンタ「車が、何か動かなくて・・・」

 啓介「そんなの修理屋に、頼めばいいじゃないか」

 ケンタ「いつも行く修理屋、休みなんですよ~」

全く、ケンタは、どこまで邪魔すれば、気が済むんだろう。

 啓介「じゃ、とりあえず、今からそっち行くから」

啓介は、恭子に少し遅れると、電話した。
ケンタは、いつも啓介に頼る。
いつも邪魔ばかりする。

啓介が行くと、泣きそうな顔のケンタがいた。

 ケンタ「啓介さぁ~ん。何で動かないんでしょうか?」

啓介は、ボンネットを開けて、いろいろ見ていた。

 啓介「俺が見ても、わかんねえ」

 ケンタ「そんなぁ~」

 啓介「俺は、メカニック専門じゃないから、わかんないや」

 ケンタ「どうしよう」

 啓介「松本にでも、見てもらえよ」

松本=メカニックである。

 ケンタ「松本さんの携帯、知らないから」

 啓介「しょうがないなあ~」

優しい啓介は、松本に連絡した。

 啓介「今から、ここに来てくれるってさ」

 ケンタ「本当ですかぁ~。ありがとうございます」

 啓介「じゃ、俺、急ぐから」

啓介は、急いで行ってしまった。

啓介は、遅れて恭子と会った。

 啓介「ごめん。いつもケンタは、俺達の邪魔をする」

啓介は、ケンタの車の話をした。

 恭子「優しいのね。啓介さん。そういう優しいとこ好き♪」

今日は、ドライブ日和。
啓介と恭子は、榛名湖へ行った。

 恭子「紅葉が、きれいね」

 啓介「ああ。でも、おまえの方がきれいだよ」

わあ~啓介、キザ。

 恭子「何か、照れちゃうよ」

恭子は、下を向いてしまった。
啓介と手をつないで、散歩する。
いつのまにか、一緒にいることが、当たり前になってきている。
こんなに、幸せでいいの?
いつか、この幸せが消えてなくなることはないの?

お昼を食べてから、ボートに乗った。
誰もいないところで、キス。

 恭子「いくら、啓介さんでも、ここで押し倒すことはできないね」

恭子が、笑った。

 啓介「先を読まれたな。 だんだん俺の思っていることが、言わなくても
    わかるようになってきたんだな」

 恭子「そんなこと、ないよー。 啓介さん。スケベだから・・・」

また恭子が、笑った。
啓介と一緒にいるのが、楽しい。
うれしい。
いつまでも、ずっと一緒にいたい。

 啓介「恭子・・・・」

 恭子「何?」

 啓介「愛してる」

 恭子「もう、こんなところで・・・」

 啓介「周りに誰もいないじゃん」

 恭子「そうだけど。 あっ。そうだ。秀香さん。あれから、どうしたの?」

秀香の話になった。

 啓介「アニキの話では、実家に帰ったって」

 恭子「そうなんだ。もうあの2人ダメなの? 元には戻れないの?」

 啓介「多分、無理だと思う。アニキは、親のひいたレールの上を行く方だから」

 恭子「秀香さん。かわいそう」

ボートの時間が来て、2人は車へ戻った。

 啓介「ここまで来たんだから、ちょっと寄って行きたい所があるんだけど」

啓介は、藤原拓海のとこへ向かった。
藤原拓海=啓介の走りのライバル。そして仲間。
2戦とも、拓海の勝利である。

 啓介「ここだ」

店の前に、張り紙がしてあった。

 啓介「臨時休業~?」

藤原家は、父が豆腐屋をやっている。
臨時休業で、おまけに声をかけても、誰もいない。

 恭子「誰もいないんだ。残念ね」

 啓介「もしかしたら、藤原は、今日仕事かもしれない」

残念だ。
夕方、啓介と恭子は、前橋に戻ってきた。

 啓介「まだ飯には、時間があるな。どうしようか?」

 恭子「すぐご飯のこと、言うね」

恭子が、笑った。

 啓介「飯の前に、ホテルでも行くか?」

 恭子「啓介さんって、スケベ~。
    もうそれとご飯のことしか、頭にないんじゃないの?」

 啓介「そこまで言うか?」

 恭子「ねえ、ここまっすぐ行くと○○タイヤがあるでしょ?」

 啓介「ああ。そうだけど」

 恭子「ご飯まで、そこで時間つぶそうよ。ねっ」

 啓介「ああ、いいけど」

でも、イヤな予感がする。
こないだ、中里と会ったタイヤ屋だ。
まあ、いいや。 こないだ会ったから、今日は会わないだろう。

○○タイヤ。
なんと、啓介の感は当たってしまった・・・・
また、あの中里がいたのだ。

 中里「また、会ったな」

 啓介「ああ」

 中里「今日は、彼女と一緒か」

 啓介「ああ」

 中里「おまえには、もったいないくらい、かわいいな」

 啓介「かわいいだろ」

 中里「啓介のどこが、いいんだ?」

今度は、恭子に話し掛けてきた。

 恭子「どこって、初めて会った時から、ドキッとして・・・・」

 中里「俺とどっちが、いい男なんだ?」

 恭子「もちろん、啓介さん♪」

 啓介「当たり前じゃないか。 何でおまえが、ここにいるんだ?」

 中里「タイヤを見に来たんだ。文句あるか?」

 啓介「ない」

 中里「おまえこそ、何でここにいるんだ?」

 啓介「夕飯までの、時間つぶし。文句あるか?」

 中里「ない」

 恭子「2人とも、仲がいいんだね。お友達?」

 啓介・中里「どこが~~~~~~?」

 恭子「ちがうの?」

恭子が、笑った。
今日の恭子は、よく笑う。
俺まで、幸せな気持ちになる。
好きな人の笑顔は、元気になる。

 中里「啓介は、野獣みたいだろ? 荒っぽいからな。気をつけろよ」

 恭子「たしかに、野獣みたいだけど、優しいですよ」

 啓介「中里~。おまえに言われたきゃないぜ。
    余計なことを、恭子に言うなよ。
    気安くしゃべるんじゃないぞ。俺の女なんだから」

 中里「俺の女だとぉ~。もうやられちゃったってことなのか?恭子ちゃん?」

恭子が、クスっと笑った。

 啓介「当たり前じゃないか。もう、行こうぜ。恭子」

 恭子「うん。じゃ、失礼します」

 中里「気をつけるんだぞ~。恭子ちゃん」

恭子は、啓介に手を引っ張られて、車に乗った。
ああ~。イヤなやつに会っちまった。
それも、よりによって、恭子と2人のところを。
今日は、やっぱり、アニキの言ってた運が悪いってことか?

 恭子「おもしろい人だったね」

 啓介「中里のことか? どこが?」

 恭子「けっこう、いい人っぱいね。あの人」

 啓介「どこが? 恭子は、ああいうのが好みなのか?」

 恭子「ううん。ちがうよ。私の好きなのは、啓介さんだけよ」

啓介は、ほっとした。
夕食を済ませて、啓介は少し流した。

 啓介「明日、おまえ、仕事だろ?」

 恭子「うん」

 啓介「じゃ、朝まで一緒には、いれないな。 でも朝1でおまえの家へ送って
    行けば、大丈夫かな?」

 恭子「ダメ。朝帰りは、まずいよ」

 啓介「もう何回も、朝帰りじゃん。慣れたんじゃないのか?」

 恭子「ダメ。 うちの親が<女の子の朝帰りは、ダメ>って言ったもん」

 啓介「恭子の親は、俺の事、知ってんだろ?」

 恭子「そうだけど・・・」

 啓介「だんだん埼玉へ、帰したくなくなるんだよな~。
    おまえ、明日有給取れば?」

 恭子「ダメ! 有給少ないんだから。それにダメなの。今日は」

 啓介「何だ~。 たまには、俺ん家へ泊まるといいぜ。
    おふくろが喜ぶぞ。 うち女の子いないから」

 恭子「え~。啓介さんのお母さん? 恥ずかしいよー」

 啓介「恥ずかしい事なんてないぜ。・・・・・いつか、おまえのおふくろに
    なるかもしれないしさ~」

 恭子「え?」

ドキドキ。
おまえのおふくろになるかもしれない・・・・・・
最近の啓介の発言は、ドキドキすることが多い。

 恭子「もう帰る。送って」

 啓介「どうして?」

 恭子「明日、仕事だもん」

 啓介「うん。そうだけど」

啓介と恭子は、まだ群馬県内にいる。

 啓介「まだ、時間があるから・・・・」

 恭子「ダメ!」

 啓介「何で? 俺より、仕事の方が大切なのか?」

 恭子「ちがうけど。 もう帰る」

 啓介「もう少し、一緒にいたい」

 恭子「今日は、本当にダメなのよ」

ラブホテルの看板が、近づいて来た。

 恭子「ダメ!」

 啓介「イヤなのか?」

 恭子「イヤじゃないけど、ダメなの」

鈍感啓介には、はっきり言った方がいいかもしれない。

 恭子「今日は、できないのよ」

 啓介「何で?」

ここまで言えば、普通はわかるのだが。
どこまで、鈍感なんだ。啓介は。

 恭子「だから・・・アレだから」

 啓介「アレ?」

 恭子「うん。 だから、今日はできないのよ」

やっと、わかった。

 啓介「何だ~。アレか。 残念だなあ」

 恭子「しかたないでしょ。女の子なんだから」

啓介は、しかたなく、恭子を家まで送った。
残念だ。でもしかたないか。
また今度だ。
アニキの言ってた星占いが、当たった。
どこまで、今日は運が悪いんだ。

 恭子「今日は、楽しかったね。ありがとう」

 啓介「今度、アレじゃない時に家に泊まりに来いよ」

 恭子「うん。高橋家なら、啓介さんに襲われることもないしね」

恭子が、笑った。

 啓介「そうだな」

 恭子「でも、啓介さんのことだから、高橋家でも襲う可能性があるね」

 啓介「おいおい。俺ってそこまで、信用ないのか?」

啓介が、苦笑いをした。

 恭子「そうかも・・・おやすみなさい」

 啓介「おやすみ」

2人は、おやすみのキスをした。
啓介は、群馬へ帰って行った。

アニキの星占い通り、運が悪かったかもしれない。
でも、楽しかったし、恭子の笑顔をたくさん見れたし。
それはそれで、よかったかもしれない。

家に帰った啓介は、アニキに言った。

 「アニキの星占いは、はずれだったよ」

 おはなし その7完


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 あとがき

 お子がお泊りへ行ったので(もうすぐ帰って来るけど)
 その7を、書き上げました。

 午前中に、あるお方から、ネタを頂いて書きました。
 全くというほど、内容を組み立てていなくて、お昼を食べながら、組み立てて
 いきました。
 いきなり、書いた!って感じのところが多いです。
 これから、直しに入ります(笑)

 その8は、どうしよう。
 恭子が、高橋家にお泊りするおはなしかな?
 誰か、ネタをおくれ~。
 あとがき、終わり。

 7月28日

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