マダムよっちゃんのオキラク生活

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4.分娩室 その1



午後8時30分

ようやく子宮口が最大開と認められ、陣痛室から分娩室への移動の許可を貰ったものの、1分おきに襲ってくる激痛の波のため、立ち上がるのもままならない。

陣痛室から分娩室までの短い距離を点滴の台につかまって
歩くものの、激痛に襲われるたびに立ち止まり叫んでしまう。
泣き叫ぶ私の脇をオットが支えてくれてどうにかこうにか
分娩台にたどり着く。
案内された分娩台は「座位分娩台」という上体を起こしたまま分娩できる、椅子のような分娩台だ。
背もたれが大きく、座った姿勢でいきむので、
赤ちゃんがおりてきやすいというメリットがあるらしい。

息も絶え絶え分娩台に上がると、お腹に陣痛監視装置がつけられた。
いよいよ、いきむ許可が出る。
グリップをしっかり握り、陣痛の波に乗る感じでいきむ。
しかし、コツがうまくつかめずなかなか力が集中しない。
体が熱くなり、頭がボーっとしてくる。
陣痛に耐えていたときに叫んだため、体力を消耗してしまって
うまくいきめないのだ。

「この時間は助産婦がひとりしかいないの。
ちょっと赤ちゃんの検温に行かなきゃ行けないから、陣痛の波が来たらいきんでて。
この様子だとまだ時間がかかると思うし、旦那さんもいるから大丈夫よね。」

・・・はぁ??
なんて事を言い出すんだ?
いくらオットがいるとはいえ、初めての出産なのに、一人でいきめというのか。
オットもびっくりした顔をしていたが、そんな私たちをよそに助産婦さんは
風のように分娩室を出て行ってしまった。

私「いなくなっちゃったよ。どうしよう・・・」
オット「ひとまず陣痛が来たらいきんでるしかないんじゃない?」

なんて間抜けな会話がなされ、私はさびしく一人でいきむことになってしまった。
リードしてくれる人がいなくなってしまったため、どのタイミングで
いきんでいいのかいまいちつかめずヘタないきみをくりかえす。

そのうちに、グリップは手を添える程度にし、足台から足を少し浮かせ、
背中と腰は分娩台にくっつけた状態でお腹を見るようにいきむと
力が集中するらしいということがわかってきた。

いきむコツをつかんだのだ。

いきむコツをつかんでからは陣痛の波にあわせて上手にいきむことができた。
腰の痛みはあるものの、波のピーク時はいきむことに意識を集中することができるため
陣痛に耐えていたときよりもずっとラクに感じる。

そうして20分くらい経っただろうか。
検温に行っていた助産婦さんが帰ってくる頃には
赤子がだいぶおりてきてしまっていたらしい。
戻ってきて様子を見るなり、慌てて出産の準備を始めた。

「準備ができてないから、いきむの我慢して!」
・・・唖然。万が一の事を考えて準備してから行ってくれよぅ。
というわけで我慢の指示が出ている間にもこっそりいきんでしまった私である。


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