・詩歌&格言5


自分の感受性くらい

自分で守れ

ばかものよ



= 詩人 ・ 茨木のり子 =


2006 6・23

花紫(001)-s.JPG


陽.jpg



ぱさぱさに乾いてゆく心を
 ひとのせいにはするな

 みずから水やりを怠っておいて



 気難しくなってきたのを
 友人のせいにはするな

 しなやかさを失ったのはどちらなのか



 苛立つのを
 近親のせいにはするな

 なにもかも下手だったのはわたくし



 初心消えかかるのを
 暮しのせいにはするな

 そもそもが ひよわな志(こころざし)にすぎなかった



 駄目なことの一切を
 時代のせいにはするな

 わずかに光る尊厳の放棄



自分の感受性くらい
 自分で守れ
 ばかものよ





茨木のり子さんの詩』 全編




冷岩 -COOL ROCK-/PaPa's Pleasure




06.6.1江ノ島(040).JPG

八百屋お七が火をつけた

お小姓吉三に逢ひたさに

われとわが家に火をつけた



あれは大事な気持です

忘れてならない気持です




=  堀口大学「お七の火」

2006 7・15


嵯峨沢館 日本の宿 坐漁荘 ホテルオークラ東京 スカイパークホテル

岩.jpg

汚れつちまつた悲しみに      中原中也


  汚れつちまつた悲しみに

  今日も小雪の降りかかる

  汚れつちまつた悲しみに

  今日も風さへ吹きすぎる


  汚れつちまつた悲しみは

  たとへば狐の皮裘

  汚れつちまつた悲しみは

  小雪のかかつてちぢこまる


  汚れつちまつた悲しみは

  なにのぞむなくねがふなく

  汚れつちまつた悲しみは

  倦怠のうちに死を夢む


  汚れつちまつた悲しみに

  いたいたしくも怖気づき

  汚れつちまつた悲しみに

  なすところなく日は暮れる・・・・・


河上徹太郎編「中原中也詩集」 より



2011・1・20
1/20

1・22

1/22



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夜には数千の星またたけど
昼に輝くはひとつの太陽のみ―

しかも、太陽の没するとき
世界の光明もまた消える



理性には数千の眼またたけど
心に輝くはひとつの愛のみ―

しかも、愛の終わるとき
生きる光明もまた消える

            ― ボーディロン

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6/26


万物の心と同化した叙情

2011 6・26 讀賣新聞より

金子みすゞ






誰にも言わずに

おきましょう。

朝のお庭の

すみっこで、

花がほろりと

泣いていたこと。


「露」






昼のお星は眼にみえぬ。

見えぬけれどもあるんだよ、

見えぬものでもあるんだよ。


「星とたんぽぽ」






もしも泪がこぼれるように、

こんな笑いがこぼれたら、

どんなに、どんなに、きれいでしょう。


「わらい」












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