フライング


予定日2週間前からは、いつ産まれても文句は言えない…と覚悟しており、なんだか何も手につかない状況が続いていた。それまで通っていたスイミングクラブもさぼりがち。ひたすらテレビ・推理小説の毎日だった。
今思えば、私のお産との戦いはこの1月23日から既にスタートしていたといえる。
早朝5時半。私は便意を感じてトイレに立てこもっていた。
お腹は激しく渋るくせに身が出ないのだ。一生懸命気張ると子宮が張ってくる。だからあまり頑張れない。しかし便意は断続的に襲ってくる…。次第に冷や汗も出てきて…。子宮の張りも強くなって…。
もしかしてこの張りは陣痛?しかも便器の中を見ると身はもちろん出てないが水が赤く染まっている。トイレットペーパーで拭くと肛門ではなく膣付近で血が付着するのだ…。おしるし?異常な出血?寝ぼけていた頭がどんどん不安に埋まっていく。
30分も頑張っただろうか。寝室に戻り寝ている夫に相談した。産院に電話して見ることになった。
頭のどこかでは、これは陣痛ではない…と分かってはいたが電話に出た助産師には「痛みが断続的に襲ってきてご飯も食べられません」と嘘ではないが、事態をより深刻に伝えてしまった。で来院してくれということになり夫の運転する車で自宅から3,40分の産院に向かった。
結果は当然フライング。
単なる便秘のしぶり腹ということで、浣腸をしてもらい、外来で医師の診察を受け帰宅した。
みんな口には出さないけれど嗤っていたと思う。夫もあきれていた。

だけどね、痛かったしどうしようもなかったんだもん。自分でコントロールできない便意は辛いよ…。

んで帰りの車だって辛かったんだから。浣腸したってちっとも良くならなかったし。
自宅に帰り着いてベッドに横になりその日は半日横になっていた。
夫は遅刻して仕事へ向かった。
それ以来夫は私の便通を異常に気にするようになり、毎日「今日は便出たの?出てなかったら浣腸だよ」とニヤッとするのだ。
私は夫はサドだと確信したのだった。
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