聖歌は生歌

聖歌は生歌

実技実習編



《基礎編》

〔朗読と朗唱〕
 聖歌奉仕、オルガン奉仕を行うためには、まず、聖書の朗読と詩編の朗唱を踏まえることが大切です。特に、朗読は、典礼における聖書の出来事の現在化と密接に関係しているからです。また、息を合わせること、ハーモニーを確かにすることは、共同体の存続に重要なかかわりがあります。さらに、典礼には一貫した祈りの流れがあり、その流れが途切れることは、神への祈りが届かないことにほかなりません。このクラスでは、まず、朗読について、永井一郎『朗読のススメ』(新潮文庫)を、歌と共同体の存続の関係については小泉文夫の研究を学び、その上で、朗読や詩編の朗唱を実践していきます。

《実践編》

〔聖歌〕
 一般に言う「聖歌練習」ですが、ここでは「歌」の練習ではなく、「祈り、賛美の準備」と位置付け、まず、歌われる歌詞=特に、聖書のことばを深めることから始めます。それによて、聖歌自体が、深く品位ある祈り、賛美となるからです。

〔オルガン1〕
 典礼におけるオルガン奉仕は、技術の披露するための演奏が目的ではありません。典礼におけるオルガン奉仕の第一の目的は、共同体の祈りを支え、祈りを豊かにすることにあります。典礼の中心は、典礼祭儀に、あるいは、典礼祭儀を司式する司祭のうちに現存するキリストです。また、典礼には一貫した祈りの流れがあるので、その流れを途絶えさせてはなりません。このようなことを踏まえたうえで、典礼を豊かにするためのオルガン奉仕の実践を学びます。ここでは、まず、手鍵盤での伴奏を基本として、ミサにおける聖歌の伴奏を練習します。

〔オルガン2〕
 オルガン1で基礎を習得した人が、典礼におけるオルガン奉仕をより、豊かにするための実践を行います。答唱や交唱と詩編唱での鍵盤交替や、ペダル奏法、さらに、レジストレーションを実習します。さらに、ミサだけではなく、教会の祈りの伴奏も行えるようにします。

〔聖週間の典礼と聖歌〕
 一年の典礼暦の中心である受難の主日から復活の主日まで、特に、主の過越しの聖なる三日間の典礼の流れ、構造を学びながら、そこで歌われる聖歌を深めることで、聖週間の典礼を豊かなものにする準備をします。

〔降誕節と待降節の聖歌〕
 この季節は、どうしても「クリスマス」だけが、主役となりがちですが、本来は、二重の意味での主の到来を待ち望み、主の公言、主の洗礼に至るまで、主の降誕を祝う、一連の期間と位置付けられます。この二つの季節の持つ、典礼の豊かさを深めながら、救いの歴史の協力者としての聖母マリアと聖ヨセフの模範を振り返りつつ、この季節特有の聖歌を深めてゆきます。

〔司式〕
 典礼の中で大きな位置を占めるのが、司式者です。典礼音楽の重要な役割の一つは、司式者の祈りを妨げないこと、典礼の祈りの流れを損なわないことです。それには、まず、司式者自身が祈りとしての司式の歌い方を深める必要があります。ここでは、1=ミサの司式 2=教会の祈りの司式 3=これら以外の祭儀の司式 にコースを分けて、実践してゆきます。

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