お霊参り2

お霊参り2

黒木あるじ


「寺猿」
ある寺の住職が寺内で食べ物を持った猿を見かけた。
お墓にお供えした食べ物の味を覚えて、参拝者を襲ったりしては困ると思い
ある日、爆竹と猫避けスプレーを持って猿の後を追いかけた。
猿は逃げるでもなく、住職が追いつくと先に行って待ち、追いつくとまた先に行く。
まるで先導しているかのような行動。
やがて、寺のはずれまでくると無縁仏の塔がある場所で集合した猿が一様に
頭を垂れ場面に出くわした。
住職も忘れていた無縁仏だった。
猿は、持ってきた食べ物を無縁仏にお供えをしていたのだ。
住職がお経を唱え始めると、お経が終わるまでじっと手を合わせていたという。
『きっと、この無縁様は猿を助けたことがあるのでしょう。人間より獣の方が
感謝の念が強いのでしょうね』
それからは週に1度は掃除に訪れるようになったんだとか。

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