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涼風 (Sストーリー)



暑い暑い真夏の熱下を 涼しい避暑地に変えてくれる

いつものボサノバがかかってる ステレオは

こころもちボリュームを小さくする あなたの手段

ふりむいて 部屋を見渡すと

猫のキミと目が合った

やつは なぜか やっぱり涼しげで

どこかたよりなさげに 部屋の隅にちょこんと 座り

私とこぼしたキャラメルのかけらとの 微妙な距離を 測っている

「今からこんなに涼しげなあなたは 冬になったらどうするの?」

私は かなり まじめに リアルに 熱いカプチーノをいれながら

湯気の向こうのあなたに 問うた

「この部分の テナーサックスを アルトSに変えるだけだよ」

ステレオを指さすあなたは (かかっている曲をいいたいのかしら?)

どうみても 気真面目な笑顔で

ゆっくりと 指についた カプチーノに沈める予定だった

グラニュー糖を キミのように ぺろっと なめた

蒸し暑い午後 こんな涼しげな部屋にいられる私は

きっと しあわせものなんだろう ね?

動物園の中 暑さで元気のない ペンギンを 助けたい気分






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