思うことを適当に

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エッセイ Fuckについて



 今回は日本人が誤解しやすい単語fuckについて語ろうと思う。
 みなさんのなかには、Fcukなどのブランドもあってもうお馴染みの人もいるかもしれない。とはいえ、服のブランド名に使われていても、大半の日本人にとってこれはネガティブな意味だとと受け取られていると思う。日本人が知っているfuckの使い方として有名なのは"Fuck you!"である。漫画でも良く出てきて、英語をほとんど使わない人までも知ってる。自分が日本で学部生だったころ、イギリス人の先生に英作文を教わっていた。先生は自転車を持っていて、近所の買い物などは自転車ですませるらしいのだが、ある日、その自転車であわやトラックとぶつかりそうになったとき、トラックの運ちゃんが先生に向かって「ふぁっきゅー!」と叫んだ、という話をしてくれた。先生は、「ここ(日本)であんな言葉を聞くなんて。。。」と軽いショックを受けてらした。この話を聞いて自分は先生に同情したが、それと同時にトラックの運ちゃんが「ふぁっきゅー」の使い方を完璧に理解していることに少し感心した。このケースは無論ネガティブな意味で、邦訳すれば「このクソアマがっ!」ぐらいの意味である。とはいえ、普段英語と全くかかわりがなさそうなトラックの運転手が知っているくらいだから、邦訳するまでもなく、意味は「ふぁっきゅー」で片付きそうだ。

 しかし、fuckは「ふぁっきゅー」に代表されるようなネガティブな意味しか持たないわけでは決してない。実は良い意味で使われることもあり、ネイティブとの日常会話においては頻繁に耳にする。そこで、今回は、日本人が今後の国際交流でfuckの語を聞いてもそれがネガティブがポジティブかきちんと判別できるようにその意味を論じて行こうと思う。

 fuckの原義は「男女がセックスする。」である。彼女に"Fuck me...."と言われれば、意味は、「して。。。」である。したがって先ほどの"fuck you!"は「あなたとセックスする。」という意味で、もっとくだけた邦訳をすると、「犯すぞ、こら。」である。映画Stand by Meでもfuckは使われていた。主人公の少年が敵対する少年グループに対して、"Go home and fuck your mom!"(おうちに帰って母ちゃんとやんな!)。と言っていたのも、fuckの原義に基づく意味で使われている。性行為をなすということが原義なのだが、このようにネガティブな意味でよく使われる。けんか言葉ではあるが、実際に性行為をするときも使われる言葉は"fuck"である。fuckに似た表現のひとつにson of a bitch!「このクソ野郎が!」があるが、bitchは売春婦という意味である。このように性にかかわることは英語圏ではネガティブな意味を持つことが多い。その流れで、性行為を意味することから転じて、fuck!を「くそっ」の意味で使う場合もある。Fuck Jap!などと言えば、「くたばれ日本野郎が」程度の意味になる。

 しかしながら、だからといってfuckは性やタブー(ネガティブ)ばかりを表現するだけではない。このようなネガティブな使われ方以外にもただ単に強調を表す言葉として使われることもあるからだ。この強調はネガティブ、ポジティブ共に用いられる。強調したいときに使うのである。例としては、What the fuck are you saying?(何言ってんだ、こら。)What the fuck are you?(誰だおめー。)The woman is fuckin' beatiful!(あの女たまげるぐらい美人だぜ!)などがある。強調したい言葉が疑問詞であれば、その疑問詞のあとにthe fuckをおき、強調したい言葉が名詞、形容詞、もしくは副詞であれば、fuckin'をその言葉の前におく。ネガティブになるかポジティブになるかは文脈次第だ。対応する日本語としては「超」が一番適切かもしれない。「超すげー」は英語ではおそらく"fuckin' great!"であろう。

さあ、これでfuckの意味・用法をおわかりいただけただろうか。これを読んだあなたは、もうこれからfuckについて悩む必要はない。アメリカ人やイギリス人の前で躊躇することなくどんどん使ってもらいたい。ただし、その時に何が起こっても自分には一切責任はないのでそのつもりで。


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