電池を求めて三千ドン

電池を求めて三千ドン





タイに一度来た人なら真っ先に気付くと思うが、タイ人は皆必要以上にドンくさい。日本人がやったら3秒で終わるような作業を半日かけてやる人が掃いて捨てるほどいる。
ダラダラの達人と呼ばれた俺(嘘)が言ってるんだから間違いない。






この前近所のコンビニに電池を買いに行ったときの事だが、パナソニックの単三をカゴに入れてレジまで行ったら70代前半くらいと思われる老婆が立っていた。





まず俺はこの時点で将来トラウマともなろう多大なショックを受けた





同じ中3の男子ならわかると思うが、レジ打ちの人は可愛いネェチャンじゃなきゃダメなんだ。これは別に個人的な希望などではない。世の男性の代表として言わせてもらう:






可愛いネェチャン FOR レジ打ち





と心の悲痛な叫びを訴えたところで話を戻すが、ババァは俺を見るなりマックの従業員も真青になるほどの笑みを顔にうかべ「サワディカァ」
と妙に大きな声で言った。

やってくれるじゃねぇか、ババァ

こっちも抵抗して韓国語で挨拶をしたが、どうやらババァは韓国語がわからないらしく(まぁ当たり前なのだが)キョトンとした顔でこっちを見てる。
やばい、なんかちょっと恥ずかしいぞ。何やってんだ、俺。少し取り乱したみたいだ。
こんなところで今にも死にそうなババァと格闘しても意味が無いのでさっさと電池を渡して金を払おうとすると、今度は「ペーパーオンリー」とよく意味がわからない英語で攻撃してきた。






ん?ちょっと待て






ペーパーオンリー??





何、お前
紙が欲しいの?
紙なんか無いよ、俺
ってか何故に紙?





とまぁいろいろと考えてみたが全然意味がわからなかったから適当に10バーツコイン(約30円)を6枚くらい渡したらババァは何を血迷ったか指を使いながらそのコインを1,2,3・・と数え始めたのだ。しかも気が遠くなるほど遅く

おいおい、そんなに難しい計算じゃあないだろう・・

「60バーツだよ」と親切に俺が言ってやってるのも無視してババァは硬貨を数え続けてる。何度も何度も確認するように数え続ける。たった6枚の硬貨をババァは数え続ける。ペーパーオンリーってこのことか。このババァは硬貨が数えられないんだ。多分

それにしても・・














今日昼何食おうかな?














昨日はラーメンだったし、今日はとんかつにするか














あ、やべぇ
一回家に金取りに帰らなきゃ














今俺小銭しか持ってねぇからな・・














あ、そういえば来週は彼女との9ヶ月記念日だっけ・・














なんかめんどくせぇな・・
ってかもう9ヶ月か、意外と早かった気がするな














と俺が勝手にあれこれ考えてるうちにババァはコインを数え終えたようだ。人差し指を突き上げ俺になにかを訴えかけてる。ん?あと10バーツ?ふざけるなよ、レジの表示にはちゃんと56バーツって書いてあるじゃねぇか
ババァもそれに気付いたらしく「オホーイ」と意味不明なことを言いながらレジの中から釣りをだした
俺は電池とその釣りをポケットのなかn・・














あれ?














なんかおかしいぞ














なんで釣りが紙幣なんだ?





しかもおい、これベトナムの通貨じゃねぇか。3000ドン(約30円)なんかもらっても嬉しくないぞ
早く4バーツよこせ、4バーツ





でもババァはニコニコしながら「早く帰れ」とでも言うように俺のことをみている。なんなんだお前は。働く気あんのか
でもなんかこれ以上ババァを虐めるのもなんだか可哀そうになってきたからここらへんで退却することにした





あのババァめ
今度会った時は1バーツコインで払ってやる








でもなんでベトナムのドンなんか持ってたんだろう




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