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コタ&こたplusサチイブ お気楽DAYS
Episode46~50
◆◇◆Episode46:エボンの中と外◆◇◆
ユウナレスカ
を倒し、究極召喚を失った
ティーダ
たちは、
シン
を倒す手立てを必死で考え出そうとしていた。
そんな中、
ユウナ
はエボンの教えしか知らなくて、
何も思いつかずにいることを
ティーダ
に謝った。
しかし、
キマリ
は言った。
「
ユウナ
、謝るな。
謝ると逃げているように聞こえる。
ユウナ
には似合わない。」
そして、
キマリ
は自分なら
ベベル
へ行き、
マイカ
総老師に
力ずくでも話を聞くだろうという。
エボンの教えの中に答えはない。
だが、エボンの中と外を知れば、答えは自ずと出るだろう、と。
ブリッジでは、
ワッカ
や
リュック
、
ルールー
たちがいい案を思いついたと言って来た。
シン
と真っ向勝負しても無理。
シン
を倒す・・・そのカギは、祈りの歌ではないか、というのだ。
ジェクト
は祈りの歌が好きだった。
祈りの歌を聞かせ、そのスキを狙う、これが3人の出した案だった。
ティーダ
は
シン
が
マカラーニャ湖
で祈りの歌を静かに聴いていたことを思い出す。
使えるかもしれない。
飛空挺は
ベベル
へ向かった。
聖ベベル宮
は情報が錯綜しているようだ。
あわただしく僧官が走り周っている。
反逆者とされている
ユウナ
を僧兵が取り囲んだ。
そこへいつしか会った巡回僧の
シェリンダ
がやってきて、
ユウナ
が反逆者だというのは、
アルベド族が流したデマだと
マイカ
総老師が明かしたので、
銃をさげるように言った。
反逆者としたはずの寺院で、今度はアルベドのデマ説・・・
リュック
はアルベド族への濡れ衣に腹を立てたが、
アーロン
は
マイカ
総老師の真意を読んでいた。
「
マイカ
も
ユウナ
を頼るしかないのだ。」
裁判の間へ行き、
マイカ
総老師に話を聞く。
シーモア
、
キノック
、
ケルク
と三老師も失い、
みんな居なくなった寺院にただ一人残っていた
マイカ
。
「今更何を?
シン
を早く倒せばよいではないか。
ザナルカンド
へ行き、
ユウナレスカ
とまみえ、
究極召喚を得たのであろう?」
という
マイカ
。
彼はまだ知らないのだ。
ユウナ
は答えた。
「私たちで・・・倒しました。」
アーロン
も続けて言う。
もう召喚士とガードがその犠牲となることはなくなった、と。
マイカ
は驚愕の声をあげる。
(←そりゃビックリだろうねぇ)
動転し大虚け者と罵る。
別の方法を見つけるという
ティーダ
たちにも、
「そんな方法などありはしない。
スピラ
の救いは失われた。
エボン=ジュが作り上げた死の螺旋に落ちゆくのみ・・・
わしは
スピラ
の終焉を見とうない。」
と
マイカ
は絶望する。
しかし、
ユウナ
ははっきりと答える。
「終わりにはしません!」
ティーダ
はエボン=ジュとはなんなのかを
マイカ
に訊ねた。
「エボン=ジュ、死せる魂を寄せ集め、鎧に変えて身にまとうもの。
その鎧こそ、
シン
にほかならない。
シン
はエボン=ジュを守る鎧。
その鎧を打ち破る究極召喚をお前たちは消し去ったのだ!
もう誰も倒せぬ!」
そして、
スピラ
に未来はないと絶望したのか、
マイカ
は静かに異界へと旅立っていった。
「好き勝手ほざいて、逃げやがった。」
毒づく
ワッカ
。
(←こらこら・・・アンタ最初と全然態度違うじゃん)
マイカ
でさえも
シン
を倒す別の方法を知らなかった。
では、どうすれば?
そこへ、
ユウナ
と
ティーダ
の前に
バハムートの祈り子・フードを被った少年が現われる。
「ぼくの部屋へ来て。」
・
・
・
・
・
・
・
◆◇◆Episode47:シンという鎧をまとうもの◆◇◆
少年の言うとおり、
ティーダ
と
ユウナ
が祈り子の間へ向かうと、
祈り子の少年が待っていた。
さっそく少年が訊ねてくる。
「
シン
を復活させずに倒す方法、わかった?」
ティーダ
は答える。
「
シン
の中のエボン=ジュを倒す!」
少年は再び訊ねる。
「そうだね。
ね、エボン=ジュのこと、どれくらい知ってる?」
エボン=ジュのこと・・・
「
シン
が復活するカギ」
「
シン
という鎧をまとった存在・・・?」
ティーダ
と
ユウナ
が続けて答えた。
少年は話し始めた。
「エボン=ジュは昔、召喚士だったんだ。」
そういえば、
ガガゼト
で
メイチェン
老人も言っていた。
ユウナレスカ
の父エボン=ジュもまた、
ザナルカンド
の召喚士で、
シン
への対処を娘に伝授した、と。
そして、それがエボンの教えとして広まったのだ。
少年は続ける。
「でも、今はただ召喚を続けているだけの存在。
悪意も善意もなく、永遠の夢を願っているだけの存在。
永遠なんてないのにね。」
「おれたちが終わらせるからな。」
ティーダ
は言った。
少年は続ける。
「究極召喚で
シン
を倒しても、エボン=ジュは倒せない。
エボン=ジュは究極召喚獣に乗り移って、
それを新たな
シン
に変えてしまう。
そして、新しい
シン
に守られて、エボン=ジュは召喚しつづけるんだ。
でも、キミたちが終わらせるから、永遠なんてない。」
そして、少年はエボン=ジュの居場所を明かにした。
「エボン=ジュは
シン
の中に居るよ。」
シン
の中に・・・?
シン
に乗りこむしかないのか。
祈り子の少年は
ユウナ
に向かって言った。
「
ユウナ
、僕たちも協力するから、
エボン=ジュと戦うときは必ず召喚して欲しい。
キミたちの剣や魔法じゃ多分倒せないと思う。
だから・・・呼んで。」
ユウナ
は静かに、しかし、しっかりとした眼差しで頷く。
「それから、キミ。」
今度は
ティーダ
に向かって少年は語りかけた。
「すべてが終わったら、僕たちは夢見ることをやめる・・・
そうしたら、僕たちの夢は・・・消える。」
その意味を理解する
ティーダ
。
「あんたたち、長い間頑張ったもんな。おつかれさん。」
少年は最後に「ごめん。」とひとこと言って消えていった。
誰も居なくなった祈り子の部屋。
「何の話?」
祈り子の少年が最後に話したことの意味がわからない
ユウナ
は、
ティーダ
に訊くが、
ティーダ
はシラを切る。
ユウナ
は疑念を捨てきれない。
「何か隠してるよね?」
妙な胸騒ぎが
ユウナ
の心を占める。
「隠してない。」
そう言って
ティーダ
は先に祈り子の部屋を出ていく。
その背中を見ながら、
ユウナ
はつぶやいた。
「ウソ・・・下手だね。」
(←キミもね)
ティーダ
たちがみんなのところへ戻ると、
そこにいた
シェリンダ
に
リュック
が頼みごとをしていた。
【空飛ぶ船が祈りの歌を歌うのが聞こえたら、みんなも一緒に歌って】
シン
を倒すために、これを
スピラ
中に伝えて欲しいと
頼まれた
シェリンダ
は、
責任もって実行することを約束してくれた。
・
・
・
・
・
・
・
◆◇◆Episode48:戦いの序章◆◇◆
飛空挺へ戻ると、
シン
と闘う覚悟を決めて、みんなは動き出した。
リュック
の合図で、
シド
が何かのスイッチを入れた。
大音量で流れるのは祈りの歌。
【空飛ぶ船が歌う】を実行したのだ。
操縦席の
アニキ
が叫んだ。
「
シーーーーーン
ッッ!!!」
待つ間もなく
シン
が現われた。
決戦のときだ!
みんな甲板へ出ようと走ってブリッジを後にする。
「どうやって
シン
の中に入るつもりだ!?」
そう訊ねる
シド
に対し、
ティーダ
は振りかえり
「そんなの単純な方法で行くしかない。
口から入るか、
シン
に穴開けるか、どっちかだ!」
と答える。
すると
シド
が急に静かに体を振るわせた。
そして、大きな声で大笑いする。
「上等じゃねぇか!よし、
シン
にでっかい穴開けてやる!思いきりやって来い!!」
そう言って
シド
は
ティーダ
を送り出した。
甲板へ出ると、吹きつける風と雲の中、
祈りの歌が聞こえてくる。
ティーダ
たちの頼みを、
シェリンダ
が
スピラ
中に伝えてくれたのだ。
みんなが歌っている。
ユウナ
たちを信じて・・・
シン
が倒されるのを信じて・・・
歌を聴きながら、
ティーダ
が言う。
「
ユウナ
、もうこれ、いらないだろ?」
そういって彼はポケットから
ガガゼト
で拾った
ユウナ
の遺言スフィアを取り出した。
それを落としたことを知らなかった
ユウナ
は、慌てて懐を探す。
「いらないよな?」
再度
ティーダ
が問うと、
ユウナ
は静かに頷いた。
ティーダ
はスフィアを空へ放り投げる。
その直後
シン
が動いた!
シン
の両腕が光ったかと思うと
衝撃波が
シン
を中心に四方八方へ放たれる。
(↑スピラ壊れちゃうかと思った)
大地はえぐられ、その余波に
ティーダ
たちも
まともに立っていることすらできない。
しばらくしてそれがおさまると、
ティーダ
はやっとのことで立ちあがる。
そして、目の前には
シン
の顔があった。
「クソオヤジ・・・」
あの光った腕のコアをまずなんとかしなければならない。
飛空挺で並行に飛びながら
シン
を攻撃する。
シン
の抵抗も少なく、
ティーダ
たちの攻撃と飛空挺の主砲で
なんとか
シン
の両腕を切り落とした。
もう一つ、光るコアが残っている。
しかし、主砲はそれで打ち切り。もう使えない。
どうする?立てなおすか?
だが、
ティーダ
が動いた。
「行くっす。勢いがあるときは勢いに乗るっス。これブリッツの鉄則!」
(←でも、これってブリッツじゃないし)
先を切って
ユウナ
は甲板から
シン
へ飛び移った。
ティーダ
たちも後に続く。
シン
の背に乗り移り、全てのコアを破壊することに成功した。
両腕をもがれ、コアを失い、
シン
は人々が固唾を飲んで見守る中、
ベベル
へと落ちていった。
・
・
・
・
・
・
・
◆◇◆Episode49:小さなシン◆◇◆
やったか!?
一度ブリッジへと戻る
ティーダ
たち。
ベベル
に落ちた
シン
はビクともしない。
この間に
シド
たちは主砲の修理作業に入った。
だが、これで終わりではない。
シン
の中にいるエボン=ジュを倒さなくては!
ティーダ
は姿の見えなくなった
ユウナ
を探す。
ユウナ
は一人甲板に居た。
背後に近づく
ティーダ
の気配を感じ、
ユウナ
は口を開いた。
「
ジェクト
さん・・・苦しいのかな。」
それは
ティーダ
が思ってても口にできない感情だった。
「終わらせよう・・・早く。
祈り子も協力してくれるっていうしさ。」
ユウナ
は、
ベベル
で祈り子の少年が言った言葉を思い出す。
「あの言い方、気になるんだ。
ずっと一緒に戦ってくれていたのに、
今になって『協力する』なんて。」
確かに、召喚獣は召喚士と常に共にあり、
わざわざ協力すると宣言する必要はないはず。
ティーダ
も黙り込んだ。
「あ!」
ユウナ
が何かに気付いた。
「
シン
が復活するのは、エボン=ジュが召喚獣に乗り移るから・・・だよね。
私が(召喚獣を)召喚したら、きっとエボン=ジュは乗り移ってくる。
それは、小さな
シン
・・・だよね。」
ユウナ
の言わんとすることを察する
ティーダ
。
乗り移った召喚獣を倒せば、究極召喚じゃなくても
シン
を倒せる!?
だが、
ユウナ
は懸念する。
「倒してもまたエボン=ジュが乗り移るよ。」
「そうなったらまた倒す。
最後にはエボン=ジュも行き場を失ってさぁ・・・
あ・・・」
ティーダ
は言葉を飲みこんだ。
エボン=ジュの乗り移った召喚獣を次々に倒すこと・・・
それは、一緒に戦ってきた召喚獣と戦わなくてはならないという
ユウナ
には辛いことなのだ。
しかし、
ユウナ
は重々しい口調で話す。
自分に言い聞かせるかのように。
「やらなくちゃ・・・ならないんだよね。」
言葉を噛み締めながら
ユウナ
は自分に言い聞かせる。
しばしの沈黙の後、背を向けたままユウナは口を開く。
「祈り子様、夢見ることをやめるって言ってた。
夢は消えるって言ってた。」
ティーダ
はドキッとする。
そんな
ティーダ
の心を知ってか知らずか、
ユウナ
は続ける。
「どういう・・・・意味かな?
ねぇ、エボン=ジュは
シン
の中で何を召喚しているのかな?」
それは・・・
ティーダ
はつぶやく。
「祈り子の夢・・・」
しっかりした声で
ユウナ
が問う。
「キミは・・・消えないよね?」
答えを待つ
ユウナ
。
何も言えない
ティーダ
。
そこへ
リュック
のアナウンスが響いた。
シン
を見ろと。
甲板から落ちた
シン
を見止める。
微動だにしなかった
シン
は、今数枚の羽を広げて飛び立ち、
聖ベベル宮
のてっぺんにしがみついた。
そして、こちらを見つめている。
ブリッジに戻ると、
アーロン
が言った。
「
ジェクト
は待っているようだな。」
主砲の修理は間に合わない。
こうなったら・・・
「正面から行く!」
そういって
ティーダ
はみんなの顔を見渡した。
ルールー
は頷く。
リュック
は微笑み、
ワッカ
は笑って手を挙げる。
シド
は
シン
の口に飛空挺をつけてやるという。
とうとうシンに乗りこむ時が来た。
「父さんたちの願い、かなえに行こう!」
ユウナ
はそう言ってブリッジを出ていった。
ティーダ
たちも甲板へ急ぐ。
飛空挺が近づくと
シン
は飛び立ち、飛空挺のほうを向く。
「待ってろよ、オヤジ!」
口を開け、衝撃波を吐こうとする
シン
。
そして、それを阻止する
ティーダ
たち。
ダメージが大きかったのか、
シン
は痛みにもがき、
口を開けた。
チャンスだ!!
飛空挺は
シン
の光る口に全速力で突っ込んだ。
・
・
・
・
・
・
・
◆◇◆Episode50:突入◆◇◆
シン
の体内には、
シン
を形成する幻光虫がただよい、
摩訶不思議な空間を生み出していた。
飛空挺を降りた
ティーダ
たち。
ティーダ
の直感にたより、
右も左もわからぬ異空間をエボン=ジュの待つ場所へと進んでいく。
濃度の濃い幻光虫により、なんども魔物と戦う羽目になったが、
今の彼らを止めるものはない。
だが、しばらく進んだところで彼らを待っていたのは、
シン
に取りこまれたのであろう、
シーモア
だった。
(←もうすでにストーカーの域を越えている)
「
シン
は私を受け入れたのだ。
私は
シン
の一部となり、不滅の
シン
と共に行く。永遠にな。」
シン
を内部から支配してやろうと言う
シーモア
。
シン
は絶対に倒すと
ティーダ
たちも決死の戦いを挑む。
もはや魔物と成り果てた
シーモア
を倒し、
今度こそ異界へと送りこんだ
ティーダ
たちは先を急いだ。
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