行きかふ人も又

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モディリアーニ

アメデオ・モディリアーニ



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 モディリアーニ《赤毛の若い娘、ジャンヌ・エビュテルヌ》1918年     モディリアーニ《ズボロフスキーの肖像》1919年 

初めてイタリア出身の画家モディリアーニと、その妻ジャンヌの作品を観ました。
モディリアーニ(1884~1920)といえば映画「モンパルナスの灯」。
貴公子ジェラール・フィリップが演じた画家の生涯は、破滅的で繊細でした。
独特な風貌の絵画にも、魅力を感じます。
映画では、ジャンヌが後追い自殺するところまでは描かれていませんでしたが、実際は身重であった彼女は窓から身投げしています。
そうして観ていくと、ふたりの作品が並ぶドラマ性のある展示は、すごく見ごたえがあり充実していました。

アメデオ・モディリアーニ35歳、ジャンヌ・エビュテルヌ21歳の生涯。
短く散ってしまう二人、作風はとっても似ています。
画家としては無名といっていいはずの画学生だったジャンヌの作品は、彼と同じ被写体を描いたものも多いそうです。
深い色あいと、目・首・手などの柔らかい線は、どこか愛嬌さえ感じます。
瞳が入っていないことも違和感ありません。

ふたりの絵を見分けるには、背景が描きこまれているかいないか、だそうです。
モディリアーニは風景画を3枚しか描かず、ジャンヌは幾枚も描いている。
そういうところは違うけれど、雰囲気は似てる。

わたしにはジャンヌの作品のほうが、好きなものが多かったです。
本を読んで描いたという挿絵や、女性たちのファッションに目を向けた作品群が、どれも部屋に飾りたい~と思えるほど素敵で。
女性らしい一面や苦悩を、いろいろ感じることができたと思います。

映画でのイメージしかなかった美男モディリアーニですが、実際はもっとちょっと違うのかもしれませんね。
ジャンヌはずっと幸せだったとは思えなくて。
やっぱり彼女の暗い風景画なんかを観ていると、そう感じてしまいます。
彼の後を追って死を選んだこと、いったいどんな思いでそうしたのでしょう。それほど愛していたの―――?
それは永遠に彼女にしかわからないこと。

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越してきて、初めての芸術の森美術館でした。前回から10年ぶりくらい。
絵を観て、人生や生涯の物語を感慨深く楽しめたのは、久しぶりでした。
近代美術館とは、また違った味のある展示の仕方。どこがどうとは、上手く言えないけれど。

入り口の講堂には、ピカソやモディリアーニの作品にも影響を与えたといわれる、札幌芸術の森美術館コレクションから「アフリカの仮面と彫像」が展示されていました。

想像力を刺激する魅力的な造形

まさにそれですね。
エトルリアのブロンズも、アフリカの彫刻も、ゆるりと間延びしたような形が好きです。
そしてモディリアーニも、首なんか長くって、顔も細長くて、アンバランスなはずなのに、そこに味を感じます。
共通点をみつけて、なるほど彼の絵が好きなわけが自分なりに理解できました。

index_1_4.jpgmontparnasse.jpg「モンパルナスの灯」






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